だから私は彼に教えたの
他人の痛みを知れと
みんな自分と同じ生身の人間なんだと
どんな人にもあなたの知らない素晴らしい人生があるんだと
一人一人の人間が持つ家族や愛や夢や希望や思い出や
友情を奪う権利は誰にもありません。
残される遺族に苦しみや痛みや悲しみを
与える権利も誰にもありません。
だから人を殺しちゃいけないんです。
あなたたちも過ちを犯すかも知れないから
肝に銘じておくことね。
犯罪を犯した人間は必ず捕まります。
逃げる事は出来ても一生その呵責に苦しみます。
周囲の人間からは見放されます。
死ぬまで孤独です。
もう、良いことは一つもありません。
二度と幸せになんかなれません。
 
天海祐希さん主演ドラマ「女王の教室」より…
 
クローバークローバークローバークローバークローバークローバー
 

一連の宝塚パワハラ問題で劇団側は、14項目に及ぶパワハラを認める合意書を締結し遺族側に謝罪すると発表しました。

 

 

はじめ遺族側が提示していた項目は15、それが14になった経緯は分かりませんが、ほぼ全てを認める形で合意となったようです。

 

当初、一切のハラスメント行為はなかったとしていたのにここに来てほぼ全てを認めた理由を聞かれて嶋田社長は「精査するうちに気付きがあった」そうで…

(ほぼ全てが覆る気付きとは、カウンセラーとしてはとても興味がありますが…いったいどういった気付きだったのでしょうね。そこが大切なところなんですがね。)

 

また、2023年11月の会見で新理事長・村上氏が「証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい」と発言した事については、「そのような発言をしたことは非常に恥ずかしく、ご遺族の皆様に大変申し訳ないという気持ちでいっぱいです。当時、ご遺族に思いが至らず、あのような発言をしたことについて、非常に反省をしております。大変失礼なことをしたと、深くおわび申し上げたいと考えています」と謝罪。

(ま、この発言で世間を唖然とさせファン離れを起こさせたわけですからここは謝罪しておかないといけないところでしょう。)

 

問題は謝罪文についてです。

そもそも自死にまで追い込んだ原因を認めながら謝罪文だけで終わらせるのはどうかと思いますが、それでも謝罪文すら出さない人物がいる事に比べたらまだ誠意はあるでしょう。

 

遺族側は、パワハラに関与したのは宙組の幹部上級生4人と、宙組の上級生3人、劇団のプロデューサー2人と演出担当者1人の合計10人としています。

 

そのうち遺族側に謝罪文を渡したのは、幹部上級生2人、上級生1人、プロデューサー2人、演出担当者1人の合計6人だそうです。

また、額にやけどを負わせた幹部上級生については、今日の合意文書締結の場面には間に合わなかったが、謝罪文を提出予定なのだそうです。

 

さて、ここで簡単な算数です。

謝罪文を出さなかったのは何人で、どのような内訳でしょうはてなマーク

 

はい。答えは

宙組の幹部上級生1名、宙組上級生2名の計3名が謝罪文の提出を拒んでいるという事になります。

 

ここまで絞られると、名前が出ずとも関係者であれば「あぁ~あの人ね」と分かるでしょう。

 

始めは強気だった劇団側も次々と明らかになる、法に触れる行為や世間からの指摘、企業としての道義的責任に逃げ道を失って結局無駄に時間を費やし、ただただ汚名を広めるだけになっている事にやっと気づいたからの謝罪…しかも劇団が所属している阪神阪急ホールディングスの嶋田泰夫代表取締役社長、大塚順一執行役員や、劇団の村上浩爾理事長が出席しての謝罪会見なのですが…

 

幹部上級生や上級生とは言え阪神阪急ホールディングスという巨大組織から見れば末端に所属している人物です。

 

なのに自分が所属する組織が全面的に非を認め謝罪しているにも関わらずこの幹部上級生と上級生の計3名は謝罪文すら出さないという行動をしているというところが問題なのです。

 

幹部上級生や上級生であれば下級生を指導する立場です。

その指導する立場の人物が非を認めず、非を認め謝罪会見をした組織と謝罪文を出した人物たちと前々から組織の対応がおかしいと声をあげていた多くの下級生と真反対の行動をしながら今後「指導」をするという矛盾…

 

これを許すとなると謝罪会見で「失った信頼を取り戻しご遺族をはじめ社会の皆さまに新しい宝塚歌劇団に生まれ変わったと認めていただけるよう全力で改革に取り組んでまいります」と言った阪神阪急ホールディングスの幹部の言葉が何とも薄っぺらい言葉になります。

 

つまり、謝罪文すら出さない3名は「謝罪もしせず、下級生を指導する立場はそのままで『謝ったのは会社で私じゃないから私は悪くない』という認識のまま、何一つ反省する事も無く再開を心待ちにしているという事です。

 

