今から33年前のこと、現在NATO(北大西洋条約機構)に加盟するルーマニアがまだ 「ルーマニア社会主義共和国と」 という国名だった1989年12月25日のクリスマスに世界は衝撃的な映像を目にしました。
約22年間独裁政権を続け結局、国と国民を混乱と貧困に陥れたチャウセスク大統領とその妻エレナの処刑の様子がそのまま流されたからです。
今、50歳前後以上の方はこの時の映像を覚えている方も多いことでしょう。
この日からさかのぼる事11月9日にはベルリンの壁があっさり崩壊し ”自由” を手にした人たちの歓喜の姿や、同11月にハンガリー、オーストリアを経由しアメリカへ亡命した体操選手のナディア・コマネチ(ビートたけしさんのものまねで ”コマネチ”って言っているのはこのナディア・コマネチの事です。)の姿も少なからず革命の後押しになったかもしれませんね。
さて、ヨーロッパの近代歴史のお話はここまでとして、今回は人々の自由を奪い支配する独裁者の心の奥底を説明していきたいと思います。
※ 欧州の歴史は古く人間関係も複雑ですが日本も関係する国も沢山ありますので興味のある方はご自分の好きな国の文化・・・洋服が好きな方は民族衣装からや音楽が好きな方ならその国の楽器から歴史などを見ていくと難しい歴史も案外抵抗なく入っていけると思いますので是非調てみるる事をおすすめします。
権力者にも怖いものはある
以前、こちらのテーマで権力者についてお話ししましたね
この中で ”権力者が最も恐れるものは時間だ” といったのを覚えていますか
勿論、他にも彼らが恐れるものはあるのですが・・・一番は時間。
この ”時間” には彼らの寿命も含まれます。
多くの独裁者は独裁のスタートが40~50代、そこから20年ほどで寿命とまではいかなくてもだいたい健康問題を抱えはじめ政治的な力は段々となくなり政権が倒れるという流れになっているから。
勿論、その前に革命などで政権が倒れる可能性はありますが、今回は革命などもなく続いた場合の終焉という事でお話を進めますね。
では、今回はわかりやすいモデルとしてウラジミール・プーチンをみながら解説いたしましょう。
彼はガチガチのKGB(旧ソ連の秘密警察=スパイ)ですが、その強権ぶりはすさまじく2000年にクルクスというロシアの原子力潜水艦で全員が死亡するという痛ましい事故があったのですがこの時、説明を激しく求める遺族に後ろから女性が近づき服の上からプスっと注射を打ち女性は意識を失い倒れます。(注射は鎮静剤だと政権側は発表も本当かどうかは誰にもわからない・・・)
この映像が世界に流れ批判をあびると 「このような時に注射を打つのは当たり前」 と政権側がしれっと答え世界が唖然とした事がありました。
ほんの21年ほど前でさえこんな状態なのですから打倒政権なんて言おうものなら次の日には戸籍からも抹消され学校や職場の経歴も本人の姿もなくなるなんて事は珍しくはないのです。
どの独裁者もそうなのですが彼らの大義名分は ”弱く、知識のない国民には秩序を守らせ、監視し、導いてやる強いリーダーが必要なのだ” というもの。
始めはいいのですが、段々と疑問を持つ人が出始めると力で抑え見せしめとして粛清したりと恐怖支配を強めていきます。
恐怖支配で民衆はおとなしく側近達はこぞって貢物とおべんちゃらで気持ちよくしてくれます。
独裁者となった今、国の財産をどう使おうが誰も文句を言わず、それどころか側近達は気に入られ粛清の対象にならないようにと皆必死です。
人の命を奪う事も富を与える事も自分の気分で決められ実行出来るのですからそれが何十年も続けば ”自分は本当に神なんだ” と信じて疑わないでしょう
しかし、本人がどう勘違いしようが人間である以上寿命は必ずあるのです。
※ 一般人と独裁者との死の受け入れ方の違いについてはこちらをどうぞ
独裁政権ではタブーな話し
民主主義や資本主義の国ではわりと国のトップや高官の財産や生活の様子がザックリとですが公表されていますが、独裁政権や共産主義の国ではトップの財産どころかどこに住んでいるのか家族構成はどうなのかなどもベールに包まれている事がよくあります。
