現在、TSNの中継は女子と男子のフリーをやっていますが、この隙に昨晩のダンスとペアについて少しばかり書きます。
カナダは男女シングルでは各2つしか世界選手権出場枠がありませんが、ダンスとペアに関してはそれぞれ3つの組が出場できます。
かと言ってドラマがないわけではない。
ダンスでは今シーズン、国際試合では負け知らずのウィーヴァー&ポジェ組が圧倒的に強いです。彼らがショート・ダンスの6分間練習に出てくるとなんだか他の選手たちが威圧されたみたいによけている感じ。
なんせスピードが半端じゃない。ケイトリンの赤いドレスがたなびくとそれはもう炎が燃え盛るようです。そしてただでさえ大柄(193センチ!)なアンドルーが闘牛士の衣装を着ると、存在感がものすごい。
ところで彼らの衣装についてスケカナの時点でベヴァリー・スミスさんが書いた記事が面白かったです。普段、アイスダンスは女性が派手な衣装を着て、男性は引き立て役に回るものですが、このパソ・ドブレの場合は男性の方が目立って良い、ということでした。
なのでアンドルーの衣装は刺繍が凝っていて、ビーズもたくさんくっついていて、なんと重さ4.5キロ、おまけにケイトリンは気を付けないとその刺繍で擦り傷が出来てしまうそうです。彼女の衣装も実は工夫がほどこしてあり、胴体のところは「チェリー・レッド」、でも裾の方に行くにつれ、オレンジ色に近い赤へと移行しているのだとか。
私は彼らのショートを見るたびに、顔の表情に見入ってしまいます。練習の時からすでにキャラになり切っていて、集中力が切れない。演技の間中、全ての動きが振り付けられていて、交わす目線、繰り返す指先のしぐさにも意味が込められていて(闘牛士が牛に槍を突きさすときの手の形になっている)、とにかく目が離せません。
極めつけは最後の30秒辺りで音楽が
「ジャッ・ジャーン」
と鳴るところで二人がぐっと腰を下ろすところ。
ぐおおおお~っ
まあ当然、首位で折り返しました。
そして同じアンジェラ・クリロワコーチの元で練習しているミッチェル&イスラム組が三位に入りました。この組の衣装は全く反対に非常にシンプルでエレガント。
クリロワ先生、お美しい
ところで解説のトレイシーさんはアイスダンスが専門だけあって本当に分かりやすく、色々なルールの説明をしてくれます。おかげで各組の比較ポイントも明確で、なるほど、と思わされました。
私がけっこう注目しているのが2位に入ったギレス&ポワリエ組。CBCの解説でお馴染みのキャロル・レーンさんの教え子ですが、カートさんが絶賛するのがポワリエ君のスケーティング。確かにものすごく深いエッジで、素晴らしく安定しています。これはすごい。この二人も演技力がすごく、役になり切っています。
パイパーちゃんのメイク、けっこう奇抜?
さて、ペアでも首位はほぼ疑うことなく、デュアメル&ラドフォード組です。(ところで私はいつもメーガンの名字を「デュハメル」ではなく「デュアメル」と表記していますが、これはフランス語読みであると同時に、こっちでは皆そう彼女を呼んでいるからです。)
今シーズン、彼らも負け知らず、世界で唯一、サイドバイサイドでトリプル・ルッツを跳ぶことで有名で、しかもスロー4回転サルコーを決めることができるペアです。
昨夜も余裕で、二位に15点もの差をつけてトップになりました。
そしてペアで私が最も注目しているのが新しいパートナーを得たディラン・モスコヴィッチです。
昨シーズンが終わった後、カナダではずっとデュアメルたちのすぐ後につけていたムアータワーズ&モスコヴィッチ組がコンビを解消した、というニュースが舞い込みました。これにはびっくりしましたね。
その理由がちょっと不可解で、なんでも22才のムーアタワーズが8才上のモスコヴィッチとでは後二回オリンピックを目指せない、と同じ1992年生まれのモリナーロと新しく組んだため、ということでした。
モスコヴィッチ選手、それはちょっと気の毒と思っていると彼もめでたく新しいパートナーを見つけ、今はクリケット・クラブを拠点にしてこのカナダ選手権に間に合わせてきました。
相手はロシア出身のルボフ・イリユシュシキナ、かつては世界ジュニアチャンピオンにもなった実力者ですが、彼女もパートナーと別れた後、相手に恵まれずに悶々としていたところにモスコヴィッチからトライアウトの招待を受けたということです。
皮肉な事に、、ムーアタワーズ組よりも高順位につけました。
ただ、一緒に滑り始めたのがすでにシーズン開幕間近だったため、連盟からの強化費を受けることができず、全て自腹で活動しているとのこと。とうとう活動費をねん出するためにCROWD FUNDING(インターネットでの募金活動)に頼ったほどです。そこがかなりしんどそうですが、今大会での彼らの滑りを見ると、今後に期待できそうです。
私は応援しています。皆さんもファンになってあげてください。







