動画の撮影時刻を考える(1) | 池袋駅南口の天文計算

池袋駅南口の天文計算

小望遠鏡とデジタルカメラを使った天体観測とExcelでできる天文計算のブログでした (^^;;
新規の記事は書きませんがよろしくおねがいします m(._.)m

この記事には誤り・勘違いがあったので訂正してあります。

写真を撮ったときのセンサーの走査時間が0.16秒とありますがこれは1/16秒の誤りです。
その後PENTAX Q7で実測してみたところ0.069秒でした。
またセンサーの走査時間についてはPENTAX QとPENTAX Q7で大きな違いはないようです。

画像のサイズから走査時間を推定していますが、正しくは画像のサイズではなく撮影に使っているセンサーのサイズから推定しなくてはなりません。

現実には撮影に使っているセンサーのサイズを正確に知ることはむずかしいので走査時間は実測するのが確実です。


(2014-05-05 11:05:23)
-------

ちょっと(掩蔽の観測とかそういう)マニアックな記事になります。それから

  「デジカメを学ぶ(1)
  「デジカメを学ぶ(2)
  「デジカメを学ぶ(3)

の三つの記事の内容を前提にしています。

--------

電子シャッターを使うカメラの場合のシャッター速度というのは機械的なシャッターの場合のシャッター速度とは意味が違うということを実験をもとに書きました。

動画の場合はどうなるか考えてみます。

(PENTAX Qで)動画のシャッター速度を1/30秒にしたとします。例えば動画の最初のフレームは0.0000秒~0.0333秒の間に撮った画像と思いがちですがそうではないはずです。

静止画の場合画面の上端から下端までスキャンするのに0.16秒0.069秒かかります。したがって1/8000秒のシャッター速度で撮った写真であってもそれを撮るのに0.16秒0.069秒かかっておりそしてそれがこんにゃく現象(ローリングシャッター現象)の原因になるということを書きました。

(電子シャッターで撮影が行われる)動画の場合1フレーム撮るのにどのくらいかかるか考えます。走査にかかる時間は

  0.16 * (1920 * 1080) / (4000 * 3000 )

でおそらく0.0276秒くらいでしょう。とするとこれに露出時間0.033秒を足した0.0606秒が1フレームを撮影するのに必要な時間になると思います。


動画を撮るときの走査時間を実測してみたところ0.027秒でした。

文章ではわかりにくいので図にしてみます。
$池袋駅南口の天文計算

“ア”が1フレームの撮影終了にあたります。1フレームを走査するのに0.027秒くらいかかりますから走査が始まる画面上端は“イ”のところで露出が終わっているはずです。
画面上端でも1/30秒の露出が確保されているはずですから画面上端での露出開始は“ウ”のところになります。

つまり画面上端の画像は-27.6ms~5.7msの間に露光されたものであり、画面下端の画像は0ms~33.3msの間に露光されたものです。

-----

この推論が正しいとすると動画から掩蔽の始まった(あるいは終わった)時刻を割り出そうとしたとき掩蔽される恒星が画面のどの位置に写っているかが重要なポイントになることになります。

このフレームに星像があり次のフレームになかったとします。

もし恒星が画面上端付近にあったとすれば恒星は-27.6ms~5.7msの間に潜入したことになります。またもし恒星が画面下端付近にあったとすれば恒星は0ms~33.3msの間に潜入したことになります(これは次のフレームがこのフレームに隣接していることが前提ですが、実際そうなっています)

推論が正しいかどうかじっさいに確かめてみたいものですが、やり方としてはLEDなどを(画面全体に光があたるように)瞬間的に点灯してどう写るか確かめることでしょうか。

A.で点灯すれば画面全体に写り、B.で点灯すれば下半分(と次のフレームの上半分)だけ、C.で点灯すれば上半分(と前のフレームの下半分)だけ明るく写っているはずです。

-------

記事にできるかどうかわかりませんがあと一つの課題は時間軸圧縮の影響の有無でしょうか。
また動画の映像と音声が同期しているかについては近々記事にする予定です。

-------

関連記事

  「デジカメを学ぶ(1)編集
  「デジカメを学ぶ(2)編集
  「デジカメを学ぶ(3)編集
  「動画の撮影時刻を考える(1)編集
  「動画の撮影時刻を考える(2)編集

星食(掩蔽)に関する関連記事や参考文献の一覧はこちら
  「星食(掩蔽)参考文献・関連記事一覧」 編集