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もしもあなたがトナカイだったら、サンタをどこに連れて行きたい? ブログネタ:もしもあなたがトナカイだったら、サンタをどこに連れて行きたい? 参加中


「そろそろクリスマスだけど、どうしてサンタってトナカイに乗ってるんだろうな」

「あら、知らないのかしら。最初は5匹の犬を飼っていて犬ぞりにするつもりだったのよ。それがどうにも上手くいかずに、何か違う手段が無いかと思案に暮れながら生活していたらしいわよ。表向きは子供達のため、みたいに思われているけれど、自分のしつけの悪さを棚に上げて犬のせいにするなんてとんでもない性格をしているわね。例えば世界的に有名なモデルがプライベートでは誰だか分からないようなみすぼらしい服を着ていて、周囲は【変装のためにそこまでするとは】と思っていたところ、実は彼女のセンスではその服が最もオシャレな服だっただけなのよ。ところが周囲では【どんな美人でも服がダメならみすぼらしくなる】という価値観が定着して、もっとブランドの価値は高まってしまうわ。そして彼女は身体を張ってファッションの価値を高めた生ける伝説として、本人の意思とは全く違う形で名を残す事になるのよ」

「例え話が何だか言いたい事と違う気がするけど……でも最初は犬だったんだな。どうしてトナカイに行き着いたんだろう」

「あら、本当に知らないのね。スピードがあって体力があって雪に強くて、一体どんな動物がそりに最適だろうと色々思案するのよ。もう犬をしつけるという考えは最初から考えの外に置いてしまっているわけね。ラクダでは雪に強いか分からないし、オオカミでは犬よりも命令に従わない気がするし、ゾウでは子供を踏んでしまいそうだし、仕方なく自分の足で回ろうかと思ったりする事も一切せずに、とにかく楽で疲れない方法を選ぼうと必死になるのよ。楽をするために考えていたのに、考え過ぎて逆に疲れてしまったくらいよ。例えば自分はほんのキッカケとなるアイディアだけを提供して、商品化するのは全てスタッフに任せていた上司がいるのよ。でも新商品のお披露目会で彼はマスコミからたくさん質問をされてしまうわ。もちろん彼は詳しい説明が出来なくて、何でも【触ってのお楽しみ】とか【機能があり過ぎて説明出来ない】とか言い訳でその場を凌ぐのよ。ところがそれが民衆の興味をそそる結果となって商品が大ヒットしてしまって、彼は更に何もかもを部下に任せるようになってしまったようなものよ」

「……うーん、どうも例えが違うような気がするんだけど……でもとにかくトナカイの事はこの段階では全く考えてないみたいだな」

「ええ、そうね。犬を諦めた彼は仕方なく羊に行き着くけれど、モコモコした身体が何となく温かそうに見えるのが気に食わなくて辞めてしまうわ。せっかく凍えるような雪の中を走ってくるからには、大変でスゴイ事をしていると皆に思って欲しいわけね。もう自分を良く見せようとする事に必死で、何が当初の目的なのかさっぱり分からなくなってしまっているわね」

「確かにそうだな。それにしても今の話の展開からどうやってトナカイになるのか気になるぞ。どういうキッカケだったんだ?」

「あら、簡単な事よ。以前飼っていた犬の中に一匹だけ比較的言う事をよく聞く犬がいたのよ。それを思い出したのね」

「ふーん、その犬が恩返しか何かでトナカイに姿を変えた、みたいな話なのか?何だか脈絡が無いけど、童話ってそんなものなのかもな」

「ちょっと、どうして勝手に話を完結させてしまうのかしら。相手が求めている事も訊かずに、憶測で差し出す善意というのは時に悪意にしかならない場合があるのよ。例えば学校の球技大会のメンバーを決める時に、運動神経抜群の生徒が無茶を承知でクラスメイトのために全競技出場すると宣言するのよ。しかし当日になると彼は競技の掛け持ちのスケジュールが全く上手くいかなくて、ほとんどの競技で選手不足を理由に彼のクラスは失格になってしまうわ。彼が涙ながらに土下座をして謝ると、面倒な球技大会をやらずに済んで最高だった、とクラスメイト達は彼を褒めちぎったようなものよ」

「途中まで合ってたのに結局最後は例えが微妙に違うような……っていうか、彼を慰めるためのウソじゃなくて本心だったとしたらとんでもないクラスメイトだな。と、とにかく、僕が言った話が間違いだったなら続きを教えてくれないかな。犬がどうなるんだ?」

「騒々しいわね。犬はそれぞれトアト、トイト、トウト、トエト、トオトという名前だったけれど、一番彼の言う事を聞いたのはトイトだったのよ。サンタクロースは【トの中にイが入れば言う事を聞くのか】と気付いて、目から鱗が落ちた気持ちでトナカイを探し回るのよ」

「…………それじゃ日本語じゃないか」

「あら、どういう事かしら」

「サンタクロースってフィンランドじゃないのか?【トの中にイ】で【トナカイ】じゃ完全に日本語でしか伝わらない物語になってたぞ!」

「うるさいわね。何を興奮しているのかしら。童話なんていい加減なものだと自分でさっき話していたじゃないの。何が悪いのかさっぱり分からないわ。トナカイと暮らす北極圏の遊牧民族がモデルだから、なんて真実を話しても面白くも何とも無いじゃないの」

「いや、知ってるなら最初にそれを話してからお前のフィクションを聞かせてくれても良かったんじゃないかと……まぁ良いか。それはそうと、もしトナカイのそりがあったら行ってみたいところってあるか?」

「さぁ、どうかしらね。世界中回って満足したからあまり興味が無いわね。もう語って聞かしたじゃないの」

「え?そんな話聞いた事無いぞ?海外どころか日本国内だってほとんど旅行した事が無いって言ってたような……まぁ僕も人の事は言えないけど」

「違うわよ。物語で行ってきたじゃないの、って言ったの。もう散々トナカイと一緒に物語の中を走ってきたからもう良いわ」

「なるほど……まぁトナカイはほとんど出てこなかった気もするけどな……」


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