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兵庫の介護施設・福祉施設の労務相談ブログ

兵庫県在住、介護施設・福祉施設の労務を得意とする社会保険労務士です。
就業規則、残業代対策、労基署対応、職場の労務相談ならお任せください! 
神戸、西脇~明石、姫路にクライアント様が集中していて、フットワーク軽く飛び歩いています。

こんにちは、福祉専門社労士の三木です(*^^)v


前回に引き続き、労働法規への対応シリーズです。

残すところ今回を入れてあと2回でいきます!ちゃんとまとめます(笑



改正法案が施行されるまでに、福祉の職場において

労働法規について最低限このように対応されていてはどうか?

と提案する事項を書いていってます。


前回、まだ読んでおられない方は是非↓

改正介護保険法 労働法規 注意点

改正介護保険法 労働法規 対応①

改正介護保険法 労働法規 対応②

改正介護保険法 労働法規 対応③


今回は「就業規則」「36協定等」について


「36協定」の届け出、毎年済ませていますか?

(一般的には4月1日より一年間の適用期間で協定を結ぶ事が多い為、

毎年3月末までには新年度の分を届け出る事が多いです。)


労働基準法で原則一日の労働時間は8時間、

一週間は40時間と定められています。


本来、この法定の労働時間を超えて、労働させると

6か月以下の懲役か、30万円以下の罰金刑が科される事になるわけですが。


あらかじめ、「36協定」を届け出ておくことで、

法定労働時間を超えて労働させたり、法定休日に労働させた場合にも、

協定で定められた時間内であるならば、労働基準法違反にはならずに

済むわけです(*^^)v


労働基準法第36条にこのことが規定されていることから、

通称「36協定」といいます。


時間外労働をさせる予定が全くないのなら、届け出る必要はありませんが、

通常はそのような場合は少ないでしょう。


地味ですが、非常に大事な届け出ですので、

毎年忘れずに届け出ておかなければいけません。


「36協定」を結べば無制限に残業をさせられるわけではなく、

限度時間も定められています。

限度時間

「36協定」の記入見本は厚労省のHPを参照してください厚生労働省HP


「36協定」は結んで労基署に届け出るだけでお終い、という事ではなく

「労働契約書」「就業規則」に別途、時間外労働をさせる旨、

定めておく必要もあります。


「36協定」を結ぶ場合、労働者の過半数を代表する者との間で締結することが

必要ですが、以下の方


監督又は管理の地位にある者

(施設長などの管理者や管理監督者にあたる事務長など)

は協定を結ぶ労働者にあたりません。

あくまで一般職員との間で協定を結ぶ必要があります。


労働者の過半数を代表する者の選出方法は、挙手や投票、回覧などの手段で

公平に選ぶ必要があります。


事業所側で都合の良い人を、勝手に指名するのはNGです。

36協定の代表者の具体的な選出方法などで、

ご質問有る方はお気軽にご質問ください(*^^)v


毎年、その年の36協定等、協定の代表者や就業規則の意見徴収者を
一年を通して、同一人物であらかじめ定めておけば必要がある時にいちいち

選出の手間が省けて便利です。



万が一、労基署などの指導を受けた場合は、まずは「36協定」

などの基本的な届け出がきちんとされているかの、

チェックを受ける可能性が非常に高いんです。


「36協定」すら届け出ていないのなら、

他の部分にも重大な違反があるかもしれない!


上記のように役所に思われたらひたすら損なので
毎年忘れずに届け出ておく事が大事ですね!(^^)!



