あのころの夏その2
(続き)
キャンプ地ではないため、川にはなんの設備もなかった。
だから彼らは、家にトイレをよく借りにきた。
私の家は川原から近いので、大所帯のキャンパーたちは、ひっきりなしにトイレを借りに来た。
正直ウザかった。
彼らは家のなかに上がると一様に、うちの中を珍しそうに見回し、トイレを借りる。
一日に何度も何度も、毎日のように、入れ替わり立ち替わり。
女性や、男性でもウンコならまだ分かるが、男のくせにオシッコしに来るのはまったくもって意味不明だった。
今なら分かるが、この中には「川を汚さない」というマナーを実践してる人もいたんだと思う。確かに普通のキャンプ地なら、そのへんでタチションするのはマナー違反だ。
ゴミを大量に川に置いていくくせに、花火はバケツにくんだ水の横でやってる人。
釣り人と泳ぐ人の間にある、暗黙のテリトリーを守らない、っていうかそもそも分かってない人。
都会人はミステリーだった。
毎年のようにどっかで死人が出て、地元有志の青年団や消防団が出動してたが、死ぬのは常に、川の怖さを知らない都会からきた人だった。
ちなみにうちは当時、汲み取り式のぽっとん便所だった。うちだけではない。下水設備がまだなくて、集落全体が汲み取り式だったのだ。
汲み取り式は有限のトイレである。たくさんの人が利用すれば、すぐにいっぱいになる。いっぱいになる前に汲み取り車に来てもらわなきゃ、大変なことになる。
本当に迷惑極まりなかった。
あるとき私は川で、大学生のキャンパーたちが「ぽっとん便所なんて始めてや」「怖いよなー」「臭いし」「まじ?後から見にいこっと」みたいな会話をしながらゲラゲラ笑ってるのを耳にした。
強烈に頭にきた。
私、あんたらが悪口言ってるぽっとん便所の家の娘なんですけど?
臭いのはビール大量に飲んでるあんたたちのウンコのせいじゃないか。
私のお母さんはあんたらのせいで、一日に何回もトイレ掃除してる。そんなん知らんやろ。(私の母親は潔癖ともいえる綺麗好き)
汲み取り車に来てもらうのだって、タダじゃないんだ。
私と一緒にそれを耳にしたTちゃんも憤慨していた。
で、川でバラバラに遊んでた仲間たちを集めて報告した。
みんなで「ヨソモノ」の悪口を言い合った。
(続き)
キャンプ地ではないため、川にはなんの設備もなかった。
だから彼らは、家にトイレをよく借りにきた。
私の家は川原から近いので、大所帯のキャンパーたちは、ひっきりなしにトイレを借りに来た。
正直ウザかった。
彼らは家のなかに上がると一様に、うちの中を珍しそうに見回し、トイレを借りる。
一日に何度も何度も、毎日のように、入れ替わり立ち替わり。
女性や、男性でもウンコならまだ分かるが、男のくせにオシッコしに来るのはまったくもって意味不明だった。
今なら分かるが、この中には「川を汚さない」というマナーを実践してる人もいたんだと思う。確かに普通のキャンプ地なら、そのへんでタチションするのはマナー違反だ。
ゴミを大量に川に置いていくくせに、花火はバケツにくんだ水の横でやってる人。
釣り人と泳ぐ人の間にある、暗黙のテリトリーを守らない、っていうかそもそも分かってない人。
都会人はミステリーだった。
毎年のようにどっかで死人が出て、地元有志の青年団や消防団が出動してたが、死ぬのは常に、川の怖さを知らない都会からきた人だった。
ちなみにうちは当時、汲み取り式のぽっとん便所だった。うちだけではない。下水設備がまだなくて、集落全体が汲み取り式だったのだ。
汲み取り式は有限のトイレである。たくさんの人が利用すれば、すぐにいっぱいになる。いっぱいになる前に汲み取り車に来てもらわなきゃ、大変なことになる。
本当に迷惑極まりなかった。
あるとき私は川で、大学生のキャンパーたちが「ぽっとん便所なんて始めてや」「怖いよなー」「臭いし」「まじ?後から見にいこっと」みたいな会話をしながらゲラゲラ笑ってるのを耳にした。
強烈に頭にきた。
私、あんたらが悪口言ってるぽっとん便所の家の娘なんですけど?
臭いのはビール大量に飲んでるあんたたちのウンコのせいじゃないか。
私のお母さんはあんたらのせいで、一日に何回もトイレ掃除してる。そんなん知らんやろ。(私の母親は潔癖ともいえる綺麗好き)
汲み取り車に来てもらうのだって、タダじゃないんだ。
私と一緒にそれを耳にしたTちゃんも憤慨していた。
で、川でバラバラに遊んでた仲間たちを集めて報告した。
みんなで「ヨソモノ」の悪口を言い合った。
(続き)