ウイスキーの大イベント「ウイスキーマガジンライブ!2008」に行ってきました。
会場はウイスキー好きたちのすごい熱気です。マニアック感も否めません。それでも去年より女子は増えた気が…まだまだ女子率は少ないためなんだか常に男の視線を感じ、完全な自意識過剰状態に陥りながら、いそいそと入場します。

とりあえず入場券についているランチボックスをゲットすべく、引換券を持って列に並び、ツナかチキンかベジタブルかのサンドイッチを流れ作業のように受け取ります。せかされるように食べて、すぐにマスタークラスというセミナーを受けるべく、上の階の会議室へ移動。
今年はロングロウのクラスをとりました。部屋には400人ほどの人がいたでしょうか、蒸留所の人が前の方で色々説明してくれるのですが、その最中、隣の人が「へえっ」とか「フンフンどおりで」とか「おっ香りがたつねえ」など、聞こえるか聞こえないかのほんとに微かな声でちょいちょいはさんでくるのが非常に気になり、あまり集中できなかったのが残念でした。

その後、試飲ブースでとりあえず知り合いにご挨拶。スコットランドのハイランダーインというホテルのバーでdirectorとして働いている皆川さん。本場スコットランドでも彼のウイスキーへの知識は一目置かれているという、この世界のプロです。彼の奥さんが、私の昔の職場の元上司という繋がりで、去年のこのイベントで初めてお会いしていたのですが、皆川さんの周りはいつも人だかり。順番を待って、ご挨拶します。
「皆川さん、私、去年もここでご挨拶させてもらって…」
「覚えてるよmisqueちゃんでしょ、元気?今もバーでやってるの?」
さすが、一年前に一度会ったきりの一般人の私でさえ、名前と顔と、しかも背景部分までちゃんと覚えてらっしゃる… やはりこの道のプロの方は違います。常に自分の中の引き出しを整理して準備していて、いつでもその中身を出せる状態にいる皆川さんは、いつどこででも猛獣と戦えるような、且つそんな猛獣の子供を慈しめるような、そんな勇ましさと優しさを兼ね揃えた魅力的な目をしておりました。

その後はとりあえず片っ端からウイスキーを飲み続け、味の違いがわからなくなるころには会場自体ももはや大きな酒場状態に。明らかに陽気な赤ら顔の人、確実にテンションが上がってオーバーリアクションになっている人、ソファーで既に寝に入っている人。。。
ウイスキー天国ですから仕方ありません。もうちょっとだけ、あと一杯だけ… そうやって家路はだいぶ遠くなったのです。



友人の結婚パーティーで、演出の一つとしてウイスキーカクテルを作らせてもらいました。


このワイングラス、高さ50㎝ほどある巨大グラスなんです!

カクテルの女王「マンハッタン」をベースに、フレッシュフルーツやシナモンなどの香辛料を入れて漬け込んだ、甘くてほろ苦いウイスキー・パンチ。


それにしても今回の主役の新郎新婦、10年以上のおつき合いを経てやっとゴールインすることになったという、ケジメ婚。
危うい時も、そりゃあった。恋愛だけでなく、人生も。
お互いもう30代半ばということもあって、そろそろ、苦い部分が確実にこの世に存在するということを知っているステージにきました。

だからこそ、色気のある男と女というもの…

マンハッタンという人種のるつぼのように、
このウイスキーカクテルは酸いも甘いもいっぱい詰まった、愛のメルティング・ポット。

新婦からの三十路流 ブーケトスと称して、独身女子を中心にこのお酒を振る舞う予定でいましたが、気づくとオジさんたちの列が…
さすが、ほぼ苦み成分ばかりのステージまで到達した強者(つわもの)たち。
あやかれるものには真っ先にあやかりたいということでしょうか。見習わねばと思わされました。

何よりお二人、いつまでもお幸せに・・・

よく行く店で、ラフロイグをいただきました。
ボトラーズもので、8年熟成、59,5度です。

「うわっ きっつー!」
一瞬、のけぞります。

最近は比較的まろやかな、人間でいうとある程度経験してきました的なウイスキーをいただくことが多かったのですが、この、なんていうんでしょう久々に強いピリっとした舌触りの、荒波打ち上げる、いかにもオレオレの若い感じ、、、、

「うん、イケる」
これはこれでまんざらでもないことに気づきます。
許容範囲は案外広かったです。

このウイスキー、ラベルにコロンとしたどんぐりの絵が描かれています。
このボトラーズはACORN'S NATURAL社、ACORNとは日本語で“どんぐり”なので、これは会社のマークみたいなものなのでしょう。

私はその時、ACORN=どんぐり という意味を知らず、今考えると店員さんにまぬけな質問をしていました。

「カワイイ~!これ、なんでどんぐり?まさかどんぐりエキスが入ってます、とかじゃないですよねー?」

すると彼は、今考えると滑稽なのですが、こう答えたのです。

「いや、どんぐりは入ってないんですけど、樽の熟成された香りがついて、どんぐりが入っているような味になってますよー、ってことなんです」

私「・・へえ? どんぐりが入ってないのに入っているような味になってるの…?」

彼「ええ、なんていうんですかね、、、オーク樽の感じが熟成されると、木の実の風味が出るっていうか。ナッツっぽくなるっていうんですかね」

私「へえ、、」

きっと彼も、ACORN=どんぐりという図式を知らなかったのでしょう。
それにしても彼がとても自信に満ちあふれた感じだったので、危うくこちらも信じるところでした。

『どんぐり風味…?ナッツっぽさというよりもどちらかというと漁師系な荒々しい味に感じるのは私の味覚がなってないってことかもしれないわ…それにしても、どんぐり入ってないのにどんぐりの味がしてどんぐりの絵を描くような、そんな虚像的でなんともリスキーなことをやってのける会社もあるなんて、私の知っている世界はなんて狭いのかしら…』

もはや、卑下までしていた私。危うく昨年に引き続き「偽」のカルマに巻き込まれるところでした。
なんでも、知らないってことが一番怖いと思い知らされたのです。