シリーズ三番目(そして最終)の記事です。
海外からの訪問客とオークビルで二日間を過ごした後、さあどこに連れて行ってあげようか、と考えて私が思いついたのは「植物園」でした。
自然やお花が好き、と仰るので、隣町のバーリングトン市にある「Royal Botanical Gardens」が良いかな、と。
ウェブサイトをあらかじめ調べておいて、どうやらこの時期はローズガーデンがピークらしい、と分かっていたので期待していきました。
この植物園に最後に来たのはもしかすると25年以上も前だったかも知れません。オークビルに引っ越して間もなく、義母や義姉たちと一緒に訪れて、ライラックやアイリスの季節だったように記憶しています。
そして何故か、その一角でチェロ奏者のヨーヨ・マがドキュメンタリーの撮影のために来ていて、バッハの無伴奏チェロ組曲を弾いていたんですよね。ビックリして思わず凝視してしまったのを覚えています。
さきほどからこの記事のために、そのドキュメンタリーが何だったのか探していてやっと見つけました。
これの28分目あたりからのシークエンスをまさに私の目の前でヨーヨー・マが弾いていたのです。確かにライラックに囲まれていますよね?
あー、すっきりした。
まあそれはさておき、今回の訪問ではお天気も良く、意気揚々として出かけたのですが、結論から言うとすんごい期待外れ。
エントランスはまあまあ。
ここらへんまでは良かったのですが、お目当てのバラ園に到達すると、ピークはとっくに過ぎて枯れているものの方が圧倒的に多い。
写真に写っているのはまだましな方で、おしまいにはお客さんも「あら―可愛い」と、枯れたバラの下に佇んでいたシマリスを愛でるしかない、という。
バラ園から少し歩いたところに「ヒーリングガーデン」という薬用植物の並ぶエリアがありました。ゲストの方は小児科医なので、ここにはちょっと興味をそそられたようです。
そして森林浴が楽しめる散歩道もあったんですが、
ちょっと疲れて来たので、最初の受付のある建物の方に戻って行きました。
夏休みで入場客も多いだろうに、えらく簡易なカフェテリアしか開いていなくて、そこでサンドイッチを買って食べました。
まさかこれで終わり?と思っていると、建物内に温室みたいなものが二つある。でもあまり健康そうではないサボテン類がちょこちょこ展示されているだけだったり、「地中海ガーデン」と名付けられたエリアも「リフォーム中」みたいな感じで、正直、呆れました。
早々に引き上げるしかない。
もー、こんなんだったら家の近所を歩いても十分、綺麗な植物や花が見れたのに、とお客さんに謝りつつ、帰りにインテリアの店や、大きな靴屋さんでショッピングをしてもらったのでした。
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しかし、まだ最終日には頼みの綱の観光スポットが残っています。
それは、言わずと知れた
ナイアガラの滝。
トロントに来たらここを訪れないわけにはいかない。
前日の落胆を晴らそうと、朝早くから気合を入れて支度をしました。混む前に到着するのが良いと考えて家を出たのが7時。
滝までは道路が空いていれば80分くらいで行けるのです。
今回は滝のすぐ近くにあるパーキングを狙って行き、完璧な場所を確保。車を降りた途端、もう滝の轟音が聞こえています。
やがて、まだ流れ落ちる前のナイアガラの川が見えて来るのですが、まるで巨大な水の絨毯がゆっくりと流れて行っているかのよう。
動画でお見せできないのが残念です。
初めてこの場所からナイアガラの川を見た人は必ず「え?何これ?」と驚くんですよね。全く他に類を見ない光景なのです。
そしてもう少し近づいて、まさに水が直角に落ちて行くすぐ横に並ぶと
何度見ても度肝を抜かれます。
繰り返しになりますが、動画を載せられなくて残念!
凄まじい音と共に、壮大なスケールで水が動いているところを見て頂きたいです。
なお、私たちは乗らなかったのですが、滝のすぐ間近まで連れて行ってくれるボート・ツアーもあります。
普通に滝の横に立っているだけでも水しぶきが掛かって来るのに、傍まで行ったらずぶぬれになります。ボートに乗っている人たちは皆、ポンチョを配布されるんですよね。
川下に徐々に向かって行くと、
滝が「HORSESHOE」と呼ばれる馬蹄型をしているのがはっきりと見て取れます。
そしてさらに歩いて行くと、向こう岸にもう一つの滝が見えてきます。こちらはアメリカ側の滝で、形はまっすぐ、落下の規模も下に岩があるのでカナダ側よりもかなり小さく見えます。
おそらく世界中の人々が「ナイアガラの滝」と聞くと、連想するのはカナダ側のものだと思います。カナダ人が「アメリカよりも勝っている」と誇れるものはそうたくさん無いので、同じ「Niagara Falls」でも、馬蹄型の滝は思いっきり自慢なんですよね。
もちろん、私も勝手に自慢に思っています。
お陰様でお客さんも大満足。ナイアガラの滝は観光スポットとして、決して期待を裏切りません。この日はお天気も良くて、本当に見栄えがしました。
さて、滝を堪能した後はナイアガラ・パークウェイという道路を辿って、お隣のナイアガラ・オン・ザ・レイクという小さな町へと移動。
ここは可愛いショップが並んでいて観光客には人気があります。遅めの朝ご飯を食べて、お店を覗いて、家路につきました。
以上で2024年夏、トロント・オークビル・ナイアガラの観光案内の記事を終わりとします