![クリスマス、今のうちに欲しいものを宣言しておこう](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「そろそろクリスマスだな」
「あらそう。意外な事にそうなってしまうみたいね」
「いや、普通に生活してれば何も予想外な事も無くクリスマスになると思うけど……」
「あら、そうかしら。あなたにもちゃんと平等にクリスマスはやってくるのね。でもまだまだ油断しない方が良いんじゃないかしら。暦や時の流れがいつも人の味方で思い通りになると思ったら大間違いだもの。一秒後には地球は地球ではなくなるのかもしれないし、人間が全ていなくなってしまうかもしれないわ。それが起こる可能性は常に0とは言い切れないじゃないの」
「そ、そりゃそうかもしれないけど、そんな事を言い出したら今と過去の事しか話せなくなるぞ」
「あら、そうでも無いわよ。私やハイジは話しても良いんじゃないかしら」
「こら!どうして僕だけ時空のひずみに呑み込まれるような展開になってるんだ!」
「うるさいわね。だったらそうならないように必死に祈れば良いじゃないの。こうして今話しているのはいくつもの奇跡が重なって起こっている出来事だと認識すべきだと思うわ」
「うっ、うん、確かにそうだけど……何だか難しい話になったな……」
「ぴゅぴゅぴゅっ!おっ、ミニーを発見!むぎゅー!」
「お、ハイジ、って、いきなりミニーに抱き付いて何をしてるんだ」
「んー?どこからともなく知らない人の声が聞こえてきたかも?時空が歪んでいる証拠なんだよ。そうなのかも?違うかも」
「こら!設定に入るのが上手過ぎるぞ!どこで僕達の話を聞いてたんだ!」
「むむむ、何だかずいぶんと失礼で横柄な時空の歪みなんだよ。実体が何も無いクセに罵られた気がするかも。私を罵るとは太い了見なんだよ!でも実体が無いから意外と太くないのかも?とにかく相手にせずに話を進めるしかないんだよ。ミニーはクリスマスは何をするのかを訊きにきたのかも!」
「さぁ、どうかしらね。何だか今日になって突然一人で過ごさなければならない気がしてきたから、どこかで一人静かに過ごすんじゃないかしら」
「お、おい、ちょっと」
「むむむ、そうなると私も一緒に過ごした方がお互いのためになるのかも?二人静かに過ごすのが得策なんだよ」
「あらそう。二人だけれど全く会話が無い状態で過ごすのね。一人の時は騒々しいと頭がおかしいのかと思われてしまうけれど、二人の時は静かにしていると何を考えているのか分からないと言われてしまって、人間というのは全く同じ行動をしているにも関わらず人数によって全く違う価値観を持たれてしまうのが面白いわね。これが三人になったら一体どうなるのかしら。でも私とハイジしかいないみたいだから仕方が無いわ」
「そうかもそうかも。そうなのかも。人が三人集まると文殊の知恵とか言われているけど、結局それは優れた三人だから可能な芸当なんだよ。一人足を引っ張る人がいる場合は思い切って切り捨てたり囮として使ったりするのが本当の意味での文殊の知恵という可能性が……」
「こら!いつまで二人で話してるんだ!しかも存在自体切り捨てるなんて酷過ぎるぞ!」
「うるさいわね。三本まとまってもへし折られてしまう矢のような存在感をしていないで最初から堂々と会話していれば良かったじゃないの。私はあなたがいなくなってしまったなんて一度も言っていないわよ」
「そ、そうだっけ?でも一人で過ごすとか何とか言ってた気が……」
「あら、そうだったかしら。でも誰も何も言い出さないならそうなってしまうしかないんじゃないかしら」
「いや、僕は当然お前と過ごすつもりだぞ……一緒にいてくれるかな」
「さぁ、どうかしらね。好きにしたら良いんじゃないかしら。嫌だったら家に帰るだけだもの」
「……全く素直じゃないな……でも一緒にいてくれるならそれで良いか。そもそも今日はクリスマスに何か欲しいものがあるかどうかって話をしようと思ってたんだけど……」
「あらそう。何だか隙を見てすぐにそんなような話題を持ち込むわね。辞めてちょうだい。何を企んでいるのかしら」
「うっ、でもやっぱり喜ばれるプレゼントをしたいし……」
「違うわよ。何を買うって言うのかしら、って言ったの。こんな事のためにわざわざお金なんて使わないでちょうだい」
「ううっ、僕がいればそれで良いって思ってくれてるのか……感激だ」
「お金を使わずどんなものを用意するつもりなのか楽しみね」
「うっ、そういう意味か。物凄くハードルが上がった気がする。え、えーと、ちなみにハイジは何か欲しいものってあるのか?」
「んー?さっきからミニーが誰と話してるのか全く分からないんだよ。私にも時空の歪みを感じる能力が欲しいかも!」
「妙に大人しいと思ったらそんな事考えてたのか!っていうか完全に僕の質問が聞こえてただろ!」
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「私が見える時空にいる人はクリックしておいたらどうかしら」
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