コロナ禍の2021年に、基礎疾患のある自分の老親が誕生日を迎えるということ。 | ダウン症児のママはシンガーソングライター MIMOの「ギフト」な日々
新型コロナウイルスに関する情報について

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ダウン症の愛娘の子育てと、シンガーソングライターとしての音楽活動を楽しんでいます。
みなさんが元気でやさしくなれる情報をお届けいたします!

私の母は百合子といい、

 

もの心ついたころからは、

 

私は「りりー」と呼んでいる。

 

その「りりー」が先日、

 

めでたく誕生日を迎えた。

 

 

 

73歳。

 

大好きだったばっちゃんの、

 

寿命に並んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心臓に持病があったばっちゃん。

 

命がけで産んだ一人娘のりりー。

 

でもりりーには持病があった。

 

そのことをばっちゃんは生前、

 

とても心配していた。

 

 

 

 

ばっちゃんは死の直前、

 

りりーに向かって、

 

 

「百合子や、

 

 オラの歳まで生きろや‥‥。」

 

 

と言い遺した。

 

 

 

 

 

そしてりりーよりも、

 

しっかり者の私に対しては、

 

 

 

「みゆきや、

 

 百合子が下向いてたら、

 

 お前が上向かしてやってけれ。

 

 百合子のこと、頼むぞ。」

 

 

 

そう託したまま旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

りりーはいつも

 

「私、ばっちゃんの歳まで、

 

 生きられるかしら‥‥」

 

と口癖のように呟いていた。

 

 

 

 

なんども「大丈夫かな?」と、

 

心配になったこともあったけど、

 

家族みんなで力と知恵を合わせて、

 

りりーのことを守ってきた。

 

 

 

 

そしてなによりも、

 

医学の進歩はまさしく日進月歩で、

 

ピンチのたびに新薬ができたり、

 

新しいグッズができたりして、

 

患者のQOLも、

 

しっかり維持されるようになった。

 

本当によい時代になった。

 

このままじゃ人生100年、

 

本当にいけるんじゃないか?

 

そんな野望まで抱くようになった。

 

 

 

 

 

 

ところが昨年、2020年。

 

突如として世界を震撼させた、

 

新型コロナウイルスの出現。

 

 

 

 

 

基礎疾患があるりりーは、

 

コロナハイリスク者である。

 

主治医にも、

 

「絶対に罹らないように!」と、

 

釘を刺された。

 

 

 

 

 

「りりーが罹ったら死ぬぞ‥‥」

 

 

家族みんながその恐怖に怯えた。

 

 

 

 

 

 

それからこの一年間、

 

どれだけ神経をすり減らして、

 

りりーのことを、

 

家族みんなで守ってきただろう。

 

ただただ生きてほしくて。

 

 

 

 

実は昨年の後半から、

 

りりーが体調を崩していた。

 

胃腸の具合が悪くなり、

 

食べられない状況が続き、

 

ずっと寝たままの状態が続いた。

 

精神的にも滅入り出していた。

 

 

 

 

コロナ禍で自粛生活が長引き、

 

ストレスで体調を崩している、

 

高齢者の方は多いらしい。

 

 

 

 

なんとかして食べてほしくて、

 

考えあぐねていた時に、

 

たまたま以前テレビで見かけた、

 

料理家の辰巳芳子さんの、

 

「いのちのスープ」もどきを作り、

 

りりーのもとに運んだ。

 

 

 

 

娘が作ったスープが嬉しかったのだろう。

 

「おねえちゃん、これ、

 

 すごくおいしいの‥‥」

 

と泣きながら電話がかかってきた。

 

 

 

 

電話のこちらの私も、

 

嬉しさと安堵で泣いた‥‥。

 

 

 

 

それから私は、

 

スープを作っては、

 

せっせと実家に運んだ。

 

 

 

その甲斐あってか、

 

りりーは見違えるように、

 

どんどん元気になっていった。

 

 

 

 

 

でも一難去ってまた一難。

 

今年のはじまりも、

 

なかなかシンドかった‥‥。

 

 

 

 

実はりりー、

 

3月に手術をした。

 

これは長くなるので別の日に。

 

 

 

 

このくだりは、

 

本当に私の神経がすり減り、

 

心身ともに、

 

私がギリギリの状態だった。

 

 

 

 

でも時間薬とは、

 

よく言ったものだ。

 

りりーも少しずつ、少しずつ、

 

元気になってきた。

 

それと呼応するように、

 

私にも元気が戻ってきた。

 

そう、

 

過ぎれば思い出、だ。

 

 

 

 

 

今年のりりーの誕生日は、

 

いつもよりも、

 

たくさんの意義があった。

 

 

 

ばっちゃんの寿命を更新した、

 

記念すべき日。

 

そしてこのコロナ禍に耐えて、

 

手術もやり終えて、

 

生き抜いた記念日。

 

 

 

 

りりー、頑張ったね。

 

勲章もんだよ。

 

 

 

 

そして天国のばっちゃん、

 

約束通り、

 

りりーを無事に、

 

ばっちゃんの寿命に並ばせたよ。

 

でもまだまだ、

 

そっちには連れて行かせないよ。

 

 

 

 

 

 

人生なんてね、

 

いつ何があるか分からない。

 

明日何があるか分からない。

 

これだけ頑張ったって、

 

明日何があるか分からない。

 

 

 

だから私は、

 

後悔のないように生きたい。

 

丁寧に生きたい。

 

愛する人を守りたい。

 

ベストを尽くしたい。

 

 

 

 

いろんな価値観があっていい。

 

 

でもこれが我が家の形。

 

 

 

 

 

こんな私の、

 

我が家のわがままを、

 

許してくださっている、

 

すべての方に感謝している。

 

 

 

 

 

あぁ、早く、

 

あんな時代もあったねと、

 

いつか笑える日が来るわと、

 

中島みゆきを、

 

しみじみ歌いたい‥‥。

 

 

 

 

もちろんりりーを連れた、

 

カラオケボックスで。

 

コロナの前と変わらぬように。

 

 

 

コロナの夜明けのその日まで、

 

どうか長生きしてくれよ。

 

愛する私の母、

 

りりーへ。

 

 

感謝の気持ちを込めて。「蝉しぐれ」

 

 

 

〜さいごに〜

 

このコロナ禍で、

 

新型コロナウイルスに罹患された皆様には、

 

心からお見舞い申し上げます。

 

またお亡くなりになられた皆様には、

 

心よりお悔やみ申し上げます。

 

一日も早くコロナが収束し、

 

安心した世界が戻ってきますように‥‥。