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11.19 これからの復興支援を考えよう!ワールドカフェ

虹11.19に「これからの復興支援を考えよう!ワールドカフェ」を開催しました☆
http://kokucheese.com/event/index/19013/

Twitter中継のまとめ→ http://togetter.com/li/216388

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今回のワールドカフェは、福島出身のEmpublicおぎんさんと、被災地支援活動を続けるみんくるカフェ代表そんそんの「関心が薄れていっている今だからこそ、多くの人に自分でもできる震災復興支援を考えてもらいたい」という思いから企画されました。

参加者は医師、心理士、栄養士、薬剤師、医学生、大学生(農学部)、大学院生(薬学部、ドイツ語教育)、会社員の方などなど23人。遠方は北海道や静岡からも来ていただきました!

基調講演は以下のとおり。
【医療】そんそん(家庭医)「被災地での”お茶っこ健康相談”」
【生活】てとらて(作業療法士)「仮設住宅での”暮らしとのぞみプログラム”」
【農業】ふーじー(デザイナー)「”ふくしま福野菜プロジェクト”について」
http://www.facebook.com/hukushima.happy.vegetable
【福島】ちっきー(福島出身者)「福島出身者として関わりを考える」
【福島】キャラメル議長(福島県中地域NPOネットワーク理事)「福島での中間支援」
http://naka-net.org/wp/

前半2人は慢性期だからこそ必要となる仮設住宅コミュニティの医療者による支援。
後半3人は福島出身者によるさまざまな福島の支援のはなしでした。

特に福島の話は、複雑な思いが交錯しともすればシビアなトーンになりがちな中、
ちっきーさんの「楽しいことのプラスアルファとしての復興支援ができるようなカフェ的な場を福島につくりたい」という話や、
キャラメル議長による「インプロやマイプロなどの社会参画を促すワークショップなど、中長期的に若者が福島を元気にする活動・しくみづくりを」
という希望を感じさせるすばらしい話がありました。

後半のワールドカフェでは
「多くの人を復興支援に巻き込むためには?」
「身近なことから気軽にできる復興支援とは?」
「イノベーションから復興支援を考える」
という3つのテーマで、みんなでディスカッションをしました。

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その中から出てきたこととして
クローバー「被災地をふつうに訪れて"楽しい"、"嬉しい"を共有すること」
クローバー「"巻き込む"ではなくて"巻き込まれる"」
クローバー「長く震災を忘れずにいるために、自分の好きなこと、楽しいことをきっかけに」
クローバー「直接の対話が大事であり、語りと聞きはセット(語り部や修学旅行など)」
などのアイデアが。

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また参加していたビジネス系の方々から
星「被災地だから応援しなきゃという消費ではなくて、魅力的だから買う消費。
魅力的な商品、魅力的なブランディング、魅力的な販売ルートを」
という斬新な意見が出ていたのが印象的でした。

参加者の感想を御紹介します。
クローバー「同じ目線じゃない行政・マスコミ用語的な発想ではなく、もっと友達として気軽に身近に長く関わりつづけられるような柔軟な発想で復興支援を考えてみたい」
クローバー「被災者でありながら被災地で夢を実現できるよう立ち上がっている人たちを見て、エンパワーメントできるように私たちがどんどん後押ししていかねば」

今回のイベントでは福島の複雑な現状をあらためて実感したとともに、震災の記憶を風化させないためにこういった企画を続けて行き、多くの人が無理なく楽しく参加できるような復興支援の形を提示していくことが大事ということを実感した1日でした。

第13回みんくるカフェ「ヘルスコミュニケーション」

虹10月13日に根津スタジオで、第13回みんくるカフェを開催しました!


今回のテーマは「ヘルスコミュニケーション」です星
興味深いテーマに18名の参加で満員御礼!!
参加者は医師、看護師、薬剤師、視能訓練士、管理栄養士、作業療法士、医大助手、会社員、司法書士アシスタント、大学生などなどでしたもみじ

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ここ最近は、すっかりおなじみになったプレゼン→ワールドカフェというスタイルですグッド!

