私にとって、各地の美術館で絵を見て回ることは、大きな楽しみ。 そんななか、たくさんの画家の中でも、ちょっと特別な存在なのが、フェルメールです。 理由は、もちろん緻密で美しい絵の素晴らしさもそうなのですが、・・・「もしかしたら全部の絵を見てしまえるかもしれない」 と思わせる、作品点数の少なさ。 全世界でも30数点 (諸説ありますが、一説によると 36点) しか存在しない、寡作の画家フェルメールの全作品。一生のうちに、全部見ることはできるのでしょうか? ヨーロッパに限って言えば 全作品中の22点を見ることができるのですが、わたしは今までに、そのうちの 19点を見てきています。
⇒ 詳しくは、こちらでおさらい。 「 フェルメールを追いかけて 」 「 続: フェルメールを追いかけて 」 「続: フェルメールを追いかけて (ロンドン・ケンウッド・ハウス) 」
そして、2017年にアメリカ東海岸を旅したときに、アメリカにあるフェルメールの 10点をアメリカで、そして入れ違いに日本に来ていた 「水差しを持つ女」 を日本で、合計 11点を見ることができました。 ⇒ 詳しくは、こちらで。 「 アメリカのフェルメール
」 「 アメリカのフェルメールたち
」 その際、ワシントンD.C. のナショナルミュージアム所蔵の 「手紙を書く女」 がカンザスに貸し出されていました(ガックシ)。その時に 「この絵は何度も日本に来ていたのに・・・ こんなことならその時見ておけばよかった」 と思ったのですが・・・ 今年、また日本に来てくれましたので、思い切って会いにいきました。
手紙を書く女 制作年代: 1665年ごろ
フェルメールがよくモデルに着せていた黄色い上着を着た女性が手紙を書いている一枚。左側に光源があり、やわらかい光を浴びた女性という構図はフェルメールが多用した構図であり、手紙もフェルメールが好んだテーマです。 なので、なんだか 「既視感」 が強かった一枚。 背後にかけられた絵画の色が暗いため余計に地味で特徴の少ない印象になっていて、ちょっとかわいそうな気がしました。 そして・・・実は、今回、上野で行われたフェルメール展には史上最多の 9点が来日していたのですが、わたしが初めての絵は 「手紙を書く女」 だけではなかったのです。 同じ手紙をテーマとした 1枚を、ここで見ることになりました。 手紙を書く婦人と召使い
制作年代: 1670-71年ごろ
ダブリンの アイルランド・ナショナル・ギャラリー にある 1枚。 ダブリンを旅した際に時間がなくて立ち寄れなかった美術館に収蔵されたフェルメールに、日本で出会うことになりました。 この絵も過去に日本に来ているので、すでに見た方も多いかもしれません。
・・・さて、これで33枚目のフェルメール。 残りの作品とはいつ、どのタイミングで出会うのでしょうか。 世界のフェルメール全点踏破まで、あと 3点。
ブラウンシュヴァイクのヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館 「ワイングラスを持つ娘」
ロンドン、バッキンガム宮殿 「音楽の稽古」
イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館 「合奏」 (盗難中) こうなると、全点踏破の可能性は盗難中の 1枚が戻ってくるかどうかにかかってくる感じがしてきたぞ・・・!
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