天海姐さん!素晴らしい!カッコイイ!!!
いやもうホントに、ドドーン!とスクリーンアップになっても、きめ細かいお肌、メイクの崩れも全くなく本当にお美しい。そんでもって超絶男前!
それにしても新感線。
この髑髏城の七人は、まずアカドクロ、アオドクロ、ワカドクロのバージョンがあって、今回花鳥風月(Wキャスト)の5パターン、プラスこの修羅天魔。
同じストーリを軸に、9本の髑髏城を作り上げたってのがまず凄いですよね。
アラウンド劇場バージョンは「花」しか観なかったんですけど、最後に大トリ古田新太が出るとなるとやっぱり今現在でのベストメンバーなんじゃないかな。
ほぼ1年前なんだ~~感慨深い。
う~ん、やっぱりこの「極」は、生で見たかった~。
でもあの劇場、どうも好きになれないんですよね。
舞台に奥行きがないと、どうしても表面的な感じがしちゃうし、頑張ってもかぶりつきの席は取れないしね~。
その点、ライブビューイングは大画面でアップも見られるし、セリフもよく聞き取れるしありがたい!全公演、やってほしかったわ。
「信長に愛されたスナイパー」という設定で、天海さん演じる「極楽太夫」がフューチャーされてますが、はっきり言って捨之介も兼ねています。
やっぱり髑髏城の主役は捨之介ですからね。
衣装も白い着流しにポニーテールだし。
なかなかそれをはっきりとは明言しないんですけど、最後の最後!あのセリフを言ってくれるんです!!
浮き世の義理も 昔の縁も 三途の川に捨之介~!
わーーーー!!!号泣!!!
着物の裾まくって走り去る!のはやってくれなかったけど、ちゃんと裾を押さえてポーズ!
もともと極楽太夫は雑賀の衆で鉄砲使いのキャラだし、捨之介を兼ねてるといっても殺陣をするのは厳しいからスナイパーという設定なのでしょう。
声も美しいし、どんなにドスを聞かせても聞き苦しくなく明快で、座頭として舞台を引き締め、グイグイ引っ張ってすっごく若々しくてパワフル。
もちろん、生歌ありですよ!
染五郎さんとの阿修羅城も大大大好きだったんですが、全然お変わりなく…。
ともかく美しさ、華、大きさ、迫力、全てが充実していて、この役を演じられるのは天海さん以外、いないでしょうね。
古田新太さんとは「薔薇とサムライ」以来のタッグ。
今回の天魔王を演じる古田新太は、静かな悪の存在に徹していました。
あまりおふざけもせず、ミニマムに演じているけれど「オレは髑髏城を知り尽くしている」っていう深みはひしひしと感じましたね。
人懐っこい信長と、影武者である天魔王の二役ですが、いつから二役を演じるようになったかを曖昧にしていて、本能寺の変で討ち死にをしたのはどっちなのか、などがキーポイント。
殺陣も存分に。かる~く流しているようでいて、重心の安定した立ち回りを堪能しました。
三宅弘城さん。アオドクロ以来のカンテツ!
