今日二本目のお芝居は「真白鬼」@萬劇場 でした。

「しんぱくき」と読むのか「ましろおに」と読むのか、、、正直なところ、たぶん皆さんが思っている以上に真剣に悩んだんです。

この読み方で、イメージが変わっちゃうよね。

「しんぱくき」だと、恐ろしく、強く、無慈悲で、ある意味残酷な「鬼」ですよね。

「ましろおに」だと、もう少し柔らかい感じで、「泣いた赤鬼」に出てくる「おに」のようなイメージ。

そんな感じ、ありませんか?

フライヤをよ~く見ると、、、「MASHIROONI」⇒「ましろおに」って書いてありますよね。

ってことは、少しだけ優しい「鬼」が出てくるお話なのかなぁ。。。。。

そんな印象をもって劇場に行きました。

 

物語は、いつも私が「鬼」について書いているような、「必ずしも邪悪なだけではない」鬼というものが出てくるお話。

そして、きつねの語る、鬼と人間のお話。

鬼の里には、鬼の印のない男が一人。そして普通の鬼とは違う真っ白な鬼が一人。

人の里には鬼狩りをする者たちや、鬼との和解を望む人たちなどと共に、一人の鬼も。。。

「鬼」は人より圧倒的に力を持ち、「人」が怖れるような存在ですが、「人」が怖れるのは「人」の一方的感情であって、その恐れ故に、「人」は「鬼」を自分たちのコミュニティから「排除」しようとする。

あまつさえ「排除」以上のことまでしようとする。

かつてこの地は人と鬼が手を取り合って暮らしていたんですが、ある日虐殺事件が起きてしまい。。。

両者は憎しみあい、恨みを募らせていき、中には相手を滅ぼさないと気が済まないものまで。。。。。

そして彼らは。。。。。

という感じでしょうかね。

 

この舞台には夢月ちゃんが出ています。

SNSでいろいろやり取りはありますが、あまり直接話したことはないんですが、、、

ガチャx2企画 映画に集中させて!」では一緒にチェキ撮ったのが、first contactでしたね。

今回は、終演後にはお見送り会だけでしたので、特に会話はできませんでしたが、しっかり手を振ってきましたよ。

今日は過激に鬼と戦う女の役。

でも、その姿には、単純に復讐しようという意思だけではなく、どことなく何か隠してるような複雑な感情の起伏があったように感じました。

そしてその感じは、物語の後半でどういうものであるかが明らかにされます。

良かったと思いますよ。すっごく良かった。

過激な行動をとるしかない、、、ああいう激しい言葉で脅すように話すしかない、、、その姿は単に荒くれているのではなく、盲目的に復讐しようとしているのではなく、、、そうしなければ自身を保てないという強がりもあったんでしょうね。

あの激しさの中に、苦しみや辛さがまぎれていたんだなぁ。。。。そう感じました。

 

そして新八氏も出てます。

CCCの舞台などでよく観てますね、新八さん、、あまりブログで書いたことはなんだけどね。

生贄姫-黄泉比良坂」のところでちょっと書いたかな。

今回は鬼側の首領、、、というより長、、、長老、、、とかいう感じの役でしたね。

ある意味、今回の物語の中で一番の平和主義者(鬼?)だったようにも感じました。

主役の男を支える頼もしい鬼って感じでしたね。

虐殺のあった時には、政府の中枢にいたんだよね。

そして、人と分かれ、自分たちで仲間をまとめていこうとした、、、、

やさしさと強さと行動力が絶妙のバランスで体現してたかも。

それでも一端転がり始めた憎しみと復讐心の車輪は止められなかった。

人には感情があり、それ以上に問題なのが欲望と野心を持っているからねぇ。

むしろ、人の方がより鬼っぽいよね。。。。。。

 

全体としては、重い物語で、、、、そうだなぁ、、、私の好きな演目の「山茶花」(2度観てます)にも似て、観ていて切なくなるような物語ですね。

山茶花よりはこちらの方が救われる感じがありますが。。。

次の時代に期待を抱かせるエンディングになっているのがいいですね。

私的には好きな物語ですね。

物語の内容も、設定も、テーマもね!

 

公演は明日(6/16(日))まで、大塚の萬劇場にて上演中です。

どんな戦いもきっと和解できる、、、、そう思いたくなる物語ですよ!!

 

余談ですが。。。。。

プーチンやネタニヤフが観たらどう思うんだろう?

いま、虐殺とかしちゃってる彼らはどう思うんだろうね?

とか、、、考えちゃいました。

 

もひとつ余談ですが。。。。。

やっぱり復讐からは復讐しか、、、、憎しみからは憎しみしか、、、、悲しみからは悲しみしか、、、、欲望からは欲望しか生まれないんだよ。

復讐も憎しみも、悲しみも欲望も、、どこかで踏ん切りを付けなきゃね。