今日は、現在、銀座のギャラリーアートもりもとで開催されている「宮崎優展-ここから見える世界-」に行ってきました。

(会期 11月26日(木)~12月5日(土))

 

宮崎優さんは、2017年5月に丸善日本橋店で開催された「美人画づくし」(池永康晟監修 芸術新潮社刊 2016年9月発刊)の出版記念で初めてその作品を拝見し、その後、2018年10月にギャラリーアートもりもとでの宮崎優展「兆し」ではじめてお目にかかりました。

 

その後、「美人画づくし 弐」出版記念展(2019年3月)、山種美術館の日本画アワード(2019年8月)、郷さくら美術館の第8回桜花賞展(2020年3月)等々で作品を拝見し、その間、NHKで放送された「浮世の画家」の中で宮崎さんの作品が登場するなど、私の絵画鑑賞履歴の中でも、とても重要な作家さんのお一人です。

 

これまで、私のブログで取り上げた主なものは次の通りです。

宮崎優展「兆し」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2018年10月)

『美人画づくし 弐』出版記念展(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました! (2019年3月)

宮崎優さんの個展について書いた私の記事に驚きのアクセス数が!?(2019年3月)

「山種美術館 日本画アワード」に行ってきました!(2019年8月)

第8回桜花賞展(於 郷さくら美術館)で宮崎優さんの作品など桜を満喫してきました!(2020年3月)

 

今回は、コロナ禍のため、残念ながら宮崎優さんの在廊はないとのことですが、会場には、素晴らしい作品の数々(17点)がそれぞれの個性を輝かせていました。

それでは、作品の中から、何点か紹介させていただきます。

 

「ここから見える世界」  15F

桜の花びらが、風で舞い散るなか、桜柄の着物の女性が座し、上方を見上げています。

彼女の眼の先には、爛漫の桜が、風に吹かれ華やかに広がっていることが容易に想像されます。

でも、彼女の透きとおる赤い眼には、その桜の風景の向こうに霊的な風景が見えているような気もします。

絵の画面に描いていない景色、宮崎優さんの心眼の世界が伝わってくる作品です。

 

「目覚め」 4F

透き通るように美しい少女が、顔の前に両手を添え、ぼんやりと両手の中にできた空間を見つめています。

淡い色の藤の花が咲く季節は春・・・。

少女が目覚め、春の心地よさにまどろんでいる・・・・そして、歩みだすのでしょうか。

 

ほとんどの作品がすでに売約済みの中、この作品は抽選とのこと。その幸運を引き当てる方は羨ましい限りです。

 

「逆説」 80P

こちらの作品は、昨年、山種美術館のアワードで拝見した作品です。

この作品は、宮崎優さんのフェイスブックによると、「本当の救いは他者にあるのではなく、自身の闇の中にあるのかもしれない」そんなイメージで描いた作品と紹介されています。そして、この立っている女性は、三十三間堂の観音二十八部衆像のうちの大弁功徳天像をイメージしたとのことです。

大弁功徳天像は、別名、吉祥天といい、仏教の世界における美女神として有名です。

やさしく、美しい、その表情は現代の人々の心を打つものです・・・。

芸術、そして人の心の普遍性に思いをはせる作品ではないでしょうか。

 

「愛猫」 8F

この作品、宮崎優さんのご友人の原田ちあきさんとその愛猫のいちまつを描いた作品とのことです。

原田ちあきさんについては、私は全く存じ上げませんが、ネットでみるとイラストレーター、漫画家とのこと。それも、『やばめ系猫漫画』というフレイズが出てきました。

昭和の木造住宅の縁側に腰掛け、猫を抱く、格子模様の着物のその姿は、懐かしさと美しさを感じますが、その一方で、この原田いちまつというネコ君の姿に、ただものではないな!と予感させる愉快さを感じる作品です。

 

次は対の作品です。

「夏の香り」 6F

「夏の香りⅡ」 6F

2人の浴衣姿の女性の作品です。

伝統的な日本画でありながら、宮崎優さんの作品に登場する女性は現代的な女性です。

宮崎優さんの作品が現代の浮世絵といわれるのも、この作品を見て納得です。

 

このような対の作品として、次の「新緑」「新緑Ⅱ」という作品も可愛らしく、素敵な作品です。

「新緑」 4F

 

「新緑Ⅱ」 4F

 

他の作品も一つ一つ魅力的ですが、ここでのご紹介はこの程度とさせていただきます。

今回の作品展もそうですが、宮崎優さんの作品は、拝見するたびに新鮮で、驚きさえも感じます。

その魅力から、私は当分逃げられないのではないかと思うところです。

 

最後に、ギャラリーアートもりもとのHPアドレスを掲載しておきます。

www.artmorimoto.com