![「あなたには、この能力が眠っています」言われて嬉しい能力は?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
「自分にはどれくらい隠れた能力があるんだろうな」
「何かしら、突然、気持ち悪いわね。いきなりうっとりした顔で子供のような事を言い出して彼女を気味悪がらせる能力は優れているんじゃないかしら」
「ぐっ、そこまで言わなくても……」
「あら、どうかしたのかしら。彼女の的確な一言を聞くたびに感動して絶句してしまう、という能力も発揮してしまっているみたいね」
「いや、決して感動したわけじゃ……と、とにかく何か自分で気付いてない能力があったらどうなのかな、と思ったんだけどな」
「どうもこうも無いわよ。まだ眠っているなら覚ませば良いじゃないの。何を考えているのかしら」
「いや、でも自分にどんな能力があるのか、なんてちゃんと把握出来る人の方が少ないと思うぞ」
「うるさいわね。それならどんな能力があると嬉しいのか話してみれば良いじゃないの。私が自分の言葉だけで二人の会話を埋め尽くしてしまう能力しか持っていないと思ったら大間違いよ。ちゃんと私はあなたの言葉を聞く能力だって持ち合わせているわ。そもそもいつもいつも私だけがたくさん話している状態というのは会話としてはあまり適していない状態なんじゃないかしら。どちらかと言うと私の演説を聴いて相槌を打っているだけのような、落語のCDを聴いて笑っているだけのような状態に近いと思うわ。そんな状態が常態という事をあなたの上体にある脳はどのように捉えているのか、というのを知りたい情態にあると私は常体で訊く次第である。この【だ】とか【である】で終えるような文法を常体と言って、敬体の反義語という事になるわね。敬体という形態を携帯しつつ会話を始めてしまった私はついに……」
「ちょ、ちょっと待った!言ってるそばからいきなり言葉で埋め尽くされそうだぞ!」
「うるさいわね。冗談じゃないの。私がどれだけあなたの言葉を聞く能力に溢れているのか分かったんじゃないかしら」
「確かに……話そうと思えばずっと話していられそうだったぞ……普段はずいぶんと僕に合わせてくれてたんだな……」
「何をごにょごにょ過去に例の無いプレイスタイルのクセに見事な成績を残している新人選手を見て自信を無くしてしまったコーチのようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかくあなたが一体どんな能力に憧れるのか話してみてちょうだい」
「うーん、そうだなぁ。やっぱり今はもっと勉強が出来るようになりたいかな。後は能力とは違うかもしれないけど、ずっと痛みや病気に強い身体でいたいし、どんな仕事でもバリバリこなす能力とか……」
「あらそう。ずいぶんと抽象的なのね。中小企業で中傷されるような人生になるんじゃないかしら」
「こら!そんな言葉遊びで人生が決まるなんて酷いぞ!」
「うるさいわね。だったらもっと具体的に話してちょうだい。ぐったりした軍隊に入隊出来るかもしれないわ」
「……そっちの方が酷いような気がするけど……じゃぁお前と同じ大学に入れるくらい勉強が出来るようになりたいし、何だったらお前が働かなくても済むくらい稼げる仕事に就ける人になりたいし、ずっと二人で楽しく生きていきたいな」
「……あらそう。私の存在が加わっただけでほとんどさっきと変わらない気がするけれど。何一つ叶わないんじゃないかしら」
「おい!どういう事だ!一つも叶わないなんて最悪じゃないか!」
「違うわよ。愛ひとつで叶うんじゃないかしら、って、何を言わせるのかしら、みっともない。そもそもこんな出来て当たり前の事を欲しい能力に数えている時点でしばらくあなたから姿を隠したくなってしまうわね」
「うっ、確かに……頑張ります……」
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