今夜、ロマンス劇場で | akaneの鑑賞記録

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歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

運命なんて飛び越えて
私はあなたに逢いにいく


構想から9年、映画文化への愛がたっぷりと注がれたクラシカルな劇場が開館する――
プロデューサー・稲葉直人氏がオリジナル企画として長年温め続けてきた「今夜、ロマンス劇場で」は“映画が娯楽の王様”だった頃の古き良き時代を背景に、ロマンティックな恋が描かれる。
初共演を果たした綾瀬はるかと坂口健太郎のテンポの良い掛け合いに笑い、せつない運命に揺さぶられる2人の姿に、思わず涙があふれる。
小説や漫画の実写化が相次ぐなか、誰も“見たことがない”上質なラブストーリーが完成した。
 

 

 



2018年2月の公開時には、映画館で見そびれてしまい、かなり経ってから動画で見た作品なのですが、とても素晴らしかったのでご紹介します。
なんの情報も入れず見たのですが、メチャクチャ感動して大号泣でした。
今でも時々見返すぐらい、お気に入りの作品です。
お伽噺のようなストーリなんですが、もうほんっとーーーーーーに可愛くて切なくて素敵なお話なんです。
「ローマの休日」「ニューシネマパラダス」などが好きな方には、絶対ツボ。
あとは「オズの魔法使い」「カイロ紫のバラ」「人魚姫」といったテイストも。


監督は武内英樹。
「きらきらひかる」「カバチタレ」など大好きだったTVドラマのほか、「のだめカンタービレ」そしてなんと!「翔んで埼玉」の監督も!!
どれも好きな作品なので、納得です。

原作小説を書いた宇山佳佑による脚本も、説明的なところが一切なく、とても素晴らしい。




舞台は昭和35年。
当時の街並み。

 

 

 

活気ある映画の撮影所。

 

 

 

レトロなセットと美しい衣装。

 

 

 

モノクロとカラーの鮮やかな対比

 

 

 

これだけでも心が躍ります。
そして登場人物がみんな優しくて良い人ばかり。
昨今のギスギスした不安な状況に疲れた方には、おススメ!!
本当に心が安らかに清らかになる映画です。

 


以下、ネタバレは書きませんが、もし、ご興味を持たれましたら、この先も一切読まず、全く白紙の状態で観てほしいです。
ラスト20分、涙が止まりませんよ。



















映画監督を目指す青年・健司。

 

 

撮影所ではドジばかりですが、映画への情熱は人一倍!
街の映画館「ロマンス劇場」に足繁く通ううち、映写室でほこりをかぶっていた古いフィルムを見つけます。

 

 


「お転婆姫と三獣士」

 

 

 

スクリーンの中のお姫様「美幸」に恋してしまった健司は、毎日、閉館後のロマンス劇場で、この映画を繰り返し見ていました。

 

 


ある雨の夜、このフィルムが売られてしまうと知った健司が、しみじみと最後の上映をしていると…急に雷鳴が轟き、館内は停電!

そしてなんと!健司の目の前に、モノクロ姿のままのお姫様が現れたのです!

 

 

美雪の突飛な言動に振り回されつつも、彼女に現実世界を案内し、一緒に暮らすうちに、二人は惹かれあっていきます。
でも美雪には、誰にも言えない哀しい秘密がありました。。。

この先はぜひ、映画でお楽しみくださいね!








 

 

 

 

 

 


プロデューサーである稲葉直人が、「ハッピーフライト」でヒロインを務めた綾瀬はるかのコメディエンヌぶりに惚れ込み、彼女にアテ書きしたものなので、ともかく綾瀬はるかが可愛いです!!
そして着ている衣装がメッチャクチャ素敵で可愛い!!

 

 

 


 

 

 

 

 



「お前は、今日から私のしもべだ」といった命令口調

姫に相応しい凛とした美しい佇まい

すべてが完璧。
「僕の彼女はサイボーグ」も大好きなんですが、彼女はこういうちょっと人外の設定がとってもハマります。

 


対する坂口健太郎君も、ドジで純朴で、一生懸命な青年がピッタリ。
「とと姉ちゃん」での星野武蔵役に近いかな。このキャラクターも良かったですよね。

 

2人の淡い恋が本当に可愛らしいです。

 

 

 

 


古き良き時代の映画スタアを演じる北村一輝さん

 

 

 

ロマンス劇場の支配人柄本明さん

 


最後の映画出演でもあり、公開から4ヶ月後にお亡くなりになった加藤剛さん

 


ベテランのおじさま方もそれぞれに存在感があって映画が引き締まります。

 

 

 

映画や舞台、人々を幸せにするために生まれてくるたくさんの作品たちですが、記憶に残るのはほんの一握りで、ほとんどが忘れられてしまう儚い存在でもあります。

そんな埋もれてしまった映画から選ばれた1人のお姫様と、映画好きな青年の恋物語。

映画への愛が一杯つまった珠玉の作品です。