「就業規則」についてですが、このブログでも再三述べていますが、

10人以上の労働者を雇用する事業所毎に、作成・届け出の義務があります。


正職員だけでなく、パートさんなども含めて10人ですね。
届け出の際は職員代表者の意見書も添付しないといけません。


規則に関して私が言いたいのは、


手の込んだ就業規則にする必要はありませんが、

最低限記載しなければいけない事項は記載した上で、

必要な労務対策は施し、

事業所の規模に合った、ちゃんと使用できる就業規則を

作成しておきましょう。


という事です(*^^)v

以下、順に説明しますと、


就業規則には必ず記載しなければいけない事項と定めをしたならば

記載しなければいけない事項とがあります。

就業規則に記載しなければいけない事項 →大阪労働局HP


就業規則記載事項は複数ありますが、

特に重要なのは、

労働時間や休憩、休日に関する事項と

賃金の決定に関する事項ですね。


何時から何時まで働いて、いつが休みなのか、

賃金は月給で払うのか、時間給なのか、手当の種類、金額など。


実際の事業場の実態に沿った内容のものでなければいけませんね。

実態と大きく違っているならば、今のうちに直しておきましょう(*^^)v


正職員とパートやアルバイトで労働条件に差がある場合には、

それぞれの立場に応じた、規定や別に専用の就業規則を準備して

おかれるのをお勧めします。(パート職員就業規則や契約職員就業規則など)


就業規則の作成例はネット等でも入手はできます。

参考までに→東京労働局HP


ただ、上記に一応、作成例を紹介はしていますが、


ネット上や労働局で入手した雛型をそのまま使用されるのは

おすすめしません。


事業所に合った内容の就業規則にしないと意味がないからです。

一般的に出回っている雛型などは、労働者有利に定められている場合が

多いので、中小の事業所では守れない内容の規定も存在するからです。


就業規則のどの部分が最低限必要な内容で、どの部分がそうでないのか、

見極めながら、事業所の規模に合った内容の規則で充分なのです(*^^)v


就業規則で重要なのは、職場内で和を乱し、再三注意しても素行が治せない

職員をきちんと注意したり、最悪の場合は懲戒処分にしたりと、

万が一の労使トラブルから

事業所を守れる内容のものにしておく事です。


その他にも、

訪問介護の事業所などで、訪問先と訪問先間の空き時間に関して、

どの部分が賃金支払いのいらない空き時間で、どの部分が賃金を払わなくては

いけない移動時間なのかをきちんと就業規則に定めておく、など。


事業形態に合わせた労務対策も、

事業所内で取り決めたうえで、規則に明記しておく

事業所を守るうえで重要な事です。


業務で車両を使用されるのなら、車両管理規定私有車の業務上の利用規定

なども事業所を守る上で、必要な内容ですね!(^^)!


女性の多い職場ですので、育児介護休業規定なども最新のものを

ご準備されておかれるのが良いです。


「36協定」「就業規則」も労働法規を守る上で、最低限必要なものです。


一度作成しておけば後が楽になります!

「36協定」など毎年そんなに大きくは内容変わらないですからね。


次回は「労基署対応」「労働法規対応のまとめ」でいきます。


本日はこの辺で失礼いたします!


関連記事 : 「改正介護保険法 労働法規 対応⑤」

        「就業規則の作成時期」

        「解雇には理由が要るんです」

        「遅刻の多い職員への対処方法は?」


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前回に引き続き、労働法規への対応シリーズです。


改正法案が施行されるまでに、

福祉の職場において最低限このように対応されていてはどうか?

と提案する事項を書いていってます。


前回、まだ読んでおられない方は是非↓

改正介護保険法 労働法規 注意点

改正介護保険法 労働法規 対応①

改正介護保険法 労働法規 対応②



本日は、「勤怠管理」「残業代対策」について


勤怠管理の基本は「タイムカード」を使用する事です。

これは、福祉の職場だけでなく、殆どどの業種でもいえる事です。


「うちはタイムカードじゃなく、出勤簿でつけてるよ」

とか、なかには

「パソコンの勤怠ソフトに毎日入力してもらってる」

なんて事業所さんもおられるかもしれませんね。


必ずしも、勤怠をタイムカード以外で管理してはいけない訳ではありません。

中には、勤怠をタイムカードで管理しずらい状況も有りうると察します。

訪問介護の事業所で登録ヘルパーさんを直行直帰させている場合などは

タイムカード打刻しずらいですね。


厚生労働省から出されている基準としては、


労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準


上記の基準の内容をブログ上で書きますと、長くて読みずらいと思うので、

簡単に説明しますが、


基本、タイムカードで管理するのが望ましい、という事です。

タイムカードで管理しずらい場合のみ、出勤簿などを使用されるのが良いです。


タイムカードで何故、管理しずらいのか?

