こんにちは、福祉専門社労士の三木です(*^^)v
前回に引き続き、労働法規への対応シリーズです。
改正法案が施行された場合に、
私なりに、福祉の職場において最低限このように対応されていてはどうか?
と提案する事項を書いていってます。
前回、まだ読んでおられない方は是非↓
事業所において、職員を雇用した場合に、まず入り口のところで
果たさなければいけない義務、
ずばり、「労働条件の明示義務」ですね。
労働基準法は、労働者の雇入れに際し、使用者は労働条件を明示
すべきことを義務づけています。(労働基準法第15条)
具体的には、労働契約書や労働条件通知書などを、職員に交付して
明示する事になります。
「そんな事、わかってるよ!」
という方も、多々いらっしゃるかと思いますが(汗
事業を始められて間もない方も、見ておられるかもしれないので、
ここは、ひとつずつ基本に戻って説明していきたいと思います。
すでにご存じの方も、改めてご確認いただければ幸いです(*^^)v
職員を雇い入れる際に、明示しなければいけない事項は、
以下の通り、
絶対的明示事項(必ず明示しなければならない事項)
1.労働契約の期間
2・就業の場所・従事する業務の内容
3.始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇、
交代勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
4.賃金の決定・計算・支払の方法、賃金締切・支払時期、
昇給に関する事項
5.退職に関する事項(解雇の事由を含む)
相対的明示事項(定めがある場合は明示しなければならない事項)
1.退職手当の定めが適用される労働者の範囲、
退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払時期に関する事項
2.臨時に支払われる賃金(退職手当除く)・賞与などに関する事項
3.労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
4.安全衛生に関する事項
5.職業訓練に関する事項
6.災害補償・業務外の傷病扶助に関する事項
7.表彰、制裁に関する事項
8.休職に関する事項
絶対的明示事項の昇給以外の部分は書面にて明示することが必要です。
絶対的明示事項ではありませんが、賞与や退職金などの有無も、
その旨、契約書に明記しておかなければいけませんね。
労働契約書のサンプルは、ネット検索にて「労働契約書」や「雇用契約書」と
検索すると色々でてきます。
一般に出回っているもので使用しずらい場合は、オリジナルの様式を作成し、
使用しても構いませんが、上記の明示事項(特に絶対的明示事項や賞与や退職金)
は明記しておかなければなりません。
1.の労働契約の期間は、定めのない場合(正職員)を除いて、
有期で定める場合、通常は3年(例外有り)まで認められますが、
あまり長い期間、定める事に意味はないですね。
例えば、3年契約でパートさんと雇用契約を結んだ場合、
3年間はよほどの事がなければ、契約解除はしにくくなります。
有期契約は途中解除はしづらいので注意が必要です。
通常は長くても1年更新、半年更新で契約期間を定められる
事業所さんが多いです。
短すぎる(1カ月更新なども有りうる)のも、考えものです。
いちいち契約期間が満了するたびに、更新の手続き(再度、契約書を取り交わす)
が煩雑になります。
適度な期間(短くても3カ月、半年、1年更新)
で有期契約は結びましょう。
福祉の事業所で気をつけなくてはいけないのは、
始業・終業の時刻や休憩時間を明確にすることです。
変形労働時間制(1カ月単位の変形労働時間制など)を採用する場合は、
その旨、明記し、詳細は就業規則による、と契約書にも明記しましょう。
交代制で勤務の時間帯枠が多い場合にも、
全て明記しておかなければなりません。
(訪問介護の事業所などは要注意です。)
A勤 9:00~13:00
B勤 13:00~17:00
C勤 、、、、
D勤 、、、、
細かく、勤務が分かれている場合に、それぞれの勤務帯を明記しておくことです。
(実際の運用は月毎、週毎のシフト表によるところとなります)
賃金に関する事項も明確に、
雇用契約書には書かれていないが、実際には支払っている賃金や
その逆、契約書には書かれているが、実際には支払っていない賃金があるなど、
あってはいけませんね(汗
賃金に関しては、
職場慣行により、支払っているような賃金
(早朝勤務手当や、送迎手当など時々により、支払うものなども)
も全て明記する事。
それ以前に、意味のよくわからない手当などは、
むやみに作らない事です。
トラブルの元になりますからね(*^^)v
契約内容が途中で変更になった場合などは、その都度、辞令や
新しい内容で契約書を作成する事など、習慣づけておきます。
以前にも、書きましたが、労働契約を口約束で済ませても
基本良い事は何もありません。
雇用の入口のところの「労働条件の明示」を確実にするだけでも、
入職される方に与える印象が違います。
長くしっかりと働いてもらう為に、必要なことですね(*^^)v
いつもより、頑張って書いてますので、少々読むのも大変かもですが(汗
次回は「勤怠管理の基本、残業代対策」でいきます。
本日はこの辺で失礼いたします!
関連記事 : 「改正介護保険法 労働法規 対応③」
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