壽 初春公演のメインはなんといっても勧進帳。
期待度も完成度も飛びぬけていたと思います。
以下、他の演目に関してざっと感想。
●箱根霊験誓仇討
皆さん書いていらっしゃいますが、なぜ新春壽公演の1発目がこれなのかと。
まぁ次の七福神はベテラン、朝イチは若手が、ってことでしょうけれど。中村屋兄弟の良さもそれほど発揮されないしなぁ。
今回、愛之助さんを凄く久しぶりに見たのですが、つっころばしも奴も悪役も器用に演じ分けられるんだなぁと改めて思いました。
昼も夜も一人二役でしたが全然違和感ないんだもん。
声も爽やかで凄く綺麗だし、仁左衛門様のように、台詞がほんのり関西弁なのがとっても色っぽくて！あんまり歌舞伎座出演がなくて残念です。
●七福神
七福神メンバーをよく知らなかったのですが、結構多国籍軍なんですね。
いかにも日本らしい。
恵比寿天、大黒天、布袋尊の違いが良く分かっていませんでした。
●車引
さていよいよ菅原伝授。
中村兄弟と幸四郎さんの車引！
いかにもおめでたい感じで良いですね！
勘九郎さんの梅王丸は完璧です。
七之助さんの桜丸、
凄く綺麗だしバランスも良いんだけど、ちょっと違和感あったかも。
なんだろう？
「玉三郎さんは桜丸やらないじゃん？」みたいな感じ。
あれは菊之助さんのように兼ねる役者さんがやる方が落ち着くのかな。
幸四郎さんの松王丸、以前、金丸座で見たかなぁ。
とっても大きさがあって形も力強くていいですね。
後ろで「や～れ、そ～れ、でっけえ」って掛け声かけるの、いかにも歌舞伎っぽくて面白い。
ただ、声がそろそろヤバい感じ。
中村兄弟、愛之助さんの後に聞くと、声がかなり辛そうです。
心配。
●寺子屋
昼の部のメインなんですが、どうにも眠くて。。。
しっかり見たのは、猿之助さんの涎くりの場面だけというね。
猿之助さんはもうお手の物というか、可愛くってたまりません！
左手は少し不自由な感じもありましたが、机持ったりして大丈夫なのかな？
戦友幸四郎さんの襲名公演を盛り上げてくれたんですよね。ありがとう。
睡眠不足もあったんだけど、はっきり言って私的にはつまんなかった。
なんか段取りっぽくて。
2016年10月に錦秋名古屋顔見世で見た、仁左衛門様と染五郎さんの寺子屋は凄かったんだから！！
https://ameblo.jp/mio1384/entry-12209220893.html
白鸚さんはウニャウニャ言ってるし、梅玉さんはフニャフニャしてるし…ほぼ記憶なしです。
浅草の御浜御殿綱豊卿の方がずっと白熱していて引き込まれました。
さて気を取り直して夜の部
●角力場
通しで見ると結構悲劇なんですが、この場面はまだまだ序盤で明るいです。
芝翫さんの濡髪は手慣れた感じかな。
先ほども書きましたが、愛之助さんの二役が凄くハマっていていい感じだった。
つっころばしも、ただ柔らかいだけでなく、関西人特有の愛嬌があって。
放駒もいかにも若者らしい勢いがありました。
●口上
さすがに22人ずらっと並ぶと圧巻ですね！！
裃の色も様々で、いかにも襲名なおめでたさ！
内容は至って真面目です。左団次さんも控えめ。
勧進帳が終わった後は、もう客席が一斉に終演モード。
高麗屋ご贔屓の方々が座っていたお席がごっそり空いちゃったりして。
（長島一茂さんも来ていましたよ）寂しかったかな。
演目もねー、舞踊二つはねー。長いよー。
幹部の方々も大勢出演していますから、皆さんに役を付けなければっていうのもわかるんですが、ちょっと気の毒な感じ。
●相生獅子
奏者の山台が二つに割れて、奥から平台に乗って扇雀さんと孝太郎さんの二人登場
紅白の着物で姉妹設定。獅子の扇を持って優雅に踊ります。
扇雀さん、目尻の紅を結構吊り目な感じに入れてるの、良いですね。
孝太郎さんはわりと真っすぐ横に入れているんだけど、上向きに入れる方がキリッとして素敵。
全然舞踊に関係ないですけど、立役の二枚目は皆さん、目頭から鼻にかけてスッとラインを入れていますが、あれって、目を伏せた時に横から見ると、まつげがすっごく長い人みたいに見えて男前ですよね！
それが狙いなのかな？
●三人形
二人がセリで下がって退場すると、「奴 傾城 若衆」と3つの扉があるパネルが降りてきます。
人形が入っている箱のイメージかしら。
「突き破って登場じゃないよね」と思ったら、ちゃんと上にスライドして開いて3人登場（笑）
しばらくしたらパネルが上に飛んで、いつもの吉原のセットがドーン！
最近の演劇は、ミニマムなセットや映像を駆使したものが多いので、歌舞伎のようにドーンと全部飾ってくれる舞台は新鮮です。ともかく照明明るいし。
う～ん、セットの感想ばっかりになっちゃった。
基本、舞踊は苦手、良く分かりません。