理由をちゃんと説明できるように。


タイムカードを使用すると客観的証拠が残ってしまい、

残業代を払わなければいけなくなる。

出勤簿の方が幾分、管理しやすい、など。


上記のような理由で、タイムカード使わないというのは

ちょっと問題ありなんです(汗


タイムカード使用すると、業務終了後に、すぐに帰らず残って職員同志で話している

時間や、利用者とのコミュニケーション時間なども、

労働時間の対象になる可能性がある。

確かにそうです。


残業代対策として、


だからこそ、タイムカード打刻のルールをきちんと定めておく必要があるのですね。

出勤して仕事にとりかかる直前に、打刻してもらう。

終わったらすぐに打刻してもらう。


残業を許可制にする。

きちんと業務時間内に終了できる業務内容(量)になっているか、

再度確認する。


タイムカードに不明な時間(定時後、1~2時間以上遅れて打刻してある等)

見つけた場合は、その都度、本人に確認し、

理由に応じて、必要により訂正してもらい、訂正印をもらう、など。


事務所と就業場所が離れている場合などは、就業場所にタイムカードを置く、

なども有効な方法でしょう。


上記のようにきちんと管理しようとしてもしずらい状況が

ある場合に出勤簿の採用を考える、というのが妥当なところです(*^^)v



ただし、出勤簿は、あらかじめ出勤時刻や退勤時刻を明記して、

事業所側が出勤した日に〇をつけるだけという場合などには、

勤務の状況を示す、客観資料としては弱い場合もあります(汗


このあたり実施指導で指摘されないように、

本人からの確認印を毎月もらっておくなどの対策は必要です。

不明な場合には都道府県の担当課に相談されるのも良いですね。



よく聞かれますが、訪問介護の事業の場合、利用者宅から利用者宅へ

移動する時間は労働時間です。


ただし、最初の訪問先から、次の訪問先までかなり時間が空いていて、

空き時間を自由に利用できる(労働から解放されている)

なら、空き時間に関しては労働時間にならない可能性もあります。


又、移動時間と実際に訪問宅で作業している時間とを必ずしも

同じ賃金額にしないといけない訳でもありません。


訪問宅での時間は時間給○○円、移動に関する時間は○○円という

様に分けて支給するのも可能です。

(職員さんから充分納得を得る必要はありますが)


上記のあたり、判断に迷う場合は、専門家にご相談される事を

お勧めします。



勤怠管理とも関連しますが、労働者名簿や出勤簿(タイムカード)、賃金台帳などの

法定書類はきちんと整備し保管しておきましょう!


賃金台帳には下記の事項をしっかりと明記しておきます。


1.氏名
2.性別
3.賃金(諸手当、賞与を含む)毎の計算期間
4.労働日数
5.労働時間数
6.時間外労働/休日労働/深夜労働の時間数
7.賃金の種類(基本給、諸手当)毎の金額
8.控除の内容とその額 



次回は「就業規則の作成・周知・届け出」と「36協定他」を

再度整理してみたいと思います(*^^)v



本日はこの辺で失礼いたします!



関連記事 : 「改正介護保険法 労働法規 対応④」


管理職に残業代は支払う!?」  「福祉施設の残業代対策」



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前回に引き続き、労働法規への対応シリーズです。


改正法案が施行された場合に、

私なりに、福祉の職場において最低限このように対応されていてはどうか?

と提案する事項を書いていってます。


前回、まだ読んでおられない方は是非↓

改正介護保険法 労働法規 注意点

改正介護保険法 労働法規 対応①



事業所において、職員を雇用した場合に、まず入り口のところで

果たさなければいけない義務、


ずばり、「労働条件の明示義務」ですね。

労働基準法は、労働者の雇入れに際し、使用者は労働条件を明示

すべきことを義務づけています。(労働基準法第15条)

具体的には、労働契約書や労働条件通知書などを、職員に交付して

明示する事になります。


「そんな事、わかってるよ!」

という方も、多々いらっしゃるかと思いますが(汗


事業を始められて間もない方も、見ておられるかもしれないので、

ここは、ひとつずつ基本に戻って説明していきたいと思います。


すでにご存じの方も、改めてご確認いただければ幸いです(*^^)v


職員を雇い入れる際に、明示しなければいけない事項は、

以下の通り、



絶対的明示事項(必ず明示しなければならない事項)


