2018年12月2日(日)14時開演 オペラパレス
2018/2019シーズンオペラ「カルメン」Carmen
ジョルジュ・ビゼー Georges Bizet
全3幕〈フランス語上演/字幕付〉
新国立劇場の入口を入るとクリスマスツリー。ホワイエにもツリーの飾りがあり、12月だと実感。
砂川涼子さんのミカエラは素晴らしくて、登場して歌うたび泣ける。第1幕のホセとの二重唱でまず落涙第3幕のアリア「何も怖くない」「連れ戻しに来た」でも 登場する場面は多くないが、カーテンコールではものすごい拍手とbravaカルメンGinger Costa-Jacksonは容姿からして femme fataleカルメン。しかも上手い! ハバネラ、セギディーリャ、ジプシーなどなど、どれも雰囲気たっぷりに妖艶に歌うので、そりゃドン・ホセもメロメロになるよって思わせるハマり役 演技も素晴らしく、艶かしく、最後ホセに刺されて倒れる場面も白目をむいて倒れていったのには驚いた
ドン・ホセOleg Dolgovもまぁまぁ。若干高音の伸びに力強さがない気がするが、前の方の席で聴いたので声量については気にはならなかった。一方、エスカミーリョThimothy Rennerは弱さがあり、どうもしっくりこない。確かに「闘牛士の歌」は、出だしの低音がバリトンには厳しい上にテンポが遅くて音程を取るのが難しそうだからビシッと決められる歌手は多くないのだろうけど… はっきり聞こえてこない。前回のブレッツも今ひとつだったし、本当に満足できるエスカミーリョにはなかなか出会えないのかな。
鵜山仁の演出も5回目だけど、立体的にも優れた演出で見応えがある。舞台上が雑然としている感がないわけでもないが、そもそもそういう設定だし、主要な歌手を見つけることはそんなに難しくはないから許容範囲だろう。まぁ、対訳を見る必要がそんなにないし、3回も観たので誰がどこから出て来るのかはだいたい分かる。
男声合唱、女声合唱、児童合唱とバランスがいいのが本作品の特長で、新国立劇場合唱団の実力が発揮されていて素晴らしかった。
幕間では、カルメン特製なめらかプリン。とても甘かったけれど、そのぶんとても美味しかった。
【指揮】ジャン=リュック・タンゴー Jean-Luc Tingaud 【演出】鵜山仁
【美術】島次郎 【衣裳】緒方規矩子 【照明】沢田祐二 【振付】石井潤 【再演演出】澤田康子 【舞台監督】斉藤美穂
【カルメン】ジンジャー・コスタ=ジャクソン Ginger Costa-Jackson 【ドン・ホセ】オレグ・ドルゴフ Oleg Dolgov 【エスカミーリョ】ティモシー・レナー Timothy Renner 【ミカエラ】砂川涼子
【スニガ】伊藤貴之 【モラレス】吉川健一 【ダンカイロ】成田眞 【レメンダ―ド】今尾滋 【フラスキータ】日比野幸 【メルセデス】中島郁子
【合唱指揮】三澤洋史 【合唱】新国立劇場合唱団 【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団 【ダンサー】新国立劇場バレエ団(柴山紗帆、寺井七海、中家正博 etc.) 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団