まず前半は2つのプレゼンがありました。

1つ目のプレゼン・ミニレクチャーは聖路加看護大学保健医療社会学・看護情報学教授の中山和弘先生@nakayamakazhiro をゲストスピーカーにお招きしました。

先生のまさにご専門のテーマなので、「ヘルスコミュニケーション」について専門的な見地から語っていただきました。

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印象的だったポイントをいくつか以下に抜粋しますメモ

・知識と情報に基づく、よりよい意思決定にヘルスコミュニケーションが重要。
・健康情報=エビデンス(客観的な情報)+ナラティブ(当事者がどう受けとめるか)
・たとえば、タバコはリスクファクターであるが、身近な喫煙者の健康状態などを見て、一人ひとりがそれぞれの疫学をもっている。だから、コミュニケーションが必要。

熱のこもったお話も時間がきてしまったのですが、中山先生は「とても10分じゃ語れない!」とのコメントで笑いを誘っていましたにひひ


2つ目のプレゼンはみんくるカフェの代表・そんそん@sonson01より「病院の言葉をわかりやすくするプロジェクト」についてです。

では改めて「寛解」、「予後」、「貧血」…この言葉を認知していますかはてなマークはてなマーク

なんとなくわかるけど上手く説明できない言葉って結構ありますよね…シラー
「病院の言葉をわかりやすくする」という切り口から、医療者と患者とのコミュニケーションが円滑に進むためには、という点にアプローチ!!

質疑応答も盛んになり、「言葉」に限らずどのように伝達したら患者にとって分かりやすいかといった点にも話が及びましたアップ


ではここから後半戦のワールドカフェビックリマーク
前半のプレゼンを踏まえ、5つに分かれた各テーブルでテーマ設定をすることに。

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「おたがいさまの関係になるには」
「医師とうまくコミュニケーションをとるためには」
「コミュニケーションの前提で大事なこと」
などについて対話しました。

宝石緑(医者について)
「美容室に行ったり服を買いに行ったりするのと同じように選べるといい」

宝石緑(よいコミュニケーション)
「医療者側の工夫としては、わかりやすいたとえ話、患者に配る資料、模型や図」
「患者の立場でできることとしては、医者に聞きたいことメモを作っておく」
「“わかりやすい説明”と本人が思っているだけになっていてはダメ。"teach back" 説明したことが理解されたかどうかフィードバックをもらうことが大事」

などといった意見が出ました音譜


最後は時間の都合もあり駆け足になってしまいましたが、とても密度の濃い時間を過ごすことができました。
根津スタジオもしくはTwitterで参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました!!キラキラ

参加者のアンケートから:
クローバー「患者・市民→医師へのコミュニケーションがうまく図れていないことに日頃から気づいていたものの、それを妨げている理由を本気で考えたことがありませんでした」
クローバー「医療に対して価値観や主体性を持って選択していいのだ、と気がつきました」
クローバー「価値観の違いにすぐにあきらめないで、むしろそれを楽しんで相手を理解(コミュニケーション)して行きたいと思います」

家庭医と話そう!ワールドカフェ

虹9.18に「家庭医と話そう!ワールドカフェ」が行われました!
参加者はなんと76名。
北海道、青森、長野、大阪、兵庫と遠方からの参加もあり、家庭医は14名、その他、医学生、コメディカル(看護師、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、栄養士)、鍼灸師、合気道の先生、医療系会社の方、NPOの方、介護福祉系の方、会社員、専業主婦、お茶屋のおかみさんなどなど。

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このイベントは、プライマリケア学会若手医師部会の吉本医師・遠井医師と、「みんくるカフェ」の私(孫)、「きたくぶ」の密山医師で企画しました。
総合司会は、Empublicの長谷川さん(通称おぎんさん)でした!

