デジカメを学ぶ(3) | 池袋駅南口の天文計算

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これまで調べたり考えたりしたことをカメラの構造から見てみます。

PENTAX QはCMOSセンサーです。CMOSセンサーの構造については泉弘志「絵で見る光エレクトロニクスのABC」を参考にしました。

PENTAX Qのセンサーは4,000*3,000の画素からなります。ここでは本質的ではないので「色」のことは抜きにして考えます。画素一つ一つの構造はこんなものらしいです。
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ほんとはいろいろな付加的な回路があるのでしょうが原理的にはMOSFETのソースにフォトダイオードが入っているだけだそうです。

フォトダイオードに光があたると電荷が発生するが行き場所がないのでダイオードの電極間容量に保持される。

  1. ゲートに電圧がかけられ
  2.ドレインに読取り回路が接続される

とたまっていた電荷が電流となって流れだすという仕組みのようです。

ちょっと気になるのはセンサーに露光する前にセンサーにたまった電荷をすべて捨てなければならないとおもうのですがこれはどうしているのかです。「デジカメの原理」みたいなものにはこういうことが意外と書いてないです。おそらくいったんすべてのセルから上と同じ方法で読み取るのでしょう。読み取ればその画素の電荷はなくなってしまいますから。

センサーはこんな構造です。
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上の図にある画素が横方向A~A'に4000個、縦方向A~Zに3000個並べられています。縦に赤い線、横に青い線がありますが、赤い線は各画素にあるFETのドレインに青い線はゲートに接続されています。青い線のどれかに電圧をかけ、赤い線のどれかに読取り回路を接続します。二つの線が交差したところにある画素は上に書いた二つの条件を満たしますのでその画素から電荷つまり光量が読み取られることになります。

つまりまずAのところの青い線に電圧をかけ、AからA'まで読取り回路を順次接続して一番上の行の画素の光量を読取り、次にBのところの青い線に電圧をかけてBからB'までの画素の光量を読み取るという走査をZの行まで繰り返して4000*3000つまり12,000,000個の画素のそれぞれの光量を読み取るということを行うわけです。

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最初の記事で全ての画素の走査(スキャン)に1/16秒かかっているようだということを書きました。1/16秒とはずいぶん時間がかかるなと思ったのですがぜんぶに1/16秒かかるということは一つの画素の光量の読取りには5.2n秒(0.0000000052秒)しかかかっていないことになります。
こういう数字を見るととんでもなく速いという気がしてきます。

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電子シャッターを使う場合センサーには光が当たりっぱなしになります。例えば1/8000秒のシャッター速度であればセンサーには1/8000秒だけ光をあてたことにしなければなりません。ここらあたりも推測ですがおそらく画素の光量を読み取る1/8000秒前に画素の電荷を読み取ってクリアしてしまうのでしょう。

一つの画素を読み取るのに5.2n秒ですから1/8000秒の間に24000画素がスキャンされます。これは画素8行分に相当します。

n行m列目の画素を読み取る(画像読み出し)
n+8行m列目の画素を読み取る(センサークリア)
n行m+1列目の画素を読み取る(画像読み出し)
n+8行m+1列目の画素を読み取る(センサークリア)

という動作を繰り返しているのではないかと思います。となると一つの画素を読み取る速度は5.2n秒ではなくて2.6n秒ということになります。

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電子シャッターのときは1/8000秒でも写真を一枚撮り終わるのに1/16秒かかるようです。
となると手ブレ被写体ブレは大敵です。被写体ブレは「コンニャク現象」を引き起こします。
手ブレも問題ですが今のデジカメはたいてい手振れ補正がついているのでこれでカバーできるのでしょう。こう考えると手振れ補正は電子シャッターのカメラにとってはおまけの機能ではなく必須の機能のように思われます。

(続く)

(2013-10-23 14:59:20)
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