【時間薬】子育ての後悔が受容に変わった話
子どもたちの進路について考えることがあります。不登校になる前は、自分が辿った進路をベースに考えていました。しかし、今はそれが通用しないので、「好きな道に行けばいい」と思ったり、一方で、「とはいえ現実社会で生活していくには・・・」と考えてたりして、頭の中では右往左往していました。脳は「分からない」という状態を嫌うので、つい答えを探そうとして、同じところをぐるぐる回ってしまうのだと思います。最近、通信制高校に通う息子も進路面談がありました。進路については、「なりたい自分」を思い描き、そこから進路を考えるという方針です。自分と向き合うことが前提になるため、なかなか簡単なことではないようです。私は「早く進路を決めたほうがいいよ」と、つい何度も口出ししていました。その背景には、"今度こそは失敗したくない”という思いがあったのだと思います。中3のとき不登校になり、高校受験の対策が十分にできなかったことに対して、申し訳なさや後悔が私の中には残っていました。けれど、思春期の息子にとっては、母親の言葉はウザい以外の何物でもなかったようでしたそこで最近は、子ども達との向き合い方を、もっと心地よいものにしようと意識して変えています。・口出ししない・見守る・いい感じに放っておくイメージしているのはデンマークのヒュッゲ(Hygge)の精神。ヒュッゲとは、家の中を心地よく、温かく、安心できる場所にするという考え方です。できるだけ、家の中でよい気分で過ごせるように先日、息子の学校の講演会があり、私もZoomで視聴しました。とても良い内容で、先生方の丁寧な思いも伝わってきました。私は、この学校でサポートを受けられて、本当に良かったなとしみじみ思いました。不登校をきっかけに、私の考え方は大きく変わり、私にとっては今の道でよかったと思えるようになりました。ただ、息子にとって正解になっているかどうかは、分かりません。これからの進路については、できるだけ本人に任せていこうと思っています。そして、思い出したのが、不登校だった頃に親子で通っていたクリニックの女医先生のことです。「受験よりも、まずは心の回復を待ちましょう」そう言って、静かに寄り添ってくださいました。当時の私は「心の回復も大事だけど、受験も迫っている」と焦っていて、その言葉を受け取る余裕がありませんでした。今になって、私もようやく腑に落ちました。あのときの先生の慈愛にあふれたスタンスは、今も、私の心に残っています。ふと浮かんだBGMは、藤井風さんの「ガーデン」。