虫媒花 | もとろーむの徒然歳時記

もとろーむの徒然歳時記

山が好き、花が好き、クラッシック音楽や絵画、演劇に歴史好き…気ままに書かせて頂いています。

 

今日は暖かさを通り過ぎて暑いくらいの陽気でした。

 

この陽気で一気に

 

福寿草が咲き揃っていました。

 

どの花株も陽の光を集めるように、花を開いていました。

 

曇天や夕方には閉じてしまう花弁も

 

今日のような

 

陽が降り注ぐ日は

 

パラボラアンテナのように大きく花弁を開きます。

 


 

福寿草は丁度今、

 

旧暦の正月頃に咲き始める事から

 

元日草とか朔日(ついたち)草と

 

呼ばれているくらい、

 

まだまだ寒い、花の少ないこの時季に咲き始める花です。

 

 

 

他の花が少ないこの時季に、派手な黄色の花を開くことで

 

まだ少ない虫たちを誘っているようです。

 

そして

 

よって来た虫を逃がさないように、

 

パラボラアンテナのような花弁で陽の光を花の中央に集めて、

 

暖かな空間を作り出しています。

 

 

福寿草の花には、蜜はありません。

 

せっかく来てくれた虫たちに、甘い蜜をふるまう代わりに

 

暖かな心地よい(多分)空間を提供して、受粉を助けてもらうスタイルの

 

虫媒花のようです。

 

 

 

 

そう考えると虫たちの方も

 

花の色や形をちゃんと認識しているのでしょうね。

 

花も子孫を残していくために、当然受粉しなくてなりません。

 

受粉を虫たちに頼っている虫媒花は、個性的な色や香りやで他の花より、

 

私の方が美しいでしょうと言わんばかりに

 

競い合って咲き誇ります。

 

虫たちは花から花に、香りや花粉や蜜を求めて飛び回り、

 

花の中までごそごそ動き回ります

 

 

最初に現れた虫たちは

 

花の色に誘われ、そして花には甘い蜜や居心地の良さがある。

 

もしかしたらそんな経験を

 

遺伝子の中に代々受け継いできたのでしょうか。

 

 

 

そんな事を思いながら

 

足元に咲く福寿草を覗き込んでいました。

 

よく見るとこちらの福寿草は背が高く、枝分かれをして花をつけています。

 

そのせいか花数も多く、花色は美しい黄色です。

 

 

福寿草でも、秩父の固有種で、秩父紅と呼ばれる福寿草があります。

 

花色は美しい濃い紅色です。

 

一株一輪咲きの大きな花です。

 

初めて秩父紅に出会った時、

 

その一輪咲きの潔さと、濃い紅色が魅惑的で、

 

美しい大人の

 

福寿草に思えてなりませんでした。

 

 

 

 

 

一株一輪咲きは、まだ咲き始めだったからか、

 

その後、枝分かれして花をつけるのかは確認していません。

 

読み流して下さい。

 

すみません。

 

今日の暖かさはともかく、この寒い時季に咲く福寿草は

 

私の好きな花の一つです。

 

咲き始めの小さな身体に頭でっかちの大きな花。

 

何より陽の光を集めて輝く美しい花です。

 

今年も変わらず

 

咲いていました。