勉強が苦手な子に、家庭でできる教え方5選
「どうやって教えたらいいんだろう?」
勉強が苦手な子に向き合うとき、多くのお母さん・お父さんが感じる悩みです。
学校の勉強は、毎日やってくる宿題やテストがあるので、避けては通れません。
でも、苦手な子にとっては「今日もできなかった…」
と失敗感を積み重ねる場になってしまうこともあります。
そうなると自信をなくし、ますます勉強が嫌いになる…
そんな悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。
では、家庭ではどのようにサポートしてあげたらいいのでしょうか。
ここでは、元小学校教員として多くの子どもを見てきた経験から、
「勉強が苦手な子にこそ効く、家庭でできる教え方5選」をご紹介します。

1. 短い時間で区切る
教員の間では、昔から「家庭学習の時間は学年×10〜15分」と言われています。
え?そんなに少なくても良いの?と思われるかもしれませんね。
でも、子どもの集中力を考えれば、これが妥当。
たとえば小学2年生なら20〜30分程度。
子どもは大人よりも集中力が短くて当然です。
「20分では少なすぎる」と思うかもしれませんが、これは大人の感覚。
子どもにとっては10分集中するだけでも十分に価値があります。
無理に長時間やらせると「勉強=苦しいこと」と感じてしまい、かえって逆効果です。
私の以前の勤務校では、1年生の1学期に「モジュール学習」を実施していました。
45分の授業を15分×3に分割して学習する方法です。
(例えばひらがな15分、計算15分、音読や暗唱15分という風に)
15分ならば1年生の集中力も保つことができるのです。
家庭で取り組むならば、おすすめは「10分集中して取り組む→休憩→また10分」と区切る方法。
休憩といっても大げさなものでなくてOK。
「水を飲む」「体を伸ばす」「猫をなでる」くらいの短い休憩でリフレッシュできます。
「少しずつでいいんだ」と思えると、親も子も気持ちが軽くなりますよ。
2. 見える化する
勉強の進み具合を「見える化」するのは本当に大事です。
特に発達特性のある子は、先の見通しを持つことが苦手な場合が多いので、
「ここまでできた!」「あと○回で終わる」と分かるだけで気持ちがぐっと楽になります。
方法はとてもシンプルです。
・問題を解いたらシールを貼る
・1ページ終わったら色ペンで丸をつける
・「あと3問!」と声をかける
こんなふうに小さな達成を視覚的に示すだけで、子どもは「やれば終わるんだ」と実感できます。
ある子は、宿題のプリントが山のように見えて「もういやだ…」と泣き出してしまうことがありました。
そこで「あと2枚で終わりだよ」と残りを切り取って渡すと、急に表情が明るくなり、最後までやりきれたのです。
子どもにとって「終わりが見える」ことは、大人が思う以上に安心材料なのです。
3. 日常生活に結びつける
勉強は机の上だけでなく、日常生活の中にもあふれています。
算数なら買い物でのお金の計算、国語ならニュースで耳にした言葉を一緒に辞書で調べるなど。
生活と結びつけることで「勉強が特別なこと」ではなく「身近なこと」に変わります。
ある子は計算が苦手で、放課後に補習授業を受けていました。
でも授業の中で「買い物ごっこ」をすると目の色が変わり、夢中で計算を始めたのです。
実はその子、普段から小銭を握りしめて自分で駄菓子を買いに行くのが大好きな子でした。
「自分の得意な場面」と「算数」が結びついた瞬間、苦手意識が消えたのでしょう。
机の上の勉強でつまずいているときは、あえて机を離れて、生活の中で学びに触れるのもおすすめです。
4. 正解より「考えた過程」をほめる
苦手な子は「また間違えた…」と落ち込みやすいものです。
だからこそ、結果だけではなく「どう考えたか」に注目してほしいのです。
「ここに気づけたのはすごいね」
「工夫して書いてみたんだね」
「ここまでは合ってるよ」
こうした声かけをするだけで、
子どもは「間違っても怒られない」「頑張ったことを見てくれている」と感じます。
間違えたからこそ、その子がどうやって考えているのかがわかります。
教員の立場から言えば「間違いこそ財産」なのです。
5. 親子で役割を交代してみる
子どもが先生役になり、親に教える体験をさせると、理解が深まります。
「ここはどうやって解くの?」と聞いてあげると、
得意げに説明してくれることもあるでしょう。
例えば、百玉そろばんを使って親子で遊ぶように学ぶのも、とても効果的です。
やり方は簡単。
玉を好きなだけ動かして「これはいくつ?」と聞くだけ。
遊んでいる感覚で自然に数のまとまりを身につけられるので、
数が苦手な子でも抵抗なく取り組めます。
「勉強させられている」感じがないのも大きなポイントです。
あるご家庭では、親子で交代しながら「問題を出す人」「答える人」になって遊んでいました。
子どもは自分が出題するのも楽しいようで、
笑いながらどんどん数を扱うようになったそうです。
気づけば計算のスピードが速くなり、自信も育っていました。
まとめ
家庭での学習は「できないことを責める場」ではなく、「安心して挑戦できる場」であることが大切です。
お母さんやお父さんが「できたね」「一緒にやろう」と寄り添うだけで、
子どもは思っている以上に力を伸ばしていきます。
教える側がほんの少しの工夫をすることで「わかった!」「できた!」という経験を積ませてあげたいものです。
小さな成功体験の積み重ねが、子どもの「自信」と「学ぶ力」につながっていきます。
勉強が苦手な子への教え方のヒントをトークイベントでお伝えします。
もし「もっと具体的な工夫を知りたい」「イライラせずに子どもと向き合う方法を学びたい」と思われた方は、
私のトークイベントでもお話しします。
お母さんが少しでも気持ちを楽に、そして子どもが安心して学べるようになるヒントをお届けしますので、
ぜひお気軽にご参加くださいね。

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