阪神阪急ホールディングスという巨大組織の名のもとに「全力で改革に取り組む」と本気で考えるなら、この矛盾した行動に対して先ずは大鉈を振るわなければ示しがつかないでしょう。

 

では、この期に及んでも謝罪文を出さない3名の心の中はというと、会社(阪神阪急ホールディングス)や劇団、自分たちが関わる組や下級生の事など考えては動けないプライドの塊というところでしょう。

 

そのプライドの中には「せっかく幹部にまでなった、上級生にまでなった(幹部や上級生ならいい役が付く)のに、こんな問題で今の立場(威張れる)をなくしたくないビックリマーク認めたら終わりだビックリマーク自分の経歴に傷がつくなんてあってはならないビックリマーク」というある種の「コンコルド効果」のようなものと高いプライドが邪魔をして出来ないのでしょう。

 

宝塚は容姿や芸術センスが評価され独特の価値観が存在する世界ではありますが、社会的に大きな影響がある今回のような問題の場合は社会的倫理観や道徳観で判断され人間性が評価されます。

 

阪神阪急ホールディングスという組織全体で謝罪しても、たった3人とはいえ謝罪しない幹部上級生や上級生(権限を持った者)を残す事で、全ての悪い組織を取り除けなかった手術のようにまた悪い組織が再生する事は十分に考えられるのです。

 

もしかしたら阪神阪急ホールディングスと劇団としては、この3人の扱いに頭を抱えているから公演の再会が未定なのかも知れません。

 

謝罪会見の少し前には宙組でファイナルファンタジー16を上演する予定が中止になった事が話題になっていました。

 

ファイナルファンタジーは登場人物の美しさは勿論の事、ファンも多く、その根強い人気で多数のシリーズだけでなく物語に登場するサブキャラのゲームもあるほど世界的人気のゲームです。

 

自死者を出し、その謝罪もしないまま大人気ゲームを題材に公演再会はファイナルファンタジーのファンだけでなくゲームファンからも多数の苦情が寄せられたと思われます。

 

これは同じく自死者を出した「セクシー田中さん」事件にも繋がる事ですが、何か問題のある組織に自分が好きな原作が使われる、ましてや真相解明や謝罪もされず使われるとなればファンとしては見逃せない大問題です。

 

ま、ファイナルファンタジーが中止になったのもこのような事が問題ではないかと考えます。

 

劇団側は「再開を目指す」としていますが、先ずは謝罪していない人物たちについてどうするのかハッキリさせなければ再開は無理ではないでしょうかはてなマーク

 

本人たち(謝罪を拒否している人物たち)が「自分たちは気にしないビックリマーク出来るビックリマーク」といっても問題はそこじゃない事を理解させ行動させる事が出来なければ、またバッシングと炎上は避けられないと思います。

 

バッシングと炎上は、少なからず他の組にも影響しますし、それは企業の収益にも関係してくる事です。

 

今の状態を続け、他の組も道連れにしながら炎上とバッシングを続けながら再開するか、劇団側が大鉈を振るって幹部上級生や上級生を一新させるか、謝罪しないメンバーが自分から「退団」を言い出すまでこのままダラダラと時間が過ぎるのを待つのか、組自体を一度解体するのか…などなど選べる道はいくつもありますが、選ぶ道によっては汚名はそのままに今回の事件で離れたファンをも永遠に失う可能性も否定できません。

 

上級生からの叱責や深夜におよぶ指導などは長年、歌劇団で続いてきた慣習とされ、「厳しい指導あっての華やかな世界」だと信じている人はまだいるようですが、「叱責や深夜におよぶ指導」などで良くなると信じているならその思想はナチス的で激しい虐待で子供の命を奪う親と同じ考え方で大変危険なものです。

 

今回の事件は、そういう危険な考え方から起きた事を考えれば、謝罪しない人物が舞台に上がる事は社会的にも舞台人からも、多くの芸術関係者からも「許されない事」と思われるのではないでしょうかはてなマーク

 

このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです音譜

 

 

 

下矢印 今回のおすすめ記事はこちら 下矢印

 

自分が入る時に厳しいテストがあればあるほど所属した事に価値があると思い自分の後に入る人物にはより厳しくする傾向にある心理作用を説明した記事です。

「自分も厳しくされたから」は「いじめ」や「虐待」に繋がる事を知りましょう。下矢印

 

虐待といじめは基本的に同じものです。

虐待された子供が大人になって今度は虐待する側になる事はよくある事で、いじめをする組織ではいじめを繰り返す事が多いものです。下矢印

 

全面謝罪をした宝塚の運営側ですが、一番初めの会見がインパクトがあり過ぎて脳裏に焼き付いている方は多いのではないでしょうかはてなマークあの会見をもう一度振り返ってみましょう。

カウンセリングで大切なのは原因が分かったら反省するだけでなく「何度も振り返りなぞる」事が大切です。

それは「欠如していた思考」だという事を忘れないためです。下矢印