今日は、現在、上野の東京都美術館で開催中の、第8回新日春展について書きたいと思います。(会期 東京展4月18日(木)~24日(水))

 

会場風景です。(展示室の2室です。なぜ、ここがスタートなのかは、後で触れます。)

 

会場の入口です。

 

受賞者と出展者です。

 

それでは、私の視点で申し訳ありませんが、作品を紹介していきたいと思います。

冒頭に紹介した第2室に、私がいつも注目してきた人物画を描く福田季生さんと、猫を描く石井清子さんの作品が、偶然にも並んで展示されていました。

2室には注目の作品が多く、賑わっていました。

 

それぞれの作品について触れます。

「二人」福田季生 会友 京都府

福田季生さんは、私の感想ですが、京都画壇の美人画の伝統を今に引き継ぐ若手日本画家であり、新日春展、日展を中心に作品を発表しています。銀座においても個展をされており、その様子は私のブログでも紹介させていただきました。

 

 

 

福田季生さんの作品では、新日春展においては、これまで登場人物は一人であったかと思いますが、前回の日展で複数の人物が登場する作品を発表したこともあり、今回まさに「二人」という作品です。

丸さにこだわった、丸いテーブルに二人の女性が、それぞれ物思いにふける様子のバランスの妙、そして、それぞれの和装のさりげない美しさが目に惹く作品ではないでしょうか。

 

「夢うつつ」石井清子 会友 福岡県

猫が飼い主に見せる安心して寛いだ姿を、宙に浮き、遊泳するがごとく描く石井清子さんの作品です。

数年前は、多くの金魚とともに猫を描き、その後、蝶も登場してきましたが、今回は、長いヒレが美しく揺れる熱帯魚のベタが描かれています。

 

その猫の可愛さは、私が知る中でもファンが多かったのですが、昨年発行された「美術の窓」(2023年3月号)の「かわいい」大研究の中で80名以上の作家が紹介される中、いの一番で紹介され、多くの方にその作品を知っていただくことになりました。

新日春展において、他にも多くの猫の作品が出展されていますが、石井清子さんの作品はその中で最も認知されている作品の一つではないかと私は思っています。

 

それでは、以下、出来るだけ多くの作品を紹介していきたいと思います。

まず、人物画です。

ベテランの藤島大千氏、西田幸一郎氏、山下保子さんの作品は流石、素晴らしいと思いました。

 

「空飛ぶ夢」米満雅 熊本県 一般入選

 

「双眸」松田絵理 長野県 会友

 

「Ice Goddess(氷の女神)」岡本文子 福岡県 会友

 

「比翼の理」佐藤和歌子 熊本県 会員

 

「結」戸田博子 石川県 会員

 

「ペッオルン・カムイ」藤島大千 茨城県 会員

 

「すこし寒い日」西田幸一郎 京都府 会員

 

「春の花」山下保子 神奈川県 会員

 

次は、猫の作品です。

今回は、印象に残る作品が多かったように思います。

 

「猫、想う」小熊香奈子 和歌山県 一般入選

 

「君といた日」及川美沙 京都府 会友

 

「あそぼ」稲葉未来 福岡県 会友

動物に定評がある稲葉未来さんの作品です。最近は、山羊?の作品が多かったように思いますが、以前は猫の作品も良く出展されていたと記憶しています。迫力ある猫の姿が稲葉未来さんらしく思いました。

 

「富井家の子供達」田島奈須美 会員

 

「大物一本釣り」米田陽稀 熊本県 新入選

なかなか愉快で、ユニークな作品が登場してきました。

 

鳥の作品です。

「夜高・闇を視る」福本百恵 岐阜県 会友

 

「朱鷺」平木孝志 石川県 会員

 

「光の中へ」猪熊佳子 京都府 会員

 

花の作品です。

「四季草花」野澤朋恵 愛知県 一般入選

 

「パレード」青木和代 千葉県 新入選

 

「春を歌う」佐久間香子 埼玉県 会友

 

「蘭花」渡辺信喜 京都府 会員

 

「赤い花」岡江伸 東京都 会員

 

「落ち花」佐々木淳一 大阪府 会員

 

「夢の中に」鍵谷節子 大阪府 会員

 

その他、印象に残る作品です。

「往昔」中村妃菜 会友 熊本県 新日春賞

朽ちた建物を卓越した表現力で描いた、若手の中村妃菜さんの作品です。

新日春賞をされました。

 

「円炎」中村賢次 熊本県 会員

「炎」を描く中村賢次氏の作品です。

 

「富士」村居正之 大阪府 会員

岩絵の具、群青を使い独自の青で、遺跡となった古都などを描く、村居正之氏の富士の作品です。

初めて見る、村居氏の富士の作品に、驚きと感動を覚えました。

 

最後に、3点の受賞作を紹介します。

「緑のかたち」乙部亮 石川県 一般入選 外務大臣賞 新日春賞

 

「雪の下」森花 富山県 山口蓬春記念館賞 新日春賞

 

「季のしつらい」姫野美貴子 大分県 新入選 新人賞

 

以上、多くの作品の中から、ごく一部だけですが、気になる作品を紹介させていただきました。

多くの作品の中から次代を担う作家が登場し、育っていくことがとても楽しみです。