    1.労働契約の期間
    2・就業の場所・従事する業務の内容
    3.始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
      休憩時間、休日、休暇、
      交代勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
    4.賃金の決定・計算・支払の方法、賃金締切・支払時期、
      昇給に関する事項
    5.退職に関する事項(解雇の事由を含む)


相対的明示事項(定めがある場合は明示しなければならない事項)


    1.退職手当の定めが適用される労働者の範囲、
      退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払時期に関する事項
    2.臨時に支払われる賃金(退職手当除く)・賞与などに関する事項
    3.労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
    4.安全衛生に関する事項
    5.職業訓練に関する事項
    6.災害補償・業務外の傷病扶助に関する事項
    7.表彰、制裁に関する事項
    8.休職に関する事項


絶対的明示事項の昇給以外の部分は書面にて明示することが必要です。

絶対的明示事項ではありませんが、賞与や退職金などの有無も、

その旨、契約書に明記しておかなければいけませんね。


労働契約書のサンプルは、ネット検索にて「労働契約書」「雇用契約書」

検索すると色々でてきます。


一般に出回っているもので使用しずらい場合は、オリジナルの様式を作成し、

使用しても構いませんが、上記の明示事項(特に絶対的明示事項や賞与や退職金)

は明記しておかなければなりません。



1.の労働契約の期間は、定めのない場合(正職員)を除いて、

有期で定める場合、通常は3年(例外有り)まで認められますが、

あまり長い期間、定める事に意味はないですね。


例えば、3年契約でパートさんと雇用契約を結んだ場合、

3年間はよほどの事がなければ、契約解除はしにくくなります。

有期契約は途中解除はしづらいので注意が必要です。


通常は長くても1年更新、半年更新で契約期間を定められる

事業所さんが多いです。


短すぎる(1カ月更新なども有りうる)のも、考えものです。

いちいち契約期間が満了するたびに、更新の手続き(再度、契約書を取り交わす)

が煩雑になります。


適度な期間(短くても3カ月、半年、1年更新)

で有期契約は結びましょう。



福祉の事業所で気をつけなくてはいけないのは、

始業・終業の時刻や休憩時間を明確にすることです。


変形労働時間制(1カ月単位の変形労働時間制など)を採用する場合は、

その旨、明記し、詳細は就業規則による、と契約書にも明記しましょう。


交代制で勤務の時間帯枠が多い場合にも、

全て明記しておかなければなりません。

(訪問介護の事業所などは要注意です。)


A勤 9:00~13:00

B勤 13:00~17:00

C勤 、、、、

D勤 、、、、


細かく、勤務が分かれている場合に、それぞれの勤務帯を明記しておくことです。

(実際の運用は月毎、週毎のシフト表によるところとなります)



賃金に関する事項も明確に、

雇用契約書には書かれていないが、実際には支払っている賃金や

その逆、契約書には書かれているが、実際には支払っていない賃金があるなど、

あってはいけませんね(汗


賃金に関しては、

職場慣行により、支払っているような賃金

(早朝勤務手当や、送迎手当など時々により、支払うものなども)

も全て明記する事。


それ以前に、意味のよくわからない手当などは、

むやみに作らない事です。

トラブルの元になりますからね(*^^)v



契約内容が途中で変更になった場合などは、その都度、辞令や

新しい内容で契約書を作成する事など、習慣づけておきます。


以前にも、書きましたが、労働契約を口約束で済ませても

基本良い事は何もありません。


雇用の入口のところの「労働条件の明示」を確実にするだけでも、

入職される方に与える印象が違います。

長くしっかりと働いてもらう為に、必要なことですね(*^^)v



いつもより、頑張って書いてますので、少々読むのも大変かもですが(汗

次回は「勤怠管理の基本、残業代対策」でいきます。


本日はこの辺で失礼いたします!



関連記事 : 「改正介護保険法 労働法規 対応③」

        「雇い止めはいつでも行える!?」

        「有期契約は途中で解除できる!?」

        「雇用契約書は要る?要らない!?」



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