こんにちは!
このブログにお立ち寄り頂き、ありがとうございます。
育児・仕事・人間関係に疲れたあなたの心を豊かで軽やかにする、アドラー心理学&マインドフルネスコーチ、ジュバ智子です。
このブログで何度か書いてきましたが、私、一時期かなりキリスト教(カトリック)に傾倒した時期がありまして、そのころは聖書、特に新約聖書は結構真面目に読んでいました。
なので、当時は、日本のクリスマスが近づくと、いつも、
「クリスマスはパーティやプレゼント交換日じゃなくて、本当はイエス・キリストの誕生日なんだけどなあ…」
と思ったものです。
今は、自分も大人になったので、クリスマスが家族団らんやカップル、友達同士の思い出の日になるのなら、それはそれで素敵だな、と思います
実は私、イエスという名の、ナザレという小さな町の大工の息子だった男性が、本当に処女から生まれたのかとか、奇跡を起こしたのかとか、そういうことにはあまり興味がありません。
が、聖書の物語から垣間見ることができる、イエスという人の人間性(…あ、でもキリスト教では神だから、「人間性」と言ってはいけないのかな)や、イエスと取り巻いていた人たちの人間臭さは、とても面白いと思います。
今日はせっかくのクリスマスイブなので、ちょっとだけ、宗教色は抜きにして、聖書の中で私が一番好きなエピソードを紹介します。
「長血を患った女とイエス」の逸話、これが私のお気に入り。私の個人的解釈・ダイジェスト版でお送りします
イエスが奇跡を起こしていると聞き、何年も「長血」を患った女性がイエスに会いに来ます。「長血」ということは、婦人科系の病気でしょうか、生理が終わらないような、そんな病状だったのではないかと思います。
そんな病気ですから、この女性は男性から愛されることもなかっただろうし、男性を愛する自信もなかったでしょう。
当時の時代背景から考えると、女性として子供を産めないということは、存在自体を否定されるようなもの。
それに当時は病は「神からの罰」と考えられていましたから、私は、彼女には強い自己嫌悪があったと思いますし、一方で「私にはまっとうな人生を生きる資格があるんだ」という、生きることへの強い意志もあったのではないかと思っています。
「長い間患っていて、あらゆる医者にかかったが治らなかった」と聖書にありますから、医者から医者へ渡り歩き、その都度お金をなくし、失望し、イエスに会いに来た時は絶望に近い状態だったのではないでしょうか。
イエスに会いに来たのはもちろん彼女だけではなくて、ものすごい数の人たち。少しでもイエスに近づこうと、群衆がひしめいてイエスを取り巻いています。
女性は「この人の服の端にさえ触れることができれば、治る」と思い、群衆をかき分け、そっとイエスのローブの端っこに指を触れます。
その時、イエスが「誰かが私の服の端に触れた」と弟子に言います。
弟子は、「何を言うんですか、これだけの人が押し合いへし合いしているんですよ?「誰かが触れた」って…(あたりまえじゃないですか?)」と答えますが、イエスは「いや、誰かが今、私の服に触れたんだ」と譲らない。
その時、イエスはその女性の目を捉えるんです。女性の目は、おびえるような、すがるような目だったでしょう。
そんな女性の目と、イエスの目が会う。女性は血が止まるのを感じる。
目があった瞬間、イエスはその女性が今まで受けてきた屈辱、悲しみ、絶望を一瞬にして感じ取るんです。
震えながら前に出て、「私が触れました」とひれ伏して謝まるの女性に、イエスは「あなたの信じる心があなたを治したんですよ。安心していいんだよ」と優しく声をかけるのです。
私、この場面が本当に好きなんです。
(血が止まったかどうかはどうでも良くて)誰かがおずおずと触れる指先から、その人の心に詰まった、誰にも言えないような悲しさを感じる力に、読むたびに感動するのです。
社会から徹底的にダメ出しを食らっていた女性が、「私は、まっとうな人生を生きるんだ」と、群衆をかき分けてイエスに触りに行く。自己嫌悪まみれであっただろう女性が、必死の思いで最後の望みをかけに行く強さ。そこに人間の生命力の強さ、幸せを望むエネルギーの素晴らしさを感じます。
私にはイエスのような察知能力はないけれど、誰かのちょっとしたしぐさや目線、表情、声のトーンなどから、その人の悲しみを感じ取り、その人の悲しみ沿うことができるようになりたい。
また、「長血の女」のように、自分がどんな状態に置かれていても、希望を捨てず、自分から一歩踏み出していく勇気を持っていたい。
クリスマスは、そんな超絶・神がかった察知能力と共感能力を持っていた、ナザレという町に生まれ育った大工の息子、キリスト教信者には神の子である、イエスの誕生日をお祝いする日でもあるのです


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