前記事からのつづきです。
ツボその④:龍一さんのお気に入りのナンバーは?
まあここは予想通り「ベースボール」、そして「フィナーレ」でしたね。
ただ本当に面白かったのは、龍一さんが自分もフィナーレになるべくたくさん出たすぎて、ケイトリンとミッチに計画を練り直させて無理やり早めに再登場させてもらった、というくだり。
動画の31分06秒辺りで「僕的には最高のフィナーレでした。フハハッハ!」と満面の笑みを浮かべる龍一さん:
これは前述の「リハーサル動画」でもその経緯が紹介されていましたが、そのせいで最後のソロナンバーの衣装から、フィナーレのハイスクール制服への早や着替えがものすごい忙しなくなってしまった。
インタビュー中、それまでは穏やかで落ち着いた受け答えを見せていた璃来サマがやおら、
「ちょっと待って」
と遮り、
そこから早口で興奮気味にまくしたてます。
どれだけ自分の方が早や着替えが大変だったのか、スカート履いて、Tシャツ着て、シャツ着て、ニットも着ないといけなかった、と訴える様子がめちゃくちゃ面白い。
その隣で自分も突如、激しいジェスチャー付きで早や着替えを再現する龍一さん。
この場面、皆さんにちゃんと伝わったかどうか分からないのですが、彼はしきりに「パーン!って」と言って何かを外す動作をしていますよね。
フィナーレの制服の衣装は男性が全員、自前の黒いズボンを履いていました。龍一さんは「バッド・ガイ」であろうが、「グラディエーター」であろうが、衣装のズボンが黒だったのでそれを履いたまま、トップのシャツを脱ぐだけで良かったのです。
彼の衣装は股下のスナップを外せばそれこそ「パーンっ」と脱げるので、その様子を見せているわけです。
おそらく本当にあれくらいの勢いで、舞台裏で剝ぎ取って、ザデスのTシャツ、白いワイシャツにネクタイ、そしてジャケットを羽織れば完了だったのです。
この二人のやり取りが延々、20秒くらい続く。その間中、二人して脇に座っている私の方を向いて必死に説明してくれているのですが、いや、私にそんなん言われても。
でもこんなワチャワチャした言い合いが面白いんですよね?本当にりくりゅうらしい、微笑ましい場面でした。
ツボその⑤:りくりゅう&ケイトリン・ミッチが再会するという「デスティニー」
36:40辺りから龍一さんが少し声のトーンを落として「ちょっと重くなるかも知れないんですけど」と話し始めます。
りくりゅうのお二人と、ケイトリンとミッチとの4人で「ザ・デスティニー」を創るにあたって、本当に不思議な縁があったのだというとても素敵なお話です。
どういう経緯があったのか、に関しての詳しいことは元の動画を観ていただくとして:
私からはむしろ、もうちょっと大きな背景をご紹介したいと思います。
そもそも2012年辺りからカナダのアイスダンスには非常に有望な若いアイスダンスのチームが揃うようになっていて、素晴らしく明るい未来が予想されました。
筆頭はもちろん、2010年のバンクーバー五輪で初々しくも堂々とした優勝を果たしたテッサ・ヴァーテュー&スコット・モイヤー。その次に控えていたのがケイトリン・ウィーヴァー&アンドルー・ポジェ、そして3番手にアレクサンドラ・ポール&ミッチ・イスラムというチームがいたのです。
また、そのすぐ後ろにはパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組もいましたが、上記の3組が2014年のソチ五輪の代表メンバーとなるのでした。
(お詫びと注意点:↑この記事ではデュシェネ―兄妹のことをカナダのアイスダンス史に貢献したように書いていますが、彼らは生まれがカナダでありながらもフランス代表として活躍したチームでした。また、不覚にもマリーフランス大先生とご主人のパトリス・ローゾン組のことを書き忘れていました。すみません。)
ソチ五輪の後、アイスダンスのカナダの国内序列に少しずつ変化が訪れて、ポール&イスラム組がギレス&ポワリエ組に追い抜かれるようになり、それがやがてはミッチたちの引退へと繋がるのですが
とにかく今回、「ザ・デスティニー」に携わったカナダのアイスダンスの界の人々は、この時代に全員、集結していたんですよね。
それだけでも私などは感慨深いのですが、実はもう一つ、背景として知っておくとインタビュー後半でケイトリンとミッチの発するコメント(彼らが家族同然の関係であること)、そしてりくりゅうのお二人にもそれが深く関係していること、が分かってより心が揺さぶられる要素があります。
読むべき箇所が少し分かりにくいかも知れませんが、あえてあまり内容には触れずに過去記事をリンクしておきます。ご興味があればどうぞ:
その他のツボ、としては「ザ・デスティニー」が今後も続きそう、あるいは少なくともこの4人はまたぜひ体験したい!と思うほど楽しかった様子が伝わって来て嬉しいですね。
動画内でもケイトリンが言っていましたが、りくりゅうの二人の実績、人柄あってこそのあのキャストでした。これからも彼らの「カップル競技愛」に共感して、その普及に手を貸してくれようとするスケーター達は大勢いるでしょう。
楽しみに待つことにして、「ツボシリーズ」二つ目の記事をアップします。
あ、最後に懺悔ですが、私は個人的にこのアイスショーの略称は何が良いか、というアンケートが出た時、「そんなもん、『ザデス』なわけないでしょ。『セデス』じゃあるまいし」と笑ったのでした。
が、いつの間にか龍一さんイチオシの「ザデス」がすっかり定着していて、自分も使うようになっているんですよね。
何が起こるか分からんもんです。








