ドラマ「模倣犯」感想 | 小さな太陽

小さな太陽

愛と毒を織り交ぜながら綴るログ。  2012.05.01-



テレ東のドラマを見ていた。


以下、ドラマ感想なので、

それでもいいよって方は進んでくださいね。

ちなみにモロネタバレです。(笑)







中学生だった13年前、

親が持っていた 宮部みゆき「模倣犯」を読んだ。

ちなみに映画は今も未見。評判の低さに見る気がなくなったという理由もある(笑)



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模倣犯〈下〉/小学館
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ちなみにまだ文庫本の出ていない頃でしたが、

上下巻ですごく分厚くい上に一ページ二段構成になっていて、

読書離れしている今だったら読もうと思わない類かもしれないと思う。(笑)



上巻は全部読んだんですが、

下巻の途中で一気に読めなくなってしまったんですよね。


それまでの残虐事件の犯人の描写になり、

ヒロミ(実行犯)、ピース(真犯人)、カズの過去から現在の話になり、

描写が具体化していくにつれて、中学生だった私は気分の悪さと怖さに耐えられなかったんですね(^_^;)

ヒロミとカズの死後、

物語の視点がカズの妹であるユミコとピースに変わった時、

もう無理!これ以上無理!!読めない!!

と、途中で読むのを放棄した。(笑)

ユミコが変わっていくさま(当時は表現方法がわからなかったけど、マインドコントロール=洗脳にほぼ近いですね)は読み進めることが出来なかったんだな(^_^;)


読んだのは冬休みの時でしたが、

それも正月シーズンでしたが、

すごい寒い時期だったのに、読みながら扉を全開きにしないと精神的に落ち着くことが出来なかった思い出がある。(笑)


そんなわけで途中で読むのを放棄していたので、

そこから先の展開はまったく知らないままだった。




今回ドラマ化になる時に見たいと思ったのは、

中学の時に読んだ思い出がよみがえったからと(年月が経っているのである程度私の中で小説の印象が緩和されていた)、

ピースの役を演じた役者さんにすごく興味があったからです。


母が毎朝朝ドラを見ている生活で、

その横で仕事に行く準備をしているので、

朝ドラには少なからず触れる生活をしています。


「とと姉ちゃん」に出ていたお兄ちゃんが

あのピースをどう演じるんだ?と、率直に興味があった。


このログの紹介欄に

「・俳優さんは狂気的な役が似合う人が好き。ギャップがあればなお好き。」

と以前から書いてますが、

今回の興味はそこが一番大きかったのもある。

どんな感じになるんだろう?という興味が大きかった。


そんな感じで見始めたので、

すごい満足した!(笑)

役者さんって凄いな、の一言に尽きるね。

「とと姉ちゃん」であれだけ真面目な青年を演じていた子が、

これだけサイコパスな役がはまるとは思わないよ。(笑)

基本的に表情が薄いので(これが世間の言う「塩顔」なのねと思いました)、表情の読めない役が合ってるね。

中谷さんや橋爪さんもそうなんだけど、役者さんって凄いなと思った。


でも、「とと姉ちゃん」に限らず、

近年の朝ドラに出ていた役者さんたちも割と多くいましたね。

ユミコは「まれ」、昭ちゃんは「あまちゃん」、豆腐屋の常連のおっちゃんは「花子とアン」。

まぁ今の「とと姉ちゃん」もこれまでの朝ドラに出ていた役者さんが多く出ているので、

朝ドラに出てない役者さんを探すのが難しくなってきているのかもしれないね。




でも、前篇を見た時、

私が中学の時にあれだけ怖い怖い怖いと思っていた描写が

ほぼ前篇に収まってしまっていることに衝撃を受けたよ。(笑)


その真骨頂だったヒロミとカズにまつわる描写は

映像化するにあたり結構削られているところも多いので、割と安心して見れた。(笑)

カズは障害があるので(ドラマでは知的障害になっているけども、原作は視覚障害だった)わかるけども、

ヒロミも設定年齢(29才)の割には子どもだよなぁと映像で今見ると思う。

犯罪云々は置いといても、こんなに幼稚にはしゃぎたがる29才っているのか……?と同年代としては不思議に思う所存。(^_^ゞ


でも、ヒロミ、カズ、ピースの子役の子を見た時、

よくこれだけ似た子役を探してきたなぁ……( ゚ д゚) と感心しきりでした。(笑)

ピース役の子役の子が出てくるたびに感心していた。(笑)



最初、変声器の声の主がヒロミであることはドラマを見ているだけでもわかるんだけども、

途中で変声器の声がヒロミからピースに変わったのもはっきりとわかりました。はしゃがなくなったというか。

ネットで「変声器を使っても声が(とと姉ちゃんの)星野さん」と書いてあるのも笑ったけども。(笑)



ユミコとピース(網川)の描写もドラマでは思いのほか見れたかな。

読んだ当時何とも言いようがない強い不快感を感じていたけれど、

今見ると凄く思う。洗脳って怖いな(^_^;)  心が弱っている時に優しくされたら、良くも悪くも信用しきってしまうよなぁ。


後篇の折り返し地点であるユミコ殺害に至る場面までの描写で

ユミコに殺人を強要するよう洗脳する場面、

実際こういう事件って少なからずあるんだろうね~と思いましたね(^_^;) 




最後まで読まなかったので、

「模倣犯」のタイトルの意味を長年ずっと知らないままでしたが、

そういう意味だったのねーーー!!!という衝撃を13年越しに受けました。(笑)

「古い洋書から犯罪を模倣した」という糾弾に発狂する網川の流れは想像しなかったなぁ。それもその糾弾内容が嘘だとは(^O^;)


滋子が網川に糾弾する場面、

スカッとした!!という一言に尽きます。(笑)

昭ちゃんと一緒に

「よくやった!よくやった!!」って言いたくなったぞ。(笑)


原作小説の最後の描写がどのように表現されているのかわからないけれど、

滋子と最後に対峙した際の網川は、

それまでのカリスマ性が嘘のごとく「イマドキのキレる兄ちゃん」になってしまっていたのもちょっと笑ってしまいました(^_^;) 




録画したけれど、画質がものすごく悪くてブツブツ映像が切れる有様なので(笑)、

DVD化されたら買いたいなーと思うほどには面白いドラマでした。