東京大学医学部の皮膚科教授が収賄の疑いで逮捕されました。銀座のクラブやソープランドなどで接待を受け、ときに要求したとか。次元が低すぎて、あきれます。
医師になりたての45年ほど前、製薬会社からプロパー(現在のMR)と呼ばれる営業マンが頻繁に医局を訪れていました。私立医科大学病院でしたので贈収賄罪が成立しにくいせいか、先輩たちは頻繁にプロパーさんたちの接待を受け、我々若手医師も自然に接待される側になりました。当時は、医師の世界はそんなものなのだろうと認識し、特に罪悪感もありませんでした。数人の医師を集めて薬剤の説明会が開催されれば、当然のように製薬会社から高級弁当がふるまわれました。製薬会社が新薬発売に先駆けてホテルなどで実施する大々的な新薬発表会や研究会にもときどき参加しましたが、教授が製薬会社から研究費をもらって実施した基礎研究や臨床研究の治療成績は当然良好で、結局は新薬の宣伝です。
しかし、先輩の中には、プロパーが大嫌いで一切近寄らせない先生もいました。私も医師として成長するにつれ、そのようなプロパーからのアプローチに対して倫理的疑問と罪の意識を徐々に感じるようになりました。
そのような医師と製薬業界の関係について、友人である世界医師会の事務局長 Kloiber 博士と議論したことがありますが、彼は “It is just bribery to medical doctor from pharmaceutical company” (それは製薬会社による医師への賄賂に過ぎない)と看破していました。
ここ20年の間に、そのような関係に対する批判と自己反省の結果、製薬会社から食事や物品など一切の贈与はなくなり、医学部教授も同様と思っていました。が、最近の東京大学病院の事件を見ると、そうでもないようです。
医師も、製薬会社社員も、過去および現在の患者さんから得られたデータをもとにメシを食っています。新薬開発のための研究費はもちろん必要ですが、遊興費に使ってはいけません。
医学部教授は立派な先生がほとんどとは思いますが、医学部教授と製薬会社・医療機器会社との怪しい関係、そろそろ止めにしませんか。
接待大好きDoctorと接待係のMRは、不要です。

