ホテルデルーナ  ~月明かりの恋人~ | akaneの鑑賞記録

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生前のさまざまな事情を抱えた幽霊だけが泊まることができる「ホテルデルーナ」は、ソウルの繁華街・明洞のど真ん中に位置し、昼間は目立たないが、幽霊にとっては最高級のホテルだった。

美しいが気難しい性格のホテルのオーナー、チャン・マンウォル(IU)は、過去の剣士だったころに犯した罪によって呪いをかけられ、1300年もの間、幽霊を相手に働くことを余儀なくされていた。
ある日マンウォルは、ホテルデルーナに生きたまま迷い込んできた男を、20年後に息子を引き渡すことを条件に見逃してやる。

エリートホテルマンのク・チャンソン(ヨ・ジング)は、父親が20年前に交わした約束により、マンウォルからデルーナで働くよう迫られていた。拒否していたク・チャンソンだったが、ある運命的な出来事をきっかけにデルーナで働くことを決意し、マンウォルとともに幽霊のおもてなしをしていく…。

 

 




偶然アマプラで見つけたんですが、第1話から引き込まれ、とても面白くて一気に見てしまいました。
2019年の韓国ドラマです。

ゴシックホラーファンタジーって感じかな。
死者がやって来るホテルですし、ゾンビはお得意の韓国ですから、なかなか傷みの激しい方もいらっしゃって(笑)そこはちょっと怖いんですけど、大筋は壮大なラブスト―リーです。
 

 

 


昔々から「月の宿」と呼ばれる死者のためだけの宿がありました。
それは「客店」「満月楼」「満月堂」と様々に名前を変え、現世では「ホテルデルーナ」。
亡くなった人があの世に行くまでに過ごすホテル。
殺されたり無念の恨みを持った人、突然亡くなってしまってこの世に思いを残した人が、ホテルに滞在して癒され、心を決めてあの世に旅立っていくのです。


死者しか入れないホテルなので、昼間はひっそりとしているのですが、

 

 

 

 

夜になるとCGで豪華な高層ホテルに変身!

 

 

 

内装もとても豪華です。

 

 


ホラーやミステリーの要素がありながら、コメディも純粋なラブストーリーもあり、さらには長い長い歴史と神様まで登場。
これだけてんこ盛りな内容なのに、脚本がとても良くできていて、伏線の張り方も見事。

基本的には1300年に渡るマンウォルの物語になるんですが、1話ごとに登場する幽霊たちの問題を解決するストーリーがあるので飽きさせません。


そしてキャスティングが素晴らしい!!
 

 


チャン・マンウォル (イ・ジウン(IU))

 

現在のホテルデルーナ社長。1300年以上もの間、霊のまま「月の宿」の女主人をしています。
元々は盗賊団・反乱軍の首領でした。

 

 

 

あることが原因で仲間を失い、多くの人を殺し、深い深い怨恨と自責の念を持ち続けているため、あの世に行くことも、転生することもできず、月霊樹に、月の宿に縛られているのです。

 


ずっと枯れ木だった月霊樹に

 


零れるほどの美しい花が咲き乱れたとき…運命はどうなるのか



ワガママで口が悪く、浪費家、いつもシャンパンを飲んでいるという設定なんですが、IUが演じることによってとてもチャーミングで可愛い女性になっています。
ともかく1話の中で4~5回は衣装を変えるかな。16話の中で同じ衣装は出てきませんし、アクセサリーからヘアスタイルまで本当に「ファントム・メナス」のアミダラ、「今夜、ロマンス劇場で」の綾瀬はるか以上にファッションショー状態ですけど、どの衣装も本当に可愛らしくて!!

 

 

 

 

 

 

 

それを見ているだけでも眼福、幸せな気分になれます。
もちろん1300年間のお話なので、回想シーンでは昔の衣装でも登場します。

 



 

 

 



ク・チャンソン (ヨ・ジング)

 

ハーバード大学出身でMBAも持つエリートホテリアー。
20年間留学をしていて、シンガポールのホテルから韓国の超一流ホテルにスカウトされて帰国したのですが、父親とマンウォルとの約束により、ホテルデルーナの次期・総支配人としてマンウォルに強引に誘われます。

最初登場した時は「え?なんか麒麟の川島みたいじゃん」って思っちゃったんですけど、回を追うごとにどんどん素敵になってきて、すっかりファンになってしまいました。

 

佇まいがシュッとしてて(語彙力!)素敵なんですよ~。
ホテルマンとしての身のこなしっていうのかな、そういうのがとてもスマートでスーツ似合うし声も素敵なんです。
頭脳明晰で清潔感があって、優しくて、困っている霊を放っておけない正義感があって。
気の強いマンウォルとやりあうコメディシーンの掛け合いは面白いし、一途にマンウォルを思う心も…
ともかく演技が巧くて、撮影当時21歳と知ってビックリです!!
笑顔が素敵!!

