https://m.youtube.com/watch?v=bEhUemAk4WY

 

最近見た動画です。

この中で青山さんはアメリカと北朝鮮の秘密交渉が始まったと語っています。

おそらく妥協点はアメリカに届くミサイルの開発を中止するかどうかになるでしょう。

この交渉がうまくいけば北朝鮮の非核は不可能になります。

安倍政権はどうするのでしょうか。

 

 

安倍政権の北朝鮮に対する外交目標は「北朝鮮の非核化」です。

 

そのために北に対しては最大限の経済的圧力をかけるとしていますが、中国がそれに協力するのかははっきりせず、その効果は限定的です。

 

果たして外交で本当に北の非核化は達成できるのでしょうか?

 

はっきり言って、それは不可能です。

 

ここで参考になるのがオバマ大統領がイランとの間で結んだ核合意の経過です。

 

私はつい最近、ウォールストリート・ジャーナルの記者であるジェイ・ソロモン氏が書いた “The Iran Wars” という本を読みました。

 

この本では米国のオバマ政権がいかにして核開発を続けるイランに対して経済的圧力をかけたのかを詳細に描いています。

 

オバマ大統領はイランに対して貿易決済であるドルの使用を金融機関を通じて禁止しました。その結果イランは物々交換で貿易を余儀なくされます。

 

さらにアメリカはイランの輸出品である石油を買っていた日本や韓国に対してイランの石油を買うことを禁止して友好国のサウジアラビアに増産させてそれに対処したのです。

 

この本の著者であるジェイ氏はアメリカがこのような行動を起こしたことは「ルーズベルト大統領が1940年代に日本に対して石油を全面的に禁輸したこと以来には存在しない」と書いています。

 

このアメリカの厳しい制裁でアメリカとイランが交渉するきっかけとなったわけですが、最初アメリカの強硬派はイランに対して核技術の軍事転用は当然としても、一切の民間における核技術の利用を認めるなと主張していたのです。

 

しかし交渉においてアメリカの強硬派の意見は通らずに、イランは核兵器を作る能力はかなり制限されることになりましたが、民生用は認められることになりました。

 

つまりイランとアメリカの交渉がそれなりにうまくいったのは、お互いに妥協したからなのです。

 

ここで北朝鮮の核問題に戻って見ましょう。

 

北はイランと違いすでに核実験を成功させています。ここで日本が北朝鮮の非核化を主張することは北朝鮮に無条件降伏を強いることで、それは戦争を覚悟しないと達成されないと思われます。

 

さらに、なぜ日本が北朝鮮の非核化を主張し続けることが可能であるのかは、一応現在のアメリカのトランプ政権が北朝鮮の非核化を日本と同様に求めているからです。

 

ただアメリカにこの問題で追随すれば大きな落とし穴が存在する可能性があります。

 

というのもあれだけ北の核問題でおとなしかったオバマ政権から急にトランプ政権で騒がしくなった理由は、北朝鮮がアメリカに届くミサイルの開発に成功しそうになっているからで、北朝鮮がアメリカに届くミサイルの開発を断念すれば、アメリカと北朝鮮との話し合いがうまくいく可能性もあるのです。

 

つまり安倍政権が北朝鮮の非核化を主張すれば、それはアメリカと一緒になって北朝鮮との戦争になるか、アメリカと北朝鮮との話し合いが成功して日本がアメリカに見捨てられるという、どつらにとっても日本には悲惨な結果しか待っていないような気がするのです。

 

本当にこれでいいのでしょうか?

 

鈴木衛士さんはその著書『北朝鮮は悪じゃない』という本で「北朝鮮が抵抗するような場合には、米国の軍事攻撃に先んじて中国が北朝鮮に軍事介入する可能性が高いと考えます。」と書いています。

 

本当にそのような可能性があるのでしょうか。今回はこの問題について書いてみたいと思います。

 

まずはじめに中国と北朝鮮の関係について、トランプ政権の首席補佐官を務めたものの政権内の不和から放逐されたスティーブ・バノンはNHKのインタビューで次のように語っています。

 

「私は政権発足当初から、北朝鮮情勢はアメリカから中国に引き渡されるべきだと考えています。つまり、両国間で直接交渉が行われるべきで、私は当初からそう言っていました。私は、中国が絶対的な支配を掌握している存在だと考えています。そして北朝鮮は中国の従属国家だと思います。私はそれについては、かたくなな考えを持っています。何らかの交渉や北朝鮮をめぐる動きがあると、人々は本来目を向けるべきものから注意をそらしてしまいます。アメリカは中国に圧力をかけ続け、北朝鮮に事態を沈静化させるようにすべきです。」

 

中国は北朝鮮の生存に必要な食料や石油などの燃料を無償で供与しており、中国がこれをやめてしまえば北朝鮮が崩壊するかもしれないという点で、バノンが「中国が絶対的な支配権を握っている」という描写は一見正しいように見えますが、北朝鮮が素直に支配者の中国のいうことを聞くかと言えば、それはあり得ないのです。

 

日本の外務省の元次官であった藪中三十二氏は『核と戦争のリスク』という本の中で、彼が6カ国協議の中で見た中国と北朝鮮の関係について、こう書いています。

 

「北朝鮮が中国に恥をかかせるのも平気で 、全然言うことをきかない 。中身は 『こんなのどっちでもいいや 』という内容だけれど 、絶対 『うん 』と言わないという姿でした 。」

 

なぜ絶対的な支配権を持っている中国に従属しているはずの北朝鮮がこのような態度をとれるのでしょうか?

 

私の推測では、北朝鮮の中国に対するこのような態度は北朝鮮が朝鮮戦争の教訓を十分に学んだことにあると考えています。

 

毛沢東は金日成が韓国に侵攻することに反対でしたが、金日成は毛の意見を無視して南進します。

 

ところが、アメリカの反撃にあい、北朝鮮という国が無くなりそうになった時に南進に反対していた毛沢東が参戦して北朝鮮を救ってくれたのです。

 

金一族の朝鮮戦争の教訓は「中国の言うことを無視して危険な目にあっても最後には中国が助けてくれる」というものだったのです。

 

そこでバノンが指摘したように中国が北朝鮮に対して絶対的な支配権を握っているように見えますが、北朝鮮は決して中国のいいなりにならないのです。あれだけ朝鮮戦争に反対していた毛沢東が最後には参戦して我々を助けてくれたのではないか、と。

 

中国が無償の石油や食料をカットしてしまえば、北朝鮮は崩壊するかもしれないので中国はそうすることができない。一方、朝鮮半島の非核化を中国は望んでいるが、北朝鮮はそれを平気で無視し、またアメリカとの戦争の危機を誘発している。

 

このようなジレンマを持っている中国にとって唯一可能性があるのが北朝鮮への軍事的な介入なのです。

 

続く。