厚生労働省の調べによると日本人が一生の間に、
がんにかかる可能性は男性は2人に1人、
女性は3人に1人と推測されているそうです。
そして、生活習慣の欧米化などに伴い、近年、
日本人女性の乳がん患者数は増加しており、
1999年にはがんにかかる女性全体の中で、
乳がんになる人が胃がんを抜いて、第1位になりました。
乳がんと言えば、つい先ごろ、北斗晶さんが
乳がんであることを公表されましたが、毎年、
婦人科検診と一緒に乳がん検診も受けていた北斗さん。
それも万全を期すため、マンモグラフィーだけでなく、
超音波検査も併せて受けていたそうです。
にもかかわらず、右乳房を全摘出しなければならず、
さらには、リンパ節にも転移していたという事実に、
ご本人の悲しみと苦悩は計り知れませんが、
その報道に衝撃を受けた方も多いのではないかと思います。
がん治療において、早期発見、早期治療の重要性は
誰もが知るところですが、乳がんは早期発見で
あるほど治癒率が高い病気です。
腫瘍が2cm以下で、リンパ節への転移がない
状態であれば、約90%の人が10年生存、つまり、
ほぼ完治しているという結果が出ています。
また、がんが小さいうちに発見できれば、
女性にとって大切な乳房を温存できます。
いかにして、早期に発見するかが重要になって
くるわけですが、まずはセルフチェックですよね。
自覚症状がある場合はすぐに医療機関を
受診すべきですが、特に自覚症状はないけれど、
念のために、検診を受けておくという場合、現在、
日本では40歳以上の女性に、2年に1回は
乳がん検診を受けることが推奨されています。
しかし、欧米を中心に、これまで乳がんの死亡減少に
有効であると言われていたマンモグラフィー検診に
異議が唱え始められました。
2009年に、米国予防医学専門委員会が、それまで
「40歳以上の女性に対して、1~2年に1回のマンモグラフィー
検診受診を推奨する」としていたのを「40歳代の女性に
対する定期的なマンモグラフィー検診は利益より不利益が
大きいので、推奨しない」と変更したからです。
危険要因とされるのが、マンモグラフィーによる
放射線被ばくのリスクは最大で胸部X線撮影の
1000倍に、相当することがあり、特に、閉経期前の
乳房は放射線に非常に感受性が高く、それにより
乳がんにかかるリスクが1%上昇するそうです。
若い世代やガン遺伝子を持つ女性の場合、
そのリスクはもっと高くなると言われていて、
私も日本とフランスで、何度かマンモグラフィー検診を
受けておりますので、マンモグラフィーを受けるたびに、
乳がんにかかるリスクが上昇するだなんて、
衝撃の事実ですし、日本で、どれほどの人が
それを認識しているでしょうか。
また、検査の際に乳房が強く圧迫されますので、
もし、がん細胞が存在している場合、周囲の毛細血管を
断裂して、がん細胞を広めることにもなりかねません。
さらにはマンモグラフィーで偽陽性との誤診を
受けるリスクが6%以上にのぼるため、不必要な
治療が行われる危険性が有るそうなのです。
私はマンモグラフィー検診を否定するつもりは
まったくありません。
ただ、どんな医療行為や検査にもメリット、
デメリットはつきものです。
メリットだけが強調されるのではなく、公平な
情報のもとで、各々が納得した上で、選択できる
環境であることが望まれますね。
ちなみに、フランスのウェブサイトを確認すると
乳がん検診は50歳以降、2年に1度、受けることが
望ましいとなっております。
フランスの婦人科検診に興味のある方は
こちらの記事 フランスで婦人科検診 もご覧ください。
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