『 高く 遠く 』
作品制作の思い
制作テーマは
「一人ひとりが、それぞれ一回きりの「生」を生きる」
ということ。
誰しもが、たった一回きりの寿命を生きなければならないということを
緊張感ある造形で表現。
この作品で、私がかたちのモチーフとしたのは
石を割るときに用いる「矢」(楔・くさび)。
単純化した矢のかたちの中に
見て下さる方が、意識の上で上るための階段を造形しました。
この矢(楔・くさび)という道具は
一つの石の塊を真っ二つに割るのに用います。
そこに一発、強い打撃の力を加えれば
石は一瞬にして割れてしまう・・・。
そんな大変化の可能性をはらんで
矢が石の上に屹立するような、緊張感の上に成り立つ「生」を
私は表現しようと思いつめる気持ちで、制作をはじめました。
それは私が、人の一生というものは
大なり小なりいつも決定・決断の上に成り立っていると考えているから。
私自身、思いつめた気持ちで作り始めたこの作品は、制作が進むにつれて
大変化の可能性を秘めた自分自身の人生を生きる
というポジティブなイメージに昇華していきました。
私は、どんなに困難と思われる状況の中でも
人間に生まれることができたからには
心・精神は常に自由に「高く 遠く」を目指して
一回きりの「生」を生きていきたい!
と心から願っています。
この作品を見て下さる方が
意識の上で、この階段を上りながら
ご自身の「生」と向き合い対話していただけたら
するような時間が提供できたなら
とても嬉しいです。
H 165×W90×D56.5(cm)
ウルグアイ産黒御影石、インド産黒御影石
2014.10 長島学様邸に設置
■作品横の銘板には
長島様がどのような思いで彫刻を設置されたかが、
お子様、お孫様の代まで伝わるように、題名と共に
「限りある人生を一生懸命に生きる」
という一言が刻んであります。
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