画家 外澤こうさん  第2回 | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。


今日は素敵な作家を紹介いたします。
画家の外澤こう(そとざわ こう)さんです。


   
 外澤こうさん

日本画家の岡田 昌平さんからのリレーでご登場頂きます。
岡田 昌平さん  第1回  第2回 


外澤こうさん
第1回目

 第2回の今日は、外澤こうさんの制作のターニングポイントとなった作品「考」、ほか数点の制作の思いをお聞かせいただきました。また、社会との接点、「あなたにとってアートとは?」についてお話をうかがいました。
 どうぞ お楽しみ下さい。
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「ゆめ」  
混合技法  F6  
2011





  
「考」      
混合技法  S80  
2012




 

 

   
「無想」  
フレスコ  
620×480cm
2013 - 2016



 

 

 
「律」          
混合技法  変F10  
2017
  



 
「ことば」  
油彩    F4       
2017


 

 

  
  
「使者」  
混合技法  F3  
2017
  
  



日下
個別の作品についてお伺いしたいのですが、「考」という作品は描き込みが緻密で素晴らしく、美しさを感じます。この作品についてはどんなきっかけで描いてみようと思われたのでしょうか。
    

外澤こうさん
本当に自己変革したいなと思って描いた作品で、実は今回紹介している作品の中でも一番時間がかかっていて、こだわって描いた愛着のある作品です。結局、自分の思った通りには行かなかったのですが、すごく頑張った作品で、その後の作品展開のきっかけになった一枚です。


日下
外澤さんにとって変化点になった大切な一枚なのですね。


外澤こうさん
そうです。ターニングポイントの作品ですね。この「考」の作品までは、わりとコスチュームを着けた作品だったのですが、この後はコスチューム無しで布一枚だけですね。人間の根幹にあるものをテーマにしているので、なるべく自分の中で余計と思う要素は排除したくて、文芸的なもの、現代にあるモチーフみたいなものは入れずに、単純に自然の植物とか人間の体だけで表現出来たらいいな、シンプルにしたいなと思いながら描いています。


日下
そうですか。そして「律」という作品ですが、私はアダムとイブのリンゴのことをイメージしました。人間の中にある欲、とか禁忌タブーに向き合う感じがしました。


外澤こうさん
そうです。僕はああいう絵を描いているからか、僕自身は宗教に加担しているというのは無いのですが、キリスト教の方にはリンクするようで好意的に見て頂けているみたいです。


日下
制作テーマの所でお話されていた白という色の神々しさも感じられますね。
外澤さんはミュシャもお好きな作家の一人ということでしたが「使者」という作品は、そういう教会に合うような感覚がありますね。


外澤こうさん
白をテーマにしているのですが、年齢を重ねるにつれて、色を使うものもありかなと思えるようになってきています。これはクリスマスのために描いた絵ですが「冬の季節を持ってきました」というイメージで、季節の「使者」という意味で描いた絵ですね。あまり具体的な描写はせずに色で描いている作品です。


日下

とても素敵な作品だと思います。
さて、社会との接点について、外澤さんが意識されることはありますか。


外澤こうさん
美術というジャンルの需要の観点からすると未だにマイノリティな世界であることは否めないと痛感します。また作品は高額であり、ギャラリーの敷居を跨ぐにも躊躇う方々も多い印象を受けます。
少しでも「いい絵だな」「面白そう」と興味をもって足を運んでいただけるように、例外漏れなく私もそれを常に考えます。やはり実物と画像とではまったくの別物で、美術に馴染みのない方が実際に作品を見て感動を覚えてくださる局面は素晴らしいです。

自分の作品を追及し発表しながらも、一般的な美術鑑賞のイメージやハードルを如何に緩和できるか、普遍的な価値観をも共有できる作品を作れるかを課題としています。


日下 
外澤さんのそういうプロフェッショナルな意識には、とても共感します。
「美術というジャンルが需要の観点からすると、未だにマイノリティな世界…」と痛感されているそうですが、それはご自身の発表の中で感じていらっしゃるのでしょうか。


外澤こうさん
そうですね。最近でも、美術を知らない人に招待状を渡したところ「私なんかが行ってもいいんですか?」という感じの反応でそこから説明しなきゃいけない、という感じになってしまって…。


日下
実際に一般の方々に興味を持って頂けるように、何か工夫されていることはおありでしょうか。


外澤こうさん
絵でも分かりやすい絵を描きたいなというのはあります。そういう作品をざっくばらんに網羅して作品を飾りたいというのはあります。


日下
経歴に「2014年  ~2017年現在に至るまで、個人及び法人の制作依頼を受注し活動中」とありますね。私は外澤さんの作品は人気があるだろうなと想像するのですが、いかがですか。


外澤こうさん
僕の作品は白が多く、色みが少ないので寂しいと思われちゃうところがあるかもしれません。
ですが、お陰様で今はだいぶファンの方が増えてきたところです。



日下

それはとっても素晴らしいことですね。
では「あなたにとってアートとは?」


外澤こうさん
鏡です。

日下
そうですか~。(感動!) アートは制作者自身を映し出す「鏡」ということですね。とても共感します。 
外澤さんは制作や発表のどんな場面で「鏡」だと感じますか。

外澤こうさん
僕は自分で、というよりも人から絵の中の人物に「すごく似てるね。」とか「自分を描いているよね。」言われることがすごく多いんです。自分では、やっぱりそういうものなのかなと、多分自分を見つめながら絵に取り組んでいるんだろうなと、そう解釈しています。

日下
そうですか。今回はとても有意義で素晴らしいお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。


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 編集後記

ご登場の岡田 昌平さんからのリレーで、画家 外澤こうさんのお話をお伺いしました。 
外澤こうさんは、以前にご登場頂いた松原 遼さん、岡田 昌平さんと愛知県にある共同アトリエで制作されているそうです。

外澤さんの作品は、とても緻密で素晴らしい描写をされていることにとても感動しました。表現している内容と造形表現上の手法それぞれにテーマを持っていらして、とても冷静に真摯に表現していらっしゃる作家さんだと感じました。

白という色にこだわりを持ち、白で立体感を表現することも難しさをおうかがいしたうえで作品を拝見すると、なおのこといつまでも見ていられるような味わい深さを感じました。
また作品について「自分を描いている」と人から言われることが多いそうですが、私はそれは外澤さんの思いと表現がかけ離れることなくストレートに表現されているからなのだろうと感じました。

次回もどうぞお楽しみに。

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 ■外澤こうさん 略歴

1978年  愛知県名古屋市出身
2005年  名古屋芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒
2010年  第45回昭和会展招待出品
2011年  国展一般出品 (2013年まで)
2014年  ~2017年現在に至るまで、個人及び法人の
               制作依頼を受注し活動中
               
               毎年グループ展多数


本日もご訪問ありがとうございました。  

 

    本日もご訪問ありがとうございました。

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