韓国が将来中国の影響下に入ってしまうのではないか。

歴史家の渡辺惣樹さんはそのような状態になることを『朝鮮開国と日清戦争』で朝鮮半島の「楽浪郡」化と表現しています。

それが実現するためには、これからも中国が安定し、さらに発展を続けるということが前提になってきます。

ところがどうも雲行きが怪しくなってきたのです。

つい最近の出来事ですが、アメリカを代表する中国研究者であるデイヴィッド・シャンボー教授がウォール・ストリート・ジャーナルに中国の共産党政権がもたなくなるのではないかと書いたのです。

これまで私が英文で読んだ中国関係の記事はだいたいにおいてこれからも中国の発展は続いていくという内容のものが多かったので、シャンボー教授の議論はとても衝撃でした。

教授は次の5点を取り上げています。

1 中国人の高官が多額のお金を外国に持ち出している問題。

2 習近平が政治的、文化的な弾圧を強化していること。

3 習近平政権になって中国の役人が無気力になってきていること。誰も習近平のいう「中国の夢」など信じていない。

4 当然といえば当然のひどい「腐敗」の問題。

5 最後に経済成長の勢いが鈍化していること。

私がシャンボー教授の文章を読んですぐに思い出したのが、朝日新聞の記者である峯村健司さんの『13億分の1の男』という本のことでした。

シャンボー教授が指摘した点のほとんどは峯村さんの本にも出てきます。

その峯村さんは習近平政権について次のように書いています。

「私は、習近平のパワーが強くなることは、党を安定させる一方で、党全体の活力を抑え、党そのものの弱体化につながると思っている。」

ここで韓国に戻ってみましょう。

韓国のパク・クネ政権は、これからも中国が強大になると予測して中国とアメリカを天秤にかける外交を展開してきました。ついでに日本をこき下ろすことも忘れませんでしたが。

ところが、シャンボー教授の言うように中国共産党が崩壊過程にあったならば、パク・クネ外交の構想は足元から崩れることになります。

将来において韓国が中国の影響下には決して入らないと私が考える理由です。

以前のブログで韓国で起きるテロは、「間が悪い」と私は指摘しました。アメリカが韓国は本当に同盟国かと考えているときに今回のアメリカ大使襲撃事件が起こりましたし、安重根が伊藤博文を襲ったのも日露戦争で日本が勝利した後のことだったのです。

韓国の行う外交にも「間の悪さ」を私はしばしば感じることがありますので、シャンボー教授の中国共産党が崩壊する5つの理由にもう一つ次の点を加えてみたいと思います。

「韓国が中国共産党にすりより始めたから」(中国共産党が崩壊する。)

いずれにしろ、アジアでも共産党支配がなくなることを希望してやみません。
今回はアメリカ大使テロ以後の韓国について検討してみます。

以前に紹介した日経ビジネスオンラインの鈴置さんのコラムの中で韓国人と思われる対談相手のA氏は今回の事件を受けて「私はこのままでは実質だけではなく、名分でも中国の傘下に入るのではないか、と悲観している」と語っています。

また鈴置さんのコラムでしばしば取り上げられるバンダービルトという匿名の韓国人外交評論家がいるのですが、この人が書く韓国語の評論を必ず日本語に翻訳してくれる親切なサイトがあります。

その中でバンダービルト氏は今回の事件を受けて、次のように予測しています。

「結果として、現在の自称保守右派(反日、Non反美)と自負している多くの人は、『反日』を放棄しない限り、『使える』の役割を忠実にこなし、(冷笑的な)反米段階を経て、最終的に中国の影響圏に入って、以後、韓半島がニュートラルあるいは『彼らの方法』で統一する運命(=従北)を『受け入れる』(「順応する」)の可能性が濃厚。」

つまり日本のことを知る(反日ではない)韓国人の外交観として、今回の事件を受けて韓国の中国 「入り」が加速するとみているわけです。

以前に私が読んで感心した本に『誅韓論』というものがあります。少し差別的な部分もありましたが、韓国に疲れた日本の保守の心情をよく表していたと思います。

その本の結論が韓国を中国の属国にするように日本が追いこんでいくというものでした。日本が直接朝鮮半島と付き合うのではなく、中国を通して付き合うというものです。

今回のテロは日本がそのように韓国を追いこんでいくよりも先に自分から墓穴を掘ってしまったのです。

ただ私はバンダービルト氏や『誅韓論』が示すように韓国が中国の影響下に入ることはありえないと考えているので次回にはその理由を書いてみようと思っています。
47人の共和党の上院議員達がイランに対して公開書簡を出したそうです。

その中身は、もしアメリカとイランの合意がなったとしてもそれは「行政上の合意」に過ぎず、「次の大統領が簡単に反故にできるし、将来の議会の情勢によってはいつでも修正できる」からイランに対してアメリカと合意しても無駄だと主張しているみたいなのです。

ネタニヤフ首相がアメリカの議会で演説した理由は、大統領と共和党を中心とする議会の分裂を推進することだと以前に書きましたが、いきなりこのように大統領をサボタージュする行為に及ぶとは想像できませんでした。

鳩山元首相がクリミア半島に行ったことがたいしたことのないように思えてきます。

もちろんオバマ大統領は「ある議員達がイランの強硬派と共通の大義を掲げるのを見ることは皮肉なものだ」と余裕のあるところを見せていますが、この先どのようになるのかはわかりません。

私としてはイランの核問題に関する限りオバマ大統領を代表とする「良識」派の方が合理的だし正しいと認識していますが、それですんなり解決するとは到底思えないのです。