アメリカのホワイトハウスではクリスマスにはファーストレディーがどのような飾りつけをしたかがTVで紹介されますし英国では女王が住まうバッキンガム宮殿は人気の観光スポットでもあります。
日本でも陛下のお住まいである吹上御所が新しくなったというニュースが流れていましたね。
ではなぜ独裁政権や共産主義の国のトップはオープンにしないのか
ま、結論からいうと公表すると都合の悪い事が出てきて民衆が ”なぜ” ”どうして” と疑問を持ち始めるからです
既にYouTubeには黒海に面した所に1400億円ともいわれる豪奢なプーチン宮殿があることが動画でスッパ抜かれ、この他にもいくつもの宮殿や別荘を極秘に所有していると言われ、全て自分のものではないと否定しているものの家族名義や側近名義だったりしているので、それだけでも国民に知られる事はかなりマズイわけです。
つまりやってる事は ”お前のためだ” と言いながら働かせるブラック企業や ”俺がいないと困るだろう” といって我慢を押し付けてくるパワハラ、モラハラの構図と全く同じで、実は公にされたり弁護士に入られると困るのは支配している側って事が殆どなのです。
相手が我慢強いのを良い事に堪忍袋の緒が切れるギリギリのところで責め立てる・・・ね、今のプーチンと同じでしょ
固まる脳みそ
人の劣化というのは外見上と目には見えない内臓などの体の中と思考などの脳や心の中とに分けられます。
外見の劣化は直ぐにわかるけれど直ぐに ”お直し” も可能ですね。
問題は劣化が分かりにくい体と脳です。
目が悪くなる、揚げ物で胃もたれがする、階段で息切れや膝の痛み、つまずき・・・などなど、なんだかTVCMでよく聞くワードですがこれらの症状は紛れもなく体が劣化しているからですが体調が悪くなって気づく事が出来ますが、脳はなかなか気づかれません
私たちのちょうどおでこの裏あたりには感情や判断力を司る部分の脳があり、頭のてっぺんには思考の認識や身体の空間認識(身体の姿勢や手足の位置、関節の屈曲)などを司る部分があるのですが、ここの部分の脳が衰えて来たり、認知症などで急激に縮んだりすると感情のコントロールが出来なくなって攻撃的な発言をしたり暴力的になったり、暴力的に暴れる割には思うように体は動かず転んだり、空振りして思わぬものを壊したりとなんだか癇癪(かんしゃく)起こした子供のようになります。
また脳の収縮が記憶に障害を起こす事も知られています。
なので、簡単な伝言や約束も出来なくなり同じことを何度も聞いたりと段々と普通の生活が難しくなって来るのですが・・・
もともとプライドが高く自分の衰えを受け入れられない人は ”新しい事” を受け入れられない(認識できない)ので古い記憶から ”思い込み” と ”決めつけ” を掘り起こし現状に無理やり当てはめようとします。
はいここまで来ると何が言いたいのかわかりますよね
フランスのマクロン大統領がプーチンとの会談後側近に話したプーチンの様子、つじつまの合わない説明、カメラも気にせず側近に詰め寄りビビらせている映像などからプーチンはかなり現状認識が出来ない老人になったか初期の認知症ではないかと噂されています
また数年前から不自然な歩き方や座り方、手の動きからパーキンソン病を発症したのではとも言われていたので、もしこれらが本当ならとても恐ろしい話ですが彼は自分の体の動くうち、影響力があるうちに自分の思うようにしたいと賭けに出る可能性は十分あると思います。
妙に重なるイワン雷帝とプーチン
既にSNSサイトではプーチンがイワン雷帝とそっくりだという話が出ており目にされた方もいるかもしれませんが・・・
イワン雷帝ってだれって方のために簡単にイワン雷帝の説明すると・・・昔ロシアにいたとんでもない皇帝のことです
高齢の父皇帝がイワン3歳の時に亡くなり、母はイワンが8歳の時に毒殺されそれからイワンは後ろ盾の貴族に育てられます。
