睦美の短歌日記 -30ページ目

あのころの夏その2

(続き)

キャンプ地ではないため、川にはなんの設備もなかった。
だから彼らは、家にトイレをよく借りにきた。
私の家は川原から近いので、大所帯のキャンパーたちは、ひっきりなしにトイレを借りに来た。
正直ウザかった。
彼らは家のなかに上がると一様に、うちの中を珍しそうに見回し、トイレを借りる。
一日に何度も何度も、毎日のように、入れ替わり立ち替わり。
女性や、男性でもウンコならまだ分かるが、男のくせにオシッコしに来るのはまったくもって意味不明だった。
今なら分かるが、この中には「川を汚さない」というマナーを実践してる人もいたんだと思う。確かに普通のキャンプ地なら、そのへんでタチションするのはマナー違反だ。

ゴミを大量に川に置いていくくせに、花火はバケツにくんだ水の横でやってる人。
釣り人と泳ぐ人の間にある、暗黙のテリトリーを守らない、っていうかそもそも分かってない人。
都会人はミステリーだった。
毎年のようにどっかで死人が出て、地元有志の青年団や消防団が出動してたが、死ぬのは常に、川の怖さを知らない都会からきた人だった。

ちなみにうちは当時、汲み取り式のぽっとん便所だった。うちだけではない。下水設備がまだなくて、集落全体が汲み取り式だったのだ。
汲み取り式は有限のトイレである。たくさんの人が利用すれば、すぐにいっぱいになる。いっぱいになる前に汲み取り車に来てもらわなきゃ、大変なことになる。
本当に迷惑極まりなかった。

あるとき私は川で、大学生のキャンパーたちが「ぽっとん便所なんて始めてや」「怖いよなー」「臭いし」「まじ?後から見にいこっと」みたいな会話をしながらゲラゲラ笑ってるのを耳にした。
強烈に頭にきた。
私、あんたらが悪口言ってるぽっとん便所の家の娘なんですけど?
臭いのはビール大量に飲んでるあんたたちのウンコのせいじゃないか。
私のお母さんはあんたらのせいで、一日に何回もトイレ掃除してる。そんなん知らんやろ。(私の母親は潔癖ともいえる綺麗好き)
汲み取り車に来てもらうのだって、タダじゃないんだ。

私と一緒にそれを耳にしたTちゃんも憤慨していた。
で、川でバラバラに遊んでた仲間たちを集めて報告した。
みんなで「ヨソモノ」の悪口を言い合った。

(続き)

あのころの夏その1

小学校のとき、私はよく川原でオシッコして葉っぱで拭いていた。
野性児です、ウッキッキー。
や、もちろん普段から川原でオシッコしてたわけじゃないです。
川原でオシッコするのは、夏休みに友達と川遊びするとき。たいてい一日中、川にいる。いちいちオシッコしに家に帰ったりしないのだ。
みんな日焼けして、真っ黒な猿たちだった。
トイレを川でするのって普通だった。うちの田舎における常識。
でも、最近の子はしないらしいです。田舎の常識も変わってゆく。

川原どころか、川の真ん中に泳いでいって、そこでオシッコする子もたくさんいた。
なかにはウンコする勇者すらいた。流れが速いので、あっという間に川下へ。ドンブラコードンブラコ。流れつつ魚の餌になっていたことでしょう。
私がそうしなかったのは、単に、流れの速い足のつかない川の真ん中で立ち泳ぎつつオシッコするなんてアクロバットなこと、逆立ちしてもできなかったからです。悲しいかな、私はみんなよりデキの悪い野性児だったの。ウキッ。

夏休みになると、都会からやってくるキャンプの人たちもたくさんいた。多かったのは大学生のグループ。
設備が整ったキャンプ地ではないことが、逆に穴場的な面白さとなっていたのだろうか。
彼らは私たち田舎の小学生には、傍若無人の常識なしに見えていた。
はっきり言うと、彼らが嫌いだった。
山も川も、私たちの王国だったのだ。
「ヨソモノ」は私たちのルールが分かってなかった。

(続く)

花粉症キタ…orz

くしゃみ三連発、目が痒くて、鼻水がズルッ。
ルンルンと部屋中を掃除してたんだけどさ、シーツを取り替えてるときに、花粉アンテナが反応しました。このアンテナは精度がいいのだ。
毎年のことといえども、やれやれだ。
政府の方針には文句言いつつも唯々諾々と従い基本的には信頼してる典型的な日本人の私ですが、植林政策の失敗については声を大にして文句言いたい。デモだデモ。杉ばっか植えやがって。杉なんてウンコだ。

真冬でも部屋中の窓を全開にして、コタツのなかに亀のように潜りこんで縮こまってるぐらい換気大好き人間なんですが、花粉症の時期は無理です。
窓を締め切り、部屋干しのせいでなかなか乾かない洗濯物に囲まれ、空気清浄器のパワーを最強にして、春が終わるのを待ち望む。消極的でむなしい戦いに突入するのです。
花見なんて絶対無理。お酒も桜も好きだけど無理。
短歌といえば桜、桜といえば短歌というほど関わりが深いですが、そして私もよく桜の歌を歌いますが、ぶっちゃけ心穏やかに桜を愛でたことないです。

杉を憎むあまり、同じクラスの杉本くんをイジメたこともあります。
杉本くん、あのときはごめんね。
「はくしょん!……もー、その名前がヤダ。ムカつく。今のくしゃみは絶対杉本くんのせいや。近寄らんとって」
「なんでやねん。そんなこと言うなやー」
「じゃあ今日から梅本って呼ぶわ。は…は…はくしょーん!梅本、私から離れて。しっしっ」
「せめて松本にしてくれ」

あ、そういや夏に同窓会やるらしいね。ぜひ来てね。
夏で良かったね。
春だとまたいじめてたよ。


■この時期は前夜どれだけ泣いたって「花粉症」って言い訳できる