ここのところ何かと慌ただしく、画廊から足が遠ざかっていましたが、今日は、久し振りに銀座の画廊巡りに出かけました。

まず、伺ったのは、銀座松屋の裏の通りにあるギャラリーアートもりもとで開催されている日本画家の「福田季生展ー願い事ー」です。

今日は、この福田季生さんの個展について触れたいと思います。

 

まず、作品を一点ご紹介します。

「花散里」 6F(31.8×40.9㎝)

この作品で、最初に目が行くのは、仰向けに遠くを見つめるの女性の顔です。

何を想っているのでしょうか、その静かな表情から、想像が膨らみます。

次に、赤い色が印象的な着物ですが、その生地には染め上げられたような花文様が自然で美しいです。

そして、その花文様が、いくつかの丸みを帯び、着物から浮き出ていることに気づきます。

 

それから、頭の上で組まれた両手をつなぐ曲線に目を奪われ、その背景に描かれた花模様に目が行くときには、この作品の題名の「花散里」のイメージが作品からあふれ出てくる…そんな想いが膨らむ作品です。

 

在廊している福田季生さんに、「花散里」は源氏物語にも出てくる言葉と教えていただきました。

源氏物語第11帖「花散里」…高校生の時に少しだけ読んだ源氏物語を久しぶりに読んでみたいと思いました。

 

福田季生さんは、日展、日春展で作品を発表されており、京都、奈良を中心に活躍されています。

東京では、ここギャラリーアートもりもとを中心に作品を発表されており、これまで私のブログでも何度が取り上げさせていただきました。

「福田季生展 百花繚乱-花文様-」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2020年10月)

第6回新日春展(於 東京都美術館)に行ってきました!(2022年4月)

「summer show 2018」(於 ギャラリーアートもりもと)にいってきました!(2018年7月)

 

作品を何点か紹介します。

「夕刻」 6P(40.9×27.3㎝)

涼し気な青地に白の柄の着物の女性が、笹の葉を片手に持ち、背景に七夕の短冊がたなびいています。

季節の風物が感じられる作品です。

 

「夏の夜」 6P(27.3×40.9㎝)

夏の夜、着物の色合い、柄で季節を、そして女性の表情に想いが感じることができる作品です。

 

今回の個展のテーマは、「願い事」です。

これまで紹介した作品にも、そのテーマを十分感じ取れますが、次の作品にはより深くそのテーマにかかわっていうのではないでしょうか。

 

「祈り」 8P(45.5×33.3㎝)

 

「祈りⅡ」 8P(45.5×33.3㎝)

 

「願い事」 6P(27.3×40.9㎝)

 

そして、会場の奥には、今年の第6回日春展に出展されていた、この作品が展示されていました。

「春の祈り」 60P

 

以上、着物の柄、色あい、花文様、そして女性の想い、祈り、願い事…。

福田季生さんの世界を心から堪能できる作品展でした。

 

最後にギャラリーアートもりもとのHPアドレスを掲載いておきます

ギャラリーアートもりもと (artmorimoto.com)