全国所々、鉄道と道路が仲良く並んで架かる橋がある。
ここは堀切橋と京成本線荒川橋梁。
昭和初期に放水路として開削された荒川下流域(足立・葛飾区以南)は、戦後も木橋が多かったようで、この堀切橋もそのひとつ。
戦後の急速な経済発展を背景に、1967年(昭和42年)に単純な箱桁構造の橋となったが、隣の荒川橋梁の景観を考慮してあえて単純なスタイルにしたそう。
その京成本線の橋梁を見ると、真ん中3連はトラス、両端は6連のガーダー橋となってる。トラスは山なりに弦を結ぶ構造で、最近は少なくなりつつある。
地盤沈下の影響で両岸が沈降し、後からできたコンクリートの堤防は京成線の線路のところだけ低くなっている。
これでは堤防の意味が無いため、治水対策として架け替えが検討されており、この優美なトラス鉄橋が見られるのもあと数年かもしれない。
写真に写るは、引退が近い京成3300形。1968年誕生で堀切橋とほぼ同じ年齢。都内を走る鉄道車輌としてはかなり古い。
最後は土手を挟んでかかる綾瀬川橋梁も。
堀切は葛飾区側の地名だが、東武線の堀切駅は足立区側。この駅のすぐ脇を堀切橋は跨いでいる。
近辺には高層マンションもあり、スカイツリーもよく見える。
橋のすぐ下流は首都高速6号線が巨大な橋梁で荒川を渡っており、開放感のある荒川土手も、都心であることを実感する風景が広がる。
東京都足立区・葛飾区
堀切橋
形式:12径間鋼製箱桁橋
橋長:514m(隣の綾瀬川の架橋部分も含む)
幅員:17m
竣工:1967(昭和42)年
荒川橋梁
(15径間)
形式:単線上路プレートガーダー(6連×2)+複線下路曲弦ワーレントラス3連
橋長:446m
竣工:1931(昭和6)年
綾瀬川橋梁
(3径間)
橋長:不明
形式:単線上路プレートガーダー(単×2)+複線下路平行弦ワーレントラス
竣工:荒川橋梁と同じ