 

 


本当にお似合いの二人です

 

 

 

 

 

●ホテルデルーナ従業員

 

 

 

キム・ソンビ (シン・ジョングン)

 

500年働く最長勤務者でホテルデルーナのスカイバーのバーテンダーなんですが、ちょっと空気が読めなくてずれたところのあるコメディ担当。
かつて最高難易度である国家試験を首席で合格したが故郷に衣錦還郷する途中になんらかの理由で急死したのが原因。
 

 


チェ・ソヒ(ペ・ヘソン)

 

客室長。
宗孫の嫁であったが、家中勢力の裏切りにより無念に殺された。
自分と娘を殺した家系の子孫が途絶えるのを見届けるまで死ねないとホテルデルーナで200年勤務している。
洗練された身のこなしと気配りの細やかさは超一流。
 

 


チ・ヒョンジュン (P.O(Block B))

 

19歳の少年。ホテルデルーナのフロントマン。
朝鮮戦争で亡くなってから、ホテルデルーナで70年勤務している。

とても可愛がっていた妹が他界するのを待って、一緒にあの世へ行くと心に決めている。

 

 


ノ支配人(チョン・ドンファン)

 

1980年代から30年間、マンウォルを支え、総支配人としてホテルデルーナを経営してきた。
ホテルの従業員は霊ばかりなので、役所関係や税金など、外界との仕事をする人間が必要。
何人もの人間が総支配人を務め、彼は98人目。
ただ、もう命が長くないとわかっているので、次を任せられる総支配人がいるかどうか心配している。
 

 

 


キム・ユナ(カン・ミナ)

 

第2話にて死亡したチョン・スジョンの魂が、自分を殺したキム・ユナの体に憑依。高校生。

ホテルのインターンとしてみんなを手伝っている。
 

 

 

 

 

●マンウォルと過去に繋がりのある人


コ・チョンミョン(イ・ドヒョン)

 

滅亡した高句麗貴族の後孫で、ヨンジュ城を護衛する隊長。
護衛していた一行が襲撃され、盗賊団の一員であるマンウォルと出会い、次第に惹かれあっていく。

彼がね、また素敵なんですよ!!

 


ヨヌ(イ・テソン)

 

マンウォルとともに高句麗流民たちが集まって暮らすカオリ村の盗賊団の一員でマンウォルの右腕。
マンウォルとは兄妹のように育ってきた間柄である。
 

 

この3人の運命も泣かせます

 

 

 

 



麻姑(マゴ)神(ソ・イスク)

 

この世とあの世を行き来する人間の生死苦楽を司る神。様々な性格を持つ十二姉妹である。

マンウォルと月の宿に深いかかわりがある。

 

 

ソ・イスクさんは、長年舞台で下積みを積んできた女優さん。
今回登場したのは6人だけですが全く性格の違う姉妹を1人で演じ分けていて素晴らしかったです。
 

 

 

●その他

 

サンチェス(チョ・ヒョンチョル)

 

チャンソンの親友でルームメイト。親は大手ピザチェーンを手掛けていてお金持ち。自宅がこれですからね。

 

 

色々チャンソクの騒動に巻き込まれて大変なんですが、とても良い人。非常に辛い経験もします。
 

 

 


死神(カン・ホンソク)

 

ホテルデルーナに滞在していた魂をあの世に導く引率使者役。


 

 



かつての人物が現世に転生してマンウォルの前に現れたり(その人には過去の記憶はない)、1300年の間、ずっとマンウォルのそばで見守っていた霊がいたり、本当に様々なストーリーが絡み合って進んでいきます。

いちいちセリフも素敵だし!

ネタバレはしたくないので、これ以上書けませんけど。。。

 


最終的にはマンウォルも従業員の3人も、積年の恨みや想いを解決して、心安らかに旅立っていくのですが、それぞれエピソードの描き方がとても巧くて、心に沁みて本当に涙涙で見終えました。
 

 


主人公が呪いによって不老不死となり、愛する人の力がないと成仏できない。

 

代々仕えている執事は人間。

 

死者を安らかにあの世へ導く死神がいる。


こういったコンセプトはやや「トッケビ」と似ているのですが、ホテルデルーナの方が断然面白かったですね。



女性向けのドラマですけれど、おススメですよ~!