しかし、イワンを預かった貴族はイワンが皇帝なのにも関わらず権力は利用しイワンには食べ物を満足に与えないなどのネグレクト(育児放棄虐待)状態で育てます。
愛情を知らない(わからない)幼い皇帝イワンは小動物を虐待したり殺したりとかなりのソシオパスぶりを発揮し、気に入らない者、疑わしい者は次々と処刑しその処刑方法も残酷なものでした。
しかし、アナスタシアという女性と結婚してからは彼の危険な癇癪は抑えられていたそうで、彼が癇癪をおこしても唯一彼女だけが宥め鎮める事が出来たそうです。
※ (サイコパスは先天的要因を持ち、ソシオパスは後天的要因を持ちます)
しかし結婚十四年目で最愛のアナスタシアが亡くなるとソシオパスが復活し、決めつけや思い込みで次々と粛清をし自分で秘密警察をつくり、後にノヴゴロドという町の人たちが敵国につくのではと疑い秘密警察とともに住民約三千人(確認できるだけで)を拷問し処刑しました
懐疑心(かいぎしん)持ちで癇癪(かんしゃく)持ちで思い込みと決めつけで行動する皇帝は一度怒りに火が付くと我を失うほどに怒り暴れるため雷帝という別名がありました。
そんなイワン雷帝は、とうとうやらかします
原因は、皇太子妃が妊娠中に決められた衣装を着ず別のものを着ていた事に腹を立て皇太子妃を殴打、そこに割って入った皇太子に激高し我を忘れ気が付いた時には皇太子は頭から血を流し倒れ、側近も額から血を流し皇太子妃は隅で震えていたそうです。
数日後、皇太子は帰らぬ人となり皇太子妃も今回の事が原因で流産しその後亡くなります。
最愛のアナスタシアとの間に出来た皇太子を自分の杖で殴り殺しその妻も孫も結果的に自分が殺してしまうという取り返しのつかない事をしてしまったのです。
それから皇帝は元々あった不眠症がますます悪化し、罪の意識にさいなまれ正気を失っていき、幼くして亡くなった長男と自分が殺してしまった皇太子の名前を呼びながら夜な夜な宮殿をさ迷い歩いていたそうです。
皇帝は罪の意識と後悔から自分が今まで殺してきた犠牲者の名簿を作らせ彼らの名を呼びながら祈りを捧げ数々の修道院や教会に多額の寄付をし許しを請うたそうです。
いかがでしたか
その最高位の立場と元スパイの懐疑心ゆえに、諫める(いさめる)者がいても気分次第で粛清することも出来、プライドの高さから間違えた事を認められず振り上げた拳の落としどころは毎回誰かに丸投げ・・・う~ん似てる・・・
ちなみにプーチンが会談で大人しく話を聞き会話出来ていたのは去年12月8日で首相を退任するとともに政界を引退したドイツのメルケル首相だったそうです。
メルケル首相はコロナの時に国民に向けた演説が素晴らしく、感動を呼び高く評価されました。
プーチンにとってメルケル首相は最高のカウンセラーだったのかもしれませんね。
自分がトップにいたいがためにイカサマ投票や恐怖投票させても心の真ん中では ”俺嫌われえるからこんな事してる” ”マイクやカメラの前でまた嘘ついて嬉しそうに、強そうにしないと” ”皆も怖いからニコニコして手を振るんだ” ”好きだからじゃなく怖いからだ” ともう一人の自分がずーっと呟いているでしょうに・・・
彼は自分が死ぬまでにもう一人の自分が心で呟いている事を認められるだろうか・・・ と、思うのです。
人は現実を見るのがとても苦手です。
出来れば自分の都合よくものを見たいと常に思っています。
人が変わるには
① 認める事
② 受け入れる事
③ 手放す事
④ 感謝する事
という四つのステップが必要です。
そしてこの順番も変わりません。
何かつまずきを感じるなら一つ戻って考えてみましょう。
焦る必要はありません。何が足りていなかったのか多かったのかがわかるまでゆっくり考え自分の心の中を探索しましょう。
最後にはちゃんと自分に必要なものだけが残ると思いますよ。
このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです
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