Running up the stairs! -4ページ目

エスター

子供は天使じゃないんだよ、という趣旨のホラー映画が好きです。オーメンとか。

Spoiler!!
ネタバレ!よいこは読まない!!






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ていうか、エスターは子どもじゃないんで。

 エスター自身も素敵に怖かったですが、なにより怖いなーと思ったのが、自分が真実だと思っていることに対して、誰一人同意しなくなり、それどころがあなたは今疲れてるのよ、とか言われて全く相手にされなくなってしまうその過程。
 
 この映画でも、主人公の女性は、3人目の子供を死産しており、その辛さから逃れるために、アルコールに走ってしまった、という過去があります。しかも、その為に二人目の実子であるマックスという女の子が池に落ちる事故を起こし、危うく死にかけているので、本人も自分を責めているし、夫や精神科医は彼女の精神の不安定さに不安を感じている。いよいよ、エスターがサイコパスっぷりを発揮し出し、脅威に感じた彼女は夫や精神科医に相談するのですが、説明すればするほどたしなめられ、それどころかアルコール中毒の再発を疑われてしまう。どうして誰も私を信じてくれないのよー!!っという苛立と焦りが伝わってきて、こんなんなったら嫌やな、と素直に思ってしまいました。

 エスターは外見は子どもですが、実は33歳の女性です。しかもサイコパスの病質を持っている。精神は大人なのに性を抑圧されているためか、自分が好意を抱いた男性には、最初は少女として関心を得ようとし、やがて大人の愛を求めるようになります。しかも邪魔者は排除。自分の愛が受け入れられないとわかるや否や、男性も排除。この世から。彼女はそうやって、何組も養子先の家族を滅ぼしてきたのです。

 最初は彼女が大人であることは隠されているんですが、ちらちらと見え隠れする本性が非常に魅力があると思いました。カリスマ性があるというか。もし、私が子どもだったとしたら、異端であるためにいじめにあっている彼女に、関わることはしないと思いますが絶対注目してしまっていたと思います。でもエスターが怖いのは、子どもがおかしな行動を取るからじゃありません。精神構造、良心のありどころが違う、ある意味違う世界の人間が、常識外れな行動を取るから怖いんです。だから、彼女が大人だったとしても、充分ビビる。ミザリーっぽい。ということで、私の好物路線とは、ちょっと違う方向のホラーでした。

 特筆すべきは、彼女の描く絵です。非常に面白い手法で彼女の表と裏を描いています。どうやってあの絵の具手に入れたんだろなー(笑)


二人も子どもがいるのに、養子をわざわざとるというのは解せなかったです。死んでしまった子の代わりに
二人を大事にしていれば、こんな悲劇は起こらなかったのに……




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シャーロック・ホームズ

 トレイラー初見で「なんだこれは!?シャーロキアン馬鹿にしてんのか!」と思いつつ見に行ってしまった……そしてそれなりに楽しんでしまった……

Spoiler!!
ネタバレ!!見に行く人は読んじゃダメ!!






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 「スナッチ」のガイ・リッチー監督と「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のライオネル・ウィグラムが放つ今まで出会ったことのないホームズとワトソンの冒険!!という触れ込みの映画ですね。私はけっこうなホームズファンですが、最初トレイラーを見たときは、二人のあまりのアウトローっぷりに「なんだよ、それは!!」てなった。だって、ホームズが上半身裸で賭けボクシングとか!!ワトソンがげんこで殴るとか!!ありえないし!!てか、二人は英国紳士なんだし!!