Twitter中継のまとめはこちら:http://togetter.com/li/189536

1第1部は家庭医による基調講演。

クローバーまずは、東京下町のスーパー家庭医にして、医療生協家庭医療学開発センター長の藤沼康樹医師による「家庭医療宣言」
小児から高齢者までさまざまな事例を紹介しながら、家庭医がライフサイクルの視点をもつこと、予防医療に力を入れる「おせっか医」であること、こころの問題や女性医療も見ること、地域をケアする視点をもつこと、在宅医療にも強いことを説明。
「風邪は患者さんとの出会いのきっかけ。そこから予防的介入をする」
「家庭医は八百屋のおやじ。地域のよろず相談屋」
「家庭医は超高齢社会のキーパーソンとなりうる」
「家庭医は家族全体の相談役」
「家庭医は、人生の最初と最後のよりどころ」
などの言葉が印象的でした。

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クローバー2人目は菅野哲也医師による「病院で働く家庭医」について。
「私の病気は何科?」
患者さんが自分の症状の専門科を選ぶのは大変。家庭医であれば、科に関わらず相談できる。
病院に家庭医がいたら、入院する患者さんにもメリットが。
例えば、肺炎と脳梗塞と糖尿病を患う患者さんの担当は家庭医であれば、一人で担当できる。

クローバー3人目は吉本尚医師による「診療所で働く家庭医」について。
岡山県山間部の診療所で長らく家庭医として勤務していた経験からお話。
家庭医は「家族を見るのが得意」。ほとんどの方で家族図を作成して、診療に役立てている。
例えば27人もの大家系の25人が吉本医師を受診していたことも。
診療所の外でも予防医療活動として、学校の健診、乳がん検診、予防接種、健康講座などを行う。
スライドには、吉本先生が写した患者さんの写真がたくさんあり、そのどれもが素敵な笑顔でした晴れ

クローバー4人目は密山要用医師による「家庭医が行う地域ヘルスプロモーション」
勤務する病院では、地域の子供たちを対象に「病院こども医療探検」という企画を毎年行っている。
子供たちが白衣を着て、医師・看護師・薬剤師を体験。
また、個人的に東京北区の健康・医療・こどもに関心がある人が集まれる場「きたくぶ」を開催。
北区のおしゃれなカフェで毎月開催しています。

クローバー5人目は私、孫大輔より「家庭医が行う市民参加型ヘルスプロモーション」
勤務する診療所では、地域の介護スタッフ(ケアマネージャー、ヘルパー)を招いて「北足立ティールーム」という学習会・交流会を行っている。
また、1年前より誰もが医療・健康の身近な話題について対話できる場「みんくるカフェ」を毎月、開催している。
医療関係者のみならず、一般の方も多く参加し、これまでのべ120人が参加。
今後は、全国に同じような対話の場を広げて行きたい、と。
また被災地支援の一環として、宮城県の仮設住宅で「お茶っこ健康相談」という取組みをスタートした。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/blog/pcat/201109/521486.html
「日本の医療は家庭医が変えるぜよ!」という龍馬さんの言葉で締めくくりました。

2第2部は、登壇者によるパネルディスカッション
総合司会のおぎんさんから、家庭医に質問。
Q「家庭医が増えることで日本の医療はどう変わりますか?」
A「患者さんに主権が移るというパラダイムシフトがおこる」
A「医療者と患者さんの壁を超える、距離感を縮める」
A「医師不足問題や、超高齢社会の問題に対するソリューションとなる」

Q「10年後にはどんな状況になっていることが理想的ですか?」
A「すべての国民がかかりつけ医として家庭医をもつ。家庭医は日本の医療再構築のキーパーソン」
A「みんくるカフェのような、市民と医療者の対話の場が全国で普通に行われることを期待」

Q「幅広い分野を網羅する家庭医の質保証はどのようにされるのでしょう?」
A「コモンな病気のリストというのはせいぜい100程度。習熟するのは困難ではない」
A「家庭医療専門医という学会ベースの質保証」
A「生涯学習法として、多くの疾患を見るというストラテジーではなく、省察的実践家というストラテジーが必要となる」

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3第3部はワールドカフェを行いました!大テーマは「未来の医療をより良くするためには?」
テーブルテーマとして、以下の3つが用意されました。
(1) 理想の医療のために家庭医に期待することは?
(2) 地域医療において、あなたと家庭医が一緒にできることは?
(3) わたしの住む "まち" をより健康にするには?

