![生まれ変わるなら超絶イケメン、絶世の美女、どっち?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「生まれ変わったらどうなりたい、とかいう質問をよく目にするな」
「あらそう」
「更に男性と女性、どっちに生まれ変わりたいか、みたいな内容の質問もあるな」
「あらそう」
「何だったらイケメンと美女だったらどっちが良いか、みたいな質問も……」
「引っぱたくわよ」
「何でだよ!変な事は言ってないぞ!」
「うるさいわね。どうせ【誰からも相手にされない中途半端な容姿のお前はせいぜい来世にちやほやされる事を夢見るくらいしか方法が無い】と言おうと思ったんでしょう?あなたの思っている事は何でもお見通しよ」
「いや、お前みたいな美人がそういう事を言うと嫌味に聞こえちゃう恐れもあると思うんだけどな……」
「あらそう。という事は【何を言っても嫌味になるキツネのようなつり目美人のお前はせいぜい自分自身さえも騙して来世に人から好かれる夢を見るくらいしか救いが無い】と言おうとしていたのね、失礼な。早く頬を出してちょうだい」
「そんな事思ってないぞ!つり目美人とか何とか、そういう枕詞をつける必要の無いホントの意味での美人じゃないか」
「……うるさいわね。という事は【美人薄命とか言われているからどうせお前も明日か明後日が山に違いない。今から明るい来世の事でも考えて、僕にとり憑いて中々成仏しないような事が無いようにしてくれ】と言おうとしていたのね。どうしてそこまで徹底的に現世の人格を否定されて避けられなければならないのかしら、失礼な。引っぱたくだけではなくて何か減らず口を黙らせるような武器を使う必要があるかもしれないわ」
「最初から僕は何も言ってないだろうが!武器って、何を使うつもりなんだ、全く」
「あら、二度と口を開きたくなくなるような言葉の武器よ。肉体の傷はいつか癒えるかもしれないけれど、心の傷はどうしても一生癒えないものもあると思うわ」
「うっ、出来たらそんな武器は一度も使わないで欲しいな……」
「ええ、そうね。言ったところで何も生まれないもの。せいぜい恨みとか憎悪とか諦念などが生まれる程度よ。口にする私もスッキリする事は無いでしょうね。一緒に傷付く事でしか発する事が出来ない強烈で狂暴で凶悪な言葉、というカンジかしら」
「……何だか重々しい話になってきたな……意図してた展開と全然違うぞ……」
「何をごにょごにょ軽い気持ちで入ったお化け屋敷があまりに怖くて途中で非常口から出してもらおうか悩んでいる男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。結局今日は何の話がしたいのかしら?今から生まれ変わった気持ちで何でも話す意気込みがあるわよ」
「いや、だからその生まれ変わりの話をずっとしてたはずなんだけどな。イケメンか美人に生まれ変わるとしたらどっちが良い?」
「さぁ、どうかしらね。あなたはどうなのかしら?あなたの場合はまず人間に生まれ変わるかどうかの心配が先かもしれないわね」
「そんなに僕の人生は神様からの評価が低いのか?全く。えーと、僕が生まれ変わるとしたら……そうだなぁ、僕はイケメンの気持ちは分からないけど、一応男の人生は経験してるわけだし、次は女性の人生も面白いかもしれないな」
「あらそう。私は男性が良いかしらね。どうせつまらないもの」
「またそんな投げ遣りな……でもお前も今とは違う性別の人生を送ってみたいわけか」
「違うわよ。同性はつまらないもの、って言ったの。あなたと同性になったら今のような関係になるのが難しいからよ、って、何を言わせるのかしら、みっともない」
「ううっ、生まれ変わっても僕と付き合ってくれるのか……凄く嬉しいぞ。僕も全く同じ気持ちだぞ」
「あら、でもあなたは人間じゃない何かのメスになる可能性が高いからどっちみち難しいとは思うけれど」
「僕は現世で一体どんなマズイ事をしたんだ?」
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