今までブログにするために、いろいろな場所の閉館やお店の閉店に行って来ました。
でも、「これを食べられるのも最後」と言われても、そのお店自体ににあまり思い入れが無いので「美味しいのに残念」とは思ったけど、正直それほど心に残るというほどではなかったんです。
でも、今回は参りました。
140年以上も、新鮮な魚からはんぺんやかまぼこを作っていた「築地 佃權（つくごん）」が、突然この6月末で練り物製造販売から撤退するというニュースを聞いたのです。
その時は、おもわず「うそでしょ？」と声に出してしまいました…。
築地場外市場に行ったら、真っ先に訪ねていた場所が「佃權 門跡橋工房」でした。
寒い時には、おでん鍋に並んだたくさんの練り物から選んで、お店の横でフーフー言って食べ、お土産にはいつも「築地みやげ」と書かれた練り物セットを買って帰りました。
母が大根をおろし、私はひとつずつをフライパンでちょっとだけ炙って切り分けお皿に盛りました。
それが、築地場外へ行った日の夕食のおかずになりました。
2、3切れ残ったら冷凍して、数日後に甘辛に味をつけてお昼ごはんで独り占めするのも楽しみでした。
築地市場が移転すると決まった時、いくつかのお店がこれを機に商売をやめるという結論を出したと聞きました。
でも、佃權はあんなにたくさんのお客様に愛されていたし、まさかあのお店が閉店してしまうなんて、考えもしなかったのです。
ニュースなどによると、大きな理由の一つは後継者不足という事でした。
練り物づくりの経験者が高齢になり、募集をしてもその技術を継ぐ人が集まらなかったので、その味を受け継ぐ人を育てられなかったのだそうです。
練り物を作るというのはとても重労働で、高齢の方にはとても厳しいという事でした。
まさか…。
でも、6月末までならまだまだあるから大丈夫…気づいたら、6月最後の週末になっていました。
風邪はなんとか落ち着いてきたし、どうしても今日行かなくちゃ！
というわけで、前置きが長くなりましたが、築地 佃權に行って来ました。
日比谷線 築地駅から佃權を目指します。
築地本願寺は工事中みたいで、フェンスに囲まれていました。
とにかく、築地場外市場へ近づくと、噂通りの外国人だらけ。
もしかしたら、日本人よりも外国人観光客の方が多いんじゃないかしら。
びっくりしました…。
今の豊洲と築地の話しをどんなふうにガイドさんは説明しているのかな。
気になります。
そして、いつものように佃權 門跡橋工房へやってきました。
やっぱりいつもに増してお客さんがすごい！
時刻は10時40分くらいです。
今日も、いつものようにお化粧をばっちり決めたおねえさんたちが、元気に働いていました。
この方たちも、もうここでは働けなくなるんだな。
でも。
どうしても確かめたかったんです。
ニュースサイトなどで記事は確かに読みました。
でも、佃權のホームページには、そのたぐいの事は何も書いていないように見えます。
もしかして、間違いなんじゃないかって、そうであってほしいと思っていました。
お店の方に聞けば、わかりますよね。
もう暑いからなのか、それともそれどころじゃないからなのか、おでんはありませんでした。
でも、いつものように練り物が並んでいましたよ。
私が一番好きなのは、手前に丸くごろごろ転がっている「千代田」。
大きく切った玉ねぎがゴロゴロ入っていて、外側をベーコンで巻いています。
玉ねぎが甘くて、おいしいんです。
1個がこぶし大で、丸ごと食べたらかなりのボリュームです（笑）
おでんを食べるときは、やっぱり厚みのあるはんぺんや、えび団子。
しいたけチキンがおいしいって知ったのは、確か去年の冬じゃなかったかしら。
でも、もう食べられないんですね。
いつも見ていたけどなんとなく手が出なかった、食べ歩き用のベーコンチーズってやつも今日は食べてみよう。
いつものように築地のお土産。
いつもは1つしか買わなかったけど、今日は二つ。
その他に炙り焼きというのも初めて買いました。
あ、そうそう、ベーコンチーズもね。
ずっしりと重いビニール袋を渡してくれながら、「もう、（今月末で）おしまいだから」と言ったおねえさん。
私が無意識に「？」という顔をしたんでしょうね。
もう一度「もう、（今月末で）終わりなのよ」とおねえさん。
私が「本当にやめちゃうんですか？」と聞くと「そうよ、もうやめちゃうの」と。
なんだかしんみりした雰囲気をかき消すように、「どうもありがとうございました！」と大きな声で送り出してくれました。
ありがとうの前に小さな声で呟くように何か言ってたけど、私には聞こえませんでした。
なんて言ってたのかな。
さみしいわとか残念よとか、彼女の心の声だったのかな。
築地に来るたびに、ここで「築地みやげ」を買って帰るのが楽しみだったんです。
他のお店でも練り物を買ってみたけど、やっぱり佃權のが一番おいしかったです。
もう食べられなくなるのは、本当にさみしいです。
言えなかったいろいろな言葉を心の中で言いながら、お店やおねえさんたちを目に焼き付けて歩き始めました。
そうそう、ベーコンチーズ食べよかな。
冷めていたのでちょっとベーコンがゴワゴワしていました。
フライパンでコロンと温めたら、ベーコンがもっとおいしくなっただろうな。
中には玉ねぎとチーズ。
ベーコンと玉ねぎは、千代田の組み合わせ。
チーズも結構入っていて、おいしかったです。
そして買ったのはこちら。
炙り焼き 1000円
上の段の白くて串が刺さっているのが、おでんにすると最高においしい「しいたけチキン」。
他にも、イカがゴロっと入っていたり、レンコンやゴボウもたっぷり。
冬なら絶対おでんね。
そして…
こんな紙袋に入れてくれる、大好きなこちら。
築地みやげ 900円 ×2パック
手前のながーーーいのは、なんとごぼう巻き。
このまま炙ってから切るとおいしいです。
一般的なごぼう巻き3個分くらいあります（笑）
本当は新鮮なうちに食べちゃいたいけど、大切に味わいたくて。
2パック買ったので、同じ種類ごとにラップしてから袋に入れ冷凍しました。
おいしいうちに、1種類ずつ大切に食べるつもりです。
ああ、楽しみですが、食べると減っちゃうからな（笑）
さて、私が大好きな佃權が、練り物の製造販売から撤退してしまうのは6月末。
おそらく、30日までは営業されていると思いますが、最終日は早く終わってしまうかもしれませんね。
百貨店の出店も同様ですから、行かれる方は、お店の方に必ずご確認ください。
次は、築地場外の様子、穴場ランチスポットなどをご紹介する予定です。
またぜひご覧になって下さいね。
オマケ☆
佃權は築地場外市場に2店舗あります。
もう一店舗は、佃權 市場橋工房
ちょっと雰囲気は違いますが、売っているものはほぼ同じようです。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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