今日は、現在、銀座のギャラリーアートもりもとにおいて開催されている伊勢田理沙展「いついつまでも」に行ってきました。(会期10月22日(木)~10月31日(土))

伊勢田理沙さんは、写実を標榜する白日会を中心に活躍されている実力、人気ともに注目の若手洋画家で、私のブログでもこれまでも何度も取り上げてきました。

伊勢田理沙展「あのね・・・」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。(2019年6月)

白日会展 第95回記念展(於 国立新美術館)に行ってきました。(2019年3月)

伊勢田理沙展「元気になれそう」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。(2017年12月)

 

まず、この作品を紹介させていただきます。

「君をのせて」 100F(162.1×130.3㎝)

柔らかい日差しがさす窓辺の椅子に、サックスをもって腰かけている女性。モデルは、後輩の藤井佳奈さんです。

そして、その足元には、猫が寛いでいます。

この作品は、展示まではしたものの、コロナの影響で非公開となった今年3月の第96回白日会展に出展された作品で、いわば幻の作品です。

伊勢田理沙さんは、この作品で、白日会の新会員推挙者中、最優秀と認められた作品に対して授与される富田温一郎賞を受賞され、主力作品が展示される第1室の入り口に展示された作品です。

 

今日は、会場に伊勢田さんが在廊されており、お話をすることができ、この作品に登場する猫についてお話を伺うことができました。

こちらの猫です。この作品の猫を拡大してみました。

この猫は、伊勢田さんが大切にして飼われている猫のぐりちゃん、女の子で、名前は絵本の「ぐりとぐら」からとったそうです。

猫を飼われている方は、この子の耳のカット(野良猫に去勢手術をした印)を見るとわかると思いますが、ぐりちゃんは、保護猫で譲渡会で出会ったとのことです。

私は、猫を飼ってはいませんが、ブロ友さんに猫を飼われている方が多く、この耳の印を見ると、その猫の生い立ちに思いが入ってしまいます。

伊勢田さんが、猫をよく描かれていることは承知していましたが、その経緯や名前まで伺ったのは初めてであり、伊勢田さんの猫への想いを少し知ることができたような気がしています。

今回は、他にも猫が登場する作品が数多く展示されています。

 

次の作品を紹介します。

「いついつまでも」 30M(90.9×60.6㎝)

本をもって、椅子に腰かける清楚で透明な印象がする美少女。そして、その足元にも、猫が座しています。

 

このモデルさんの作品を拝見するのは初めてなので、画廊の方にお伺いすると、このモデルさんは、日本画家の田口由花さんとのことです。

田口由花さんは、「美人画づくし」(芸術新聞社刊)でも取り上げられている、美人画を描く若手日本画家で、縁があり、伊勢田さんと交流があるとのことでした。足元の猫は、田口家の猫ちゃんとのことです。

 

田口由花さんは、私のブログでも何度か取り上げており、その記事を読み返してみると、一度、お話はできなかったものの、お目にかかったことがあるのを思い出しました。

『美人画づくし 弐』出版記念展(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました! (2019年3月)

アウラ展(於 ギャラリーアーク)に行ってきました。(2018年9月)

 

この作品の題名、そして、この作品展も「いついつまでも」としていますが、特段、その理由は会場では伺わなかったのですが、この作品を見ると、その意味が伝わってきます。

「いついつまでも」 10F(90.9×60.6㎝)

この作品は、伊勢田さんご自身が飼い猫のぐりを抱いているところを描いた作品で、この題名も、「いついつまでも」となっています。

あらためて、ギャラリーアートもりもとのこの作品展のHPを拝見すると、そこには、『大切な人、愛してやまない猫たち、一点一点に愛情を込めて。』と書いてありました。

http://www.artmorimoto.com/

 

譲渡会で出会った保護猫のぐりへの伊勢田さんの想いが伝わってくる作品ではないでしょうか。

 

さて、伊勢田さんは、洋画家であり、基本、油絵で作品を描きますが、今回、岩絵の具、つまり日本画の作品も何点か出展しています。

「序」 4F(33.4×24.3㎝)

 

「悪戯な君」 16.5×12.0㎝

ご覧の通り、伊勢田さんの「大切な人」のお一人であるモデルの藤井加奈さんと、「愛してやまない猫」のぐりを描いた作品ですが、片手間で書いたレベルを超えた作品であり、私を含め伊勢田理沙さんの作品を好きな方にとっては、大変魅力的な作品ではないでしょうか。

上の作品が、「序」と命名されているように、今後、伊勢田さんの日本画の作品の展開が注目されます。

 

あと少しだけ作品を紹介します。

「春のうた」 SSM(22.7×22.7㎝) ぐりを描いた作品です。

 

そして、グリを描いた洋画(上)と日本画(下)が並べられています。

どちらも「縁起」という作品です。

 

今回は、女性画よりも猫の作品が多かったように思いますが、こうした作品が20点展示されており、伊勢田理沙さんのファンの一人としては大変楽しむことができた作品展でした。

最後に、会場で、パッケージに伊勢田さんの猫の絵が描かれた、オリジナルのはんのうのどら焼きをいただき、帰宅後、大変おいしくいただいたことをご報告します。ありがとうございました。