あ~ん大大大好きタナカさん!(分かる人にしか分からない・・・)
あの絶妙なテンポのボケは、三宅さんにしかできないんです。
14年ぶりとはいえ、贋鉄斎は新感線の逆木圭一郎さんだし、掛け合いはバッチリ
ただ、今回はメインで殺陣のできる人がいないからか、100人切りのシーンは全員参加バージョンだったので、そこはごちごちゃしてて分かりにくかったです。
けっこう見せ場なんですけどね。
あと、今回は鉄砲鍛冶だから「深剃りがきく!」もなかったですね(笑)
いつもアクション監督としての参加が多い川原正嗣さんが、メインキャストとして活躍してくれてるのもすっごく嬉しい。
徳川家康の腹心の忍び、清十郎。
最初は家康からの命で極楽太夫のお目付け役なんですが、最後は7人のメンバーですから。(捨之介が居ない分、1人足りない)
動きがキレッキレで惚れ惚れします。股旅姿っぽいのも素敵。
福士君の兵庫、澤瀉屋での経験が生かされているかな。
体のキレも良くて、歌舞伎っぽい動きもあったりして。
赤い衣装着てるし、ワンピースのエースみたい。
でも意外と、この兵庫って役は難しいかもしれません。能天気でともかく一直線なキャラなので、いつもテンション高いしどうしても一本調子になりがち。
今回はかなり兵庫のシーンも多いですからね~。
でも後半、無界の里で自分の子分たちも全員惨殺されたときの慟哭は、結構グッときました。
そして今回、最も注目したのは若衆太夫こと「夢三郎」を演じた竜星涼くん。
前クールのドラマ「アンナチュラル」でも、シュールな葬儀屋さんを演じていて注目してましたけど、いや~びっくりした。
原宿でスカウトとかスーパー戦隊シリーズ出演といった経歴からするとそれほど舞台経験もないと思うのですが、すごく存在感あって巧いなと。
最初は全然分からなくて誰??って思ったのですが、男とか女とかそういうのを超越した美しさでした。
日舞も習いに行ったそうで、太夫としての所作や表情や声色も本当に艶やかで、歌も歌うし結構メインですよ。
無界屋蘭兵衛のポジションかと思いきや、実は天魔王が一子、伐折羅の夢虎!
つまり天魔王の息子、ということで、天魔王の悪の実行犯的部分を担っている訳です。
森山未来さんや成河さんが造形したサイコパスなキャラを踏襲というか、無界の里で惨殺したり、最後の髑髏城での戦いなど、アクティヴなところを担当。
古田さんはもっとその上のラスボス的存在になってる。
後半は羽織袴、黒の鎧姿になるのですが、まーーーー手足の長いこと!顔のちっちゃいこと!どういうバランスですねん?
かなりドスの効いた低音ボイスにして、荒っぽくガシガシ攻めてましたが、ちょっと力んでましたね。
太夫との差をつけないと、より男っぽく武士っぽく、とか意識し過ぎていたかも。
もう少し力を抜いて、たおやかさも残しつつ超絶クールで残酷極まりないキャラをサラッと演じられたら完璧!
原慎一郎さん率いる髑髏党ミュージカル三人衆にバカ受け!
最後の髑髏城の戦いでも朗々と歌い上げて踊ってて、極楽太夫に「長い!」って撃たれて死んで、清十郎に「何をしたかったのか分からない…」って言われてます。
いや~素晴らしい歌声堪能しましたわ~。
兵庫の兄貴「ぜん三」が、梶原善さんですからね!贅沢極まりないです。
さすがにお尻は出してませんでしたが。。。前シーズンでは徳川家康だったのにね(笑)
家康と言えば今回の山本亨さん。素敵だった!
全然存じ上げなかったのですが、アクション出身ということで動きも綺麗だし、とてもベテランの俳優さんだったのですね。
これから注目!
沙霧役の清水くるみさんは、まだまだ新人さんですけど、好印象。
「花」でみた清野菜名さんより良かったな。
台詞も動きもしっかりしているし、これからも頑張ってほしいですね。
いつもは100人切のあとスローモーションから、階段上でのシルエット!なんですが、今回はそれがラストシーンでした。
そして舞台に一人立つ極楽太夫の周りで各セットが走馬灯のように回っていくエンディング。これはこの劇場でしかできない演出ですね。
天海さんも感極まっていた感じだし、この演出は結構しびれます。
1990年に池袋西口公園テントで産声を上げた『髑髏城の七人』は、以来7年ごと上演される度にブラッシュアップされ、今では劇団最高傑作と言われる名作。
7年ごとに髑髏イヤーとして新たな演出を発表してきましたが、もうこれで最後かな~。
今回のロングランで出し尽くしたような気もします。
さて7年後、どうなるでしょうか。
次の公演も新幹線メタルマスベスかー。
もう劇場で見るのはいいかな。
私の中では松たか子さん以上のマクベス夫人は存在しないから。
松也さんのマクベスはちょっと興味あるけど。
(2018.4.12)