 ストーリーは黒魔術で世界を支配しようとするブラックウッド卿に、ホームズとワトソンコンビが立ち向かうという、ぶっちゃけありふれたストーリーですが(そして結末もありふれた結末ですが)、この映画はそれはおいといて!!みたいな映画でした。見るべきところは、

超武闘派のホームズ&ワトソン、そしてその愛。

みたいな。

 主演のロバート・ダウニーJrが、この映画はホームズとワトソンがいちゃいちゃするんだよね、とか発言してシャーロキアンに怒られたとかいう記事を読みましたが、あのねー、この映画見たらそうだよねーとしか言えないよ。一応、ホームズは、アイリーン・アドラーに惚れている、ということになっているんですが、ワトソンの婚約者に嫌みを言うわ、ワトソンにしつこく一緒に捜査に行こうと誘うわ、ワトソンの引っ越しをしぶってみるわ、ほんと、痴話喧嘩かっつの。腐女子視点でみると、オススメ映画です。

 あとはアクションは確かに見応えありました。音楽をハンス・ジマーが担当してるので、緊迫感とスピード感が否応なく盛り上がりますし、ところどころマトリックス的な(古いな)ストップモーションがあって、ホームズがだだの腕っ節のいいあんちゃんでないってことも描かれてます。でも、ほんとはワトソンが一番強い、と。ワトソンいないと、多分ホームズ何回か死んでます。ワトソンが仕込み杖持ってんだよ!(泣)

 ラストでモリアーティが黒幕だとかいう展開があるんですけど、それは次回にお預けみたいです。そうです、この映画、2もあるみたいなんです!!ワオ!!!


ジュード・ロウのおひげがとってもかっこ良かったです<ひげ好きなので

12人の怒れる男

裁判員制度と陪審員制度は違うんだよ、と言われて??となった時に勧められたDVD。TUTAYAにおすすめで出てたので見てみました。クラッシック、でも面白い映画でした。

 父親を殺した18歳の少年の裁判の陪審員評議の行方がストーリーの骨子です。驚いたことに、この映画、事前に裁判の様子を説明する部分は一切なく、裁判後、陪審員が評議する部屋に入ってくる場面から始まります。ぼんやり見ていた私は、DVDが途中から始まったのかと巻き戻してしまいました。

 日本の裁判員制度とアメリカの陪審員制度が異なることは、陪審員12名の決議に、裁判官が全く口出ししないこと。この映画では全くの素人12名が話し合って有罪が無罪かを決めていました。陪審員制度は、日本では成り立たないとよく言われるけれど、確かにそう。村社会である日本では、そっせんして議長が出て、それでおのおの自分の意見を言う、その段階に行き着くまでに何週間もかかりそうです。

 初めて知りましたが、陪審員の下す評決には、「有罪」「無罪」「評決不能」の3種類があるんですね。私は、LOW&ORDERという海外ドラマが好きなんですが、その中で検事が、「陪審員の情に訴えて、(裁判を)お流れにするつもりなのか」と弁護士に詰め寄ったりするのはそういう訳なのか、とちょっとわかったような気になりました。

 映画では、容疑者の少年は札付きのワルで、証拠も全て揃っており、有罪(つまり死刑)は当然として評議は始まります。始まるというか、もうみんな明らかに面倒くさそうで、「こんな結果がわかりきった裁判はさっさと終わらそうぜ、俺はナイターを見に行きたいんだ」みたくなっています。挙手での評決の結果、有罪:無罪=11:1。陪審員の決議は、全員一致が原則であり、ただひとり無罪を主張する、陪審員8番も、「無罪だとは思わない。でも疑問の余地がある限り、彼を死刑にすることはできない」と言う理由での無罪主張なのです。この無罪主張を覆すため証拠を検証していくごとに、無罪主張が1人増え、2人増えしていくのが、なんとも鮮やかに感じました。そして、かたくなに有罪を主張する人間の、偏見も浮き彫りになっていくさまがすばらしかった。

個人的な偏見は、真実を曇らせる。

 一つの狭い部屋の中で、話し合うだけの映画なのに、次第にじっと耳を澄ませて見入り、12人の動きを観察するようになる映画でした。

 この映画の登場人物12人は、名前で呼ばれることがなく全て陪審員の番号で呼ばれます。それは、この映画が特別な出来事ではなく、アメリカの民主主義自体を象徴するからなんだそうです。クラッシックの映画っていうのは、CGなんかのスペクタクル性はないけど、こういうドラマッチックかつ熱いメッセージ性があっていいですね。


でもめっちゃ蒸す密室に男12人ってキツいでしょうねー