「セクシー田中さん事件」で、世間からは散々「第三者委員会を置け」と突っ込まれながらも、何が何でも第三者委員会は置かない事にして、結局、自前の「特別調査チーム」という仰々しいチームで調査をすると宣言。
で、はや数ヶ月…
遅い遅いと各方面から指摘されてこのほどやっと出して来た報告に先ず「これ…何ヶ月もかかる内容か」」というのが先に立ち、内容は多くの人が予想した通り「言い訳」と「自分たちは悪くない」と「原作者も了解してた事なんだから何で自殺したか分かりませ~ん」「これからは気を付けま~す」という感じの中身のうすーい、そして共感性に乏しい報告書でした
(結局、「殆どはプロデューサーが原因じゃん」ってところは「製作者側」という言い方でぼやかして誰も責任を取らない事になっていますしね)
他にも、なぜか脚本家を庇い原作者の芦原先生に非がある書き方になっているところがあり、明らかに「自分たちは悪くない」という印象操作感を感じる所があるのが気持ち悪くて仕方がありません。
特に『去年10月、あるシーンについて芦原先生から小学館を通じて問い合わせがあった際に、このシーンの撮影は5日後の予定だったものを日テレ側は既に撮影済と嘘回答』その理由を「まだ撮影していない旨を回答すると、原作者から撮影変更を求められるのは確実だと思った。このシーンのために2カ月に渡ってキャスト・スタッフが入念に準備を重ねていたため、撮影変更はキャストを含め撮影現場に多大な迷惑をかけるので避けたいと思ってとっさに事実と異なる回答をしてしまった」と調査チームに回答。この発言について「反省している」とした。というところでは「キャストとスタッフが2ヶ月も準備していたから、撮り直しはキャストとスタッフに迷惑が掛かるから」と完全に原作者である芦原先生に迷惑がかかっている事が理解できておらず、なんなら「だから原作者が我慢すればよかったんだ」と言っているように読める内容に驚きです。
しかもこれ、「証言している」って事は「誰かがしゃべっている(プロデューサーの可能性が大ですが)って事なのに誰が喋ったかは言わず制作スタッフと言うにとどまっているところが狡いところ。
この報告書では、このような小細工が随所に見られ日テレ側を指す場合「(制作)スタッフ」や「制作側」など個人や役職を特定せずフワッとした言い方しかしていないんです
原作者に知られると撮り直しを要求されてめんどくさいからと嘘の撮影日を伝えた事に対して「反省している」の言葉だけで反省も大変な事をしたという驚きも何も伝わらない…
そもそも「原作通りに」という約束を反故にしてなぜか脚本家に肩入れしながら、「でも最終的に原作者のいう通りになったんだしOKしたんだから文句はないでしょ」と言わんばかりの態度と「齟齬」と「ミスコミュニケーション」という軽~い言葉を多用して事を収めようとする事に、多くの人が何で怒っているのかが分からない組織なんだろうなと思いました。
今回の報告書を別の角度から見ると、日テレという組織の「共感性の無さ」が見えて来ます。
「共感性の無さ」の代表と言えば「サイコパス」を思い浮かべる方も多いでしょう。
また、「恐ろしい存在や歪んだ思考を持つ人間」と思っている方も多いでしょう。
(サイコパスと言えば「羊たちの沈黙」で有名なレクター博士に繋がる人は多いと思います。))
しかし、サイコパスが皆、殺人鬼や犯罪者になるわけではなく、育つ際の環境によっては社会に貢献できる大きな力を持つ人物になるとも言われています。
ただ、生まれ持った「共感性の無さ」は直るという事は無いので、これをどう補うかが問題になって来ます。
(つまり人の気持ちが分からないという事です。)
これを補うために彼らは「数字」を使います。
簡単に言えば「こう評価」が多いのか「バッド評価」が多いのかを見れば、多くの人がどう評価しているのかが分かるので、多くの人の賛同する流れじゃないとマズイ場合は、賛同されやすい方向に舵を切ればほぼ間違いはありません。
しかし、ここに組織のためでも社会のためでもなく「個人的な欲」や「その人物のプライド」などが入り始めると世間の賛同など考えられなくなりますし、元々の「共感性の無さ」が後押しして斜め上どころか異次元の思考で暴走し始め多くの人との乖離が生まれます。
今回の調査でも調査の目的について「本件原作者の死亡原因の究明については目的としていない」と堂々と書いており、「じゃぁ何の調査だよ」とい突っ込まれまくりの冒頭となっており、中身はあーでもない、こーでもないと言い訳がずらりと並び、こねくり回すだけこねくり回して結局「それ常識だよね」という結論を「プロが導き出しました」と仰々しく発表しているものの、結局責任者を明確にすることなく「調査」や「報告」という言葉を付けただけの言い訳集になっており、社長は社長で「多くの人を不安にさせた」(いやいやいやそうじゃない怒っているのだが、それが分からないほどズレているだから「ごめんなさい、すいません、申し訳ありません」が出てこない)などと言って、その中には驚くべき文が掲載されています。
