覆面作家は二人いる//北村薫 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
覆面作家は二人いる (角川文庫)/角川書店

¥540
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 「覆面作家は二人いる」


 北村薫、著。 1991年

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内容(「BOOK」データベースより)
姓は「覆面」、名は「作家」―本名・新妻千秋。天国的な美貌を持つ弱冠19歳の新人がミステリ界にデビューした。しかも、その正体は大富豪の御令嬢…ところが千秋さんには誰もが驚く、もう一つの顔があったのだ。

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 mokkoさんから頂いた本です。
mokkoさんのブログ→
mokkoの現実逃避ブログ「覆面作家は二人いる」

 主人公である雑誌編集者・良介は双子の弟。(兄・優介は刑事)
ヒロインのお穣様作家・千秋は二重人格。
DNA的には同じ肉体を有する双子と、一つの肉体に二つの人格を有するヒロインの対比の妙が、独自の面白さを演出する連作短編集。

 ヒロインは家にいる時には気弱なお穣様。
門を一歩出れば活発な男勝りというキャラチェンジは、類型的ではある。
だが、キャラチェンジの王道であるだけに印象的なのも確か。

 あえて類型的手法を選びながらも、個性を演出する北村薫氏の手腕はさすがです。
ありきたりなやり方だけに、ありがちな話になってしまいがちなのですけどね。
やはり、北村さん、上手いです。

 お穣様作家が探偵役で、主人公がワトソン役のライト・ミステリー。
ライトながらトリックを含め、ミステリーとしては本格派。
実に秀逸なシリーズです。

 お穣様のキャラチェンジ。
わかっちゃいるけど乗せられる。
作家の掌でコロコロされるのは楽しい♪

 ラブコメっぽい味付けも絶妙。
ほんと、北村さんは名シェフ。
その味わいは幽玄郷の桃の如し。
口に含めば俗世を忘れる。

 ふわふわゆらゆら。
本当に楽しいシリーズです。

 『覆面作家は二人いる』。
本当に面白かったです♪♪♪
ちょっとハマってます。
実は、二作目もすでに読了。
三作目を読もう♪