イニシエーション・ラブ//乾くるみ | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
イニシエーション・ラブ (文春文庫)/文藝春秋

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 「イニシエーション・ラブ」


 乾くるみ、著。 2004年

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内容(「BOOK」データベースより)
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

             ※

mokkoさんに頂いた本です。
mokkoさんのブログ→
mokkoの現実逃避ブログ「イニシエーション・ラブ」

 『聖痕』の性欲なき人生から『イニシエーション・ラブ』の、通過儀礼としての愛へ。
とくに意図した部分はないのだが、愛にまつわるエトセトラみたいな読書が続きました。
続けて読むと、……ちょっと考えてしまう部分は多いですね。

 さて、『イニシエーション・ラブ』。
感想を書くとネタばれになるという困った作品。
ネタばれ部分にこそ真価があるので……困ります。

 本作、ミステリーに分類されるようですが、これをミステリーと呼ぶのにはいささか無理があるかと……。
ラスト二行目のひとことを除けば、単なる恋愛小説です。
そのひとことも、構造に関わる事であり、事件性はないですからね……。

 ただ、まあ、そのひとことで物語の意味が全く違ってしまうというのは衝撃的でした。
というか、私、最初、読み飛ばしてしまったのですけどね。
もう一度見たら……『えっ!?』。

 ということは、saide.Aとsaido.Bは……。
えっ!?
A面の裏のB面ってレコードだよね。
片側が回ってるってことは……。

 げっ!
男もだけど、女も怖いよなぁ……。
こういう書き方されると、ジワジワとではなく、一気に来るからなおさら……。

 魑魅魍魎の世の中。
ですね。
怖いわ。
って河童が言うか!
なんて突っ込まないでね。
いや、ほんとは、それを期待してたりするのがさもしい。

 う~ん。
まあ、インパクトあるなぁ。
なんか、考えさせられるというか。
後味は良くないけどさ。
やられたはやられたね。

 過ぎてしまえばみな美しい。
だといいんだけどね。
過ぎてしまえば、結局、下の問題みたいになると後味悪いよね。

 『聖痕』じゃないけど、ちんちん切ればいいんだよね。
煩悩の元を断つ!
で、人類滅亡……か。

 人類存続のためには切っちゃいかんわけで。
すると、この世は救われんもんだという結論になるわけで。
そうなっちゃ困るから、理趣経では、男女の愛欲も清らかだと説いたりするのだが……。

 それに、それがないと、情緒もへったくれもないわけで。
俗の対極たる風流もないわけで。
前田慶次が困るわけで。
━わしゃ、何を言っておるのだろうね、ほんと。

 もっとも、私はあっても清らかであるからいいのだけどね。
上半身は清らかである!
……また、読者が減ったな……。

 『イニシエーション・ラブ』。
面白かったです♪♪♪
それ以外に感想の書きようのない作品でした。