有識者、在京各社元ドラマプロデューサーの意見として載せられたのが下記の文面です。
●契約書と書面について
クリエイティブな件に関して書面にするべきではない。クリエイティブな事に関してはプロデューサー、出版編集担当者をベースに場合によっては脚本家が入るなどして体面で議論するのがよいドラマ作る秘訣。
(この文面を見るに原作者が出てこない当たり、原作者は「蚊帳の外」という認識だという事が分かります。)
要約すると、「書面なんかにしたら自由に改変出来なくなって面白くなくなるじゃないか」という事で、「面白くして映像にまでしてやって地上波で流してやるんだぞ何の文句があるあ」っというのが透けて見えるんですが
これをわざわざ報告書に載せるってどういう意図があるんでしょうね
日テレと言えば配信サービスHuluがあり、ディズニー+とも提携していますが…
ディズニーと言えば、一つの作品に関わるスタッフ全てに分厚い契約書を作る事でも有名なアメリカエンタメ企業の中でも1、2を争うほどの契約ガチガチ企業で作品を守り大切にする企業なのに、そのパートナーがこのスタンスでいいのでしょうか
(ディズニーの見解も聞いてみたいもんです)
この、薄~い内容の報告書を地上波ではアナウンサーに読み上げさせ「何となく終わった感」を出しているようですが、何度も言っていますが現在はデジタル時代、テレビだけしか見れない超高齢者ならいざ知らず、色々な角度から企業を観察する事が出来るのです。
報告書の発表前に「24時間テレビ」をやると宣言してしまった手前、報告書のハードルを自ら上げてしまった事にも気付いていなかったのでしょう。
で、発表したら発表したで、この酷評の嵐
もう…悪い事はいいませんから。
日テレの社長は腹を決めて、総会前にプロデューサーと共に会見の場に出て代表自ら報告書の説明をしましょう。
このままでは「24時間テレビ」は目も当てられない事になるから…
共感性がないので、この先多くの人がどういう動きをするのかよめないのでしょう
多くの人は、才能ある人物が人の心を持たない人たちに作品を奪われ、汚され、切り刻まれ、めちゃくちゃにされ、命を落とした後もその死に向き合おうとしない事に怒っているのです。
そして、その人物たちが所属するTV局が「慈善活動」をするという矛盾に納得していないという事です。
TV局のトップが報告書よりも先に宣言したほどですからまぁやるんでしょう。
ただ、原因のある死に向き合わず「慈善活動」をするという矛盾に納得していない人や怒っている人に「募金してね」は、多くの人が理解できない事です。
理解も納得もできないと言う事は募金にはつながらないという事です。
しかも、募金するだけなら赤十字だって赤い羽根だっていいわけで、慈善活動組織はいっぱいあるのですから。
この24時間テレビの動向は、他の各局も固唾をのんで見守ることでしょう。
あ、あと…「24時間テレビ」のスポンサーにされそうな企業ね。
最後に今月27日(2024年6月27日(木))に行われる日テレの株主総会のお知らせページに「日テレの経営理念」と「経営方針」が出ていたのでご紹介しておきましょう。
【日本テレビグループ経営理念】
日本テレビグループ創業以来の企業精神に基づき「正しく速やかな報道、質の高い映像・情報の提供と、テレビという枠を超えた多彩な文化の創造により、国民生活を豊かなものにする」
【経営方針】
感動×信頼のNo.1企業へ
生活者にとってのいちばんに、クリエイターにとってのいちばんに。日本テレビグループはあらゆる感動を創造し、信頼されるNo.1企業を目指します。
だそうです。
このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです
※ アメブロ写真投稿不具合の様子で、イメージとは違うものが勝手に入っています。
(アメブロ運営さん早くどうにかしてくれ~携帯アプリも同じとこグルグルしてるよ~どうなってんの~)
今回のおすすめ記事はこちら
今回のおすすめ動画
元テレビ朝日のアナウンサーで弁護士の西脇 亨輔さんがセクシー田中さん事件の報告書を分かりやすく解説してくれてます。
さすが元アナウンサーで伝えるプロだけあって短い動画ですが纏まっていて凄く分かりやすい。
元テレビマンの目線で、少し砕けた口調が鋭く突っ込んでます。
16分27秒あたりからの怒涛の突っ込みは見ものです。
こちらも報告書の内容が分かりやすくおすすめです。