全体で15のテーブルがあり(1つのテーブルに1つのテーマ)、参加者は15分ごとに異なるテーブルに移っていきます。各テーブルのファシリテーターは家庭医がつとめました。

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各テーマごとに出たキーワードを御紹介します。
アメーバ理想の医療のために家庭医に期待することは?
「家庭医はまちのコンシェルジュ」
「トータルヘルス・アドバイザー」
「家族みんなの話を聴いてくれる」
「中継的な役割としての家庭医」
「予防医療を広めるキーパーソン」
「専門医との連携」
アメーバ地域医療において、あなたと家庭医が一緒にできることは?
「医療職種間での情報共有」
「住民からの情報発信と情報共有」
「西洋医学・東洋医学との接着剤としての家庭医」
「ホームセラピストとしてのリハビリスタッフ」
「多職種による医学生の教育」
「トップダウンとボトムアップを組み合わせる」
「まちの保健室」
「学校・養護教諭との連携」
「患者が所有するマイ電子カルテの促進」
アメーバわたしの住む "まち" をより健康にするには?
「高齢者が自立して暮らしている」
「学ぶ場、集まれる場をつくる」
「本音を話せる場をつくる」
「こどものパワーを利用する」
「学生やこどもが健康のモチベーターとなるブリッジング」
「商店街」「祭り」をいかす
「まちのつながりの起点」
「医療へのアクセスが良いまち」
「友人・家族のような医療者」

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4最後は、ワールドカフェの話合いの内容をファシリテーターが簡単に発表しました。
「薬局の相談機能を高める、家庭医との連携を強化、テレフォントリアージなど」
「市民と家庭医が出会う機会を増やしたい」
「まちの保健室としての家庭医。カフェのような集まり、高齢者の寄合いに家庭医が参加」
「ゆるいネットワーク作りを。地域の健康問題で家庭医が頼りになることを周知しよう」
「地域の人たちを巻き込んだ医師教育。医学生に対する家庭医療の普及」
「地域での人と人のつながり、環境への働きかけ。自分のまちを知るために対話する」
「地域でどんな医療リソースがあるかを知る。みんなが集まる社交場を作る」
「まちが好きであるという想い、それを共有する場を作る」
「地域で問題を抱えている人が見える環境づくりを」

クローバー最後は、主催者の私から「一般の方と医療者がフラットな関係で気軽に対話できるこういう場はまだ少ない。今後、このような会をどんどん広めて行きたいと思っています。自分でやってみたいという方は全面的にサポートします!」という言葉で締めくくりました。

本当に、素晴らしい集まりとなりました!!

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クローバー最後に参加者アンケートからの感想を一部紹介します。

ニコニコワールドカフェという手法はすごく新鮮に感じ、元の席に帰ってくる時にはホントに旅先で異文化交流をしてきたような錯覚に陥るくらい、360°開かれた感覚を覚えました(音楽関係・会社員)
ニコニコふだん、なかなか医学生さんと話す機会がないのですが、彼/彼女たちのキラキラした目やまっすぐな性格の良さに圧倒されました。家庭医の先生方が、こうしたまっすぐな医学生さんにアピールするのだな、と嬉しい気持ちになります(編集者)
ニコニコ地域での人同士のつながりが失われている、と良く言われますがその流れを「家庭医」が変えて欲しい、と本当に思いました。家庭医の認知を目的とした小学校でこどもたち、またはおかあさんと家庭医が話す学校カフェ、どこかの地域へ出かけてその地域の健康づくりを考える出張カフェなどやってはいかがでしょうか(鍼灸師)
ニコニコ家庭医と一緒に活動したいと切に思った。 医療・介護・子育て・環境など、すべてつながっている。分断されてきたこれらを再び結びつけてまちを作っていく。その1つに家庭医という人がいる、そんな社会を思い描きました(理学療法士)


虹この場を借りて、参加者の方々のすべてに、また運営を手伝ってくれたスタッフのみんな、講演していただいた藤沼先生はじめ、各先生方に御礼もうしあげます。


「9.18家庭医と話そうワールドカフェ」スタッフ:
孫 大輔(北足立生協診療所、「みんくるカフェ」主催)
遠井 敬大(川崎セツルメント診療所、関東家庭医療ネットワーク代表)
密山 要用(王子生協病院 後期研修医、「きたくぶ」主催)
吉本 尚(三重大学医学部附属病院、日本プライマリケア連合学会若手医師部会代表)
長谷川 綾子(株式会社エンパブリック)
主催:医療福祉生協連 家庭医療学開発センター
協力:日本プライマリケア連合学会 若手医師部会