東フィル第932回Sun:カルメン(MWC&コンパラート&キャロル) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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新型コロナウィルスCOVID-19で話題が持ちきりの中、第932回サントリー定期シリーズ『カルメン』(演奏会形式)を聴いてきました。
 
2020年2月21日(金)19時開演 サントリーホール
ビゼー:歌劇『カルメン』(演奏会形式)
 
【指揮】チョン・ミョンフン Myung-Whun Chung
【カルメン】マリーナ・コンパラート Marina Comparato 【ドン=ホセ】キム・アルフレード Alfred Kim
【ミカエラ】アンドレア・キャロル Andrea Carroll 【エスカミーリョ】チェ・ビョンヒョク Byunghyuk Choi

【スニガ】伊藤貴之 【モラレス】青山貴 【ダンカイロ】上江隼人 【レメンダード】清水徹太郎 【フラスキータ】伊藤晴 【メルセデス】山下牧子 【合唱】新国立劇場合唱団 【児童合唱】杉並児童合唱団
 
Myung-Whun Chung指揮の『カルメン』ということで、3公演ともチケットは完売で、サントリーホールは2公演目。2019-nCoVの影響で大規模な集会やイベントは控えましょうという雰囲気があるものの、空席は意外と少ない。9割弱〜85%程は埋まっていたと思います。マスク比率がかなり高い。

東フィルが演奏するカルメンって…2018年12月にGinger Costa-Jackson、砂川涼子さんらが出演した(指揮はJean-Luc Tingaud)新国立劇場で2回観た(こちら)。特に女声歌手が素晴らしかったですが、演奏については特に印象に残っておらず、ブログにも演奏の感想を書いていないので、そういうことなんでしょう。

しかし、MWC最高。暗譜での見事な指揮。統率力、構成力、ギュッと凝集した緊張感を維持しつつも歌うところは泣けそうなほどの情感。素晴らしいとしか言えない。歌手も総じてレベルが高い。全員が暗譜で多少の演技もしているので、演奏会形式でも全く不満はない。ミカエラCarroll、カルメンComparato、フラスキータの伊藤晴さんが特によかった。いつも満足したことがないエスカミーリョは、そもそもこの役を低音をしっかり響かせて歌える歌手がいるのだろうかと思えるほど難しいのだけれど、まずまずの出来だったと思う。それから特筆すべきは、いつも高水準の新国立劇場合唱団に加えて、杉並児童合唱団が最高。第1幕の美しかったこと!それに第3幕第2場のエスカミーリョ登場の直前の新国立劇場合唱団と杉並児童合唱団との合唱は涙が出るほど素晴らしかった。これまで新国立劇場のピットに入る東フィルの演奏を何度も聴いてきましたが、その中でも特に名演と言ってもいいでしょう。めちゃくちゃ感動した。毎回こういう演奏を新国立劇場でもしてほしい。

 
パーヴォ・N響も今年9月にカルメンをオーチャードで演奏するけど、もとからパスするつもりでしたが、やっぱりパス。東フィルはN響の半分の価格でこんなに素晴らしい聴かせるとは…本公演はかなりお得でした。日曜日にもう一回、オーチャードで公演があるけど完売。