一連の「五輪選手団帰国ニュース」を見て思うこと | 覚え書きあれこれ

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記憶力が低下する今日この頃、覚え書きみたいなものを綴っておかないと...

平昌オリンピックの観戦記がとん挫していますが、書くのをあきらめたわけではありません。まだあと二つほど、記事にしたいと思っています。

 

今週は母が入院・手術することになっていたので、その準備に追われていたのですが、細かい経緯はさておき、入院を済ませて部屋で荷物を収納までした後、急遽手術をしなくても良いことが判明、というドンデン返しとなりました。

 

安心するやら脱力するやら。

 

そして今回の私の帰国は、結果的に

 

「平昌オリンピックを観戦するためだったのか」

 

となった事にもちょっと笑えています。母は私をカナダから動員したことを申し訳なく思っているようですが、私としては思い切って平昌まで行って来ることができたので、逆に有難い気持ちになっています。

 

意外な、しかし不思議と落ち着くべきところに落ち着いた、とも思える展開でした。

 

まあ、そんなわけで観戦記はこれからも頑張って(今さら感満載ですが)書くつもりですが、今日はちょっと別件でまずこの記事を上げたいと思いました。

 

ここ一週間ほどのテレビでのオリンピック報道を追っていたり、日本選手団の帰国の様子が各種メディアで取り上げられているのを見ていて、つくづく日本でのスポーツ全般への関心度が高い事に気づかされます。

 

はっきり言って、カナダの五輪派遣選手団はこれほどの手厚い扱いは受けていませんし、一日中、テレビで朝も昼も夜も特集が組まれることは考えられません。

 

もちろん、羽生選手の飛びぬけた知名度をさておいても、今回の平昌五輪でたくさんの選手たちが注目されるようになり、人気を集めたこともあるでしょうが、それにしてもすごい。

 

普段、カナダではテレビをあまり見ないこともありますが(見る番組がない)、日本ではひっきりなしに似たような内容の番組が放映されているところから察するに、それだけのニーズがあるのでしょう。人口の数の違いもあるのかも知れませんが、とにかく、日本人の情報に対する欲求は旺盛です。

 

そんな中、改めて伝わってきたのは羽生選手の圧倒的な存在感。彼は氷上の業績もさることながら、メディア対応においても質・量ともに世界トップクラス!

 

昨日、羽生選手の分刻みのスケジュールが紹介され、母などは「疲れているだろうに、可哀想」と心配していましたが、私には彼がこの怒涛の取材攻勢を生き生きとこなしているように見えます。

 

昨年秋の負傷以来、一切の取材がシャットアウトされていたのですから、羽生選手は通常ならば様々な大会で発信する場があったところ、ずっと多くの思いや考えを内に秘めていたことになります。

 

それを今、存分に、自分の選び抜いた言葉で表現することができるのですから、大勢の人々に伝えることができるのですから、体力的には厳しくともきっと充実しているのではないかと思います。

 

だって、テレビの画面で見ていても、彼の表情は輝いているんだもん。訪問先を変えるにつれ、疲れて顔色がどんどんくすんで行くどころか、光が増して行っているようにさえ思える。

 

本領発揮。真骨頂。口から出て来る言葉は美しくても、そして所作はあくまで優雅でも、ピシッと決まった受け答えのあと、心は世界記録を出した時のドヤ顔(だと思う)。

 

しかも自分の周りで何が起こっているか、それにどう対応すべきかを察知する驚異的なアンテナは冴え渡っている(似たような状況はスケカナなどの大会でお会いした時、目の当りにしました)。

 

ここまで出来るアスリート、なかなかいてまへん。

 

 

私が10日前のフリー競技後、妙にその場の状況から気持ちが剥離して、一緒に行ってくれていたNちゃんに鬱陶しがられたことについてはすでに書きました。もう少し具体的に言うと、たった今、終わったばかりの死闘に会場中がまだ沸き返っている中、私の口を何度も突いて出てくるのは

 

「彼(=羽生選手)はこれからどうなってしまうんだろう」

 

という言葉だったのです。すなわち、23歳という若さでフィギュアスケート史上、もとい、オリンピック史上に残る偉業を達成してしまったこの若者の人生は、今後どんな軌跡をたどることになるのだろうか、というのが私のお節介な疑問だったのです。(そしてそれに対して、Nちゃんは何度も「そんなのあなたの心配することじゃない」と、たしなめてくれたのですが)

 

そんな私の漠然とした懸念に対して、今、羽生選手は見事に答えを示してくれている。

 

きっと彼は日本を代表するアスリートとしてのキャリアを全うした後も、ますます高い所に上り詰め、スポーツの世界で重責を担う存在になるに違いない。それだけのカリスマ、使命感、そして能力を兼ね備えているのは帰国後のマスコミ対応を見ていても明らかです。

 

ああ、楽しみ。

 

でもあとしばらくは彼の現役の滑りを見ていたいなあ、というワガママな気持ちも覚えつつ、今日もワイドショーをボーっと観ている私です。