「最近の調子はどうだ?」
「んー?最近の私は安いわりに高スペック!いよいよ数十万円も出す時代は終わったかも!そうなのかも?違うかも」
「え?何の話をしてるんだ?」
「むむっ、データの伝達に失敗?再起動します。ピロリンッ。んー、最近の私は高スペック!起動も早いんだよ」
「いや、だから何の話なんだ、一体」
「むむむっ?何故かまたデータの伝達に失敗かも。再起動します。ピロリンッ」
「ちょっと待て!何なんだ!変な事しなくて良いぞ!」
「むむむむむむ」
「おい、どうした」
「途中で妙な事をするからセーフモードになってしまったかも。そうなのかも?そうに違いないのかも。前回ちゃんと起動したところから始めるべきなんだよ。ピロリンッ」
「ちょっと、いい加減に……」
「んー?私は毎年ちゃんと予防接種を受けているんだよ。だからインフルエンザウィルスにはばっちりと……」
「ちょ、ちょっと待て!僕達が前回まともに会話したのって冬まで遡らないとならないのか?」
「むっ、バックアップを取らないからこういう事になるんだよ。今の私のスペックも発売されてないから辻褄が合わないかも。やはり普通に会話するしかないという結論に至ったんだよ」
「ようやく変な遊びは辞めてくれたか。そもそも僕達は高1なんだから、高1の冬の話が出てくるのは未来なのか過去なのか分からなくなるぞ。って、わざわざ自己申告するような問題でもないけど。とにかく最近の調子はどうだ?」
「んー?細菌の調子?さっきも言ったように私は毎年インフルエンザの予防接種を受けているんだよ!だから体内で細菌が繁殖する事は無いかも!」
「いや、その細菌じゃなくて……」
「でも予防接種を受けていても、今は牛肉を食べる事さえ危険と隣り合わせの恐ろしい時代になってしまったかも。最近の細菌は再起動しても治らずに再起不能になってしまうくらい強力なんだよ」
「確かにな。食べ物は直接人体に入るもんだし、取り扱いには注意して欲しいな。何かあってからじゃ遅いわけだし。って、話が全然進んでないぞ」
「んー?まさか話が進んでないとは、全く気付かなかったかも!何故かデータの伝達に失敗!再起動を……」
「そういう意味じゃない!また同じ事の繰り返しになるだろ!調子を訊いただけなのに全くお前が答えてくれない、って意味で言ったんだ!」
「ぴー!ちゃんと毎回違う言葉で会話をしてるのに全然進んでないとは何とも失礼な話なんだよ!お互いのやり取りがあれば、全く同じ言葉でも会話は進められるものかも?ねぇねぇ、昨日のドラマ観た?うん、観た観た。何か女優の演技凄くなかった?うん、観た観た。ねー、何かちょっと相手の俳優も迫力に圧されてたような気がするんだよね。うん、観た観た。脇役なのに存在感があり過ぎて、いつの間にか出番も増えてるカンジしない?うん、観た観た。あの女優の名前って何だっけ?うん、三田三田。そうそう、三田さん!あの人ってどこに住んでるんだろうね。うん、三田三田。へー、じゃぁ三田線使ってるのかな、って、まさか車移動だよねー。運、三田三田。へー、運転手も三田って言うのかー、詳しいね」
「誰なんだお前らは!片方は全然会話する気が無いじゃないか。よく会話が進んだもんだな。って、それは良いとして、とにかくお前の調子を訊いてるんだぞ。どう考えても元気そうだから訊く必要も無くなってきた気はするけど」
「………………」
「どうした?実はあんまり調子良くないのか?」
「んー?誰よりも格好良いミッキーがとても眩しくて、どうしたら人はこんなに魅力的になれるのかと考えていたところなんだよ」
「何っ!?お、お前がそんな手放しに人を褒めるなんて……流石にテレるぞ……」
「……と言ってしまうくらい調子が良いかも!ぴゅぴゅぴゅっ!」
「……なるほど……調子の良い事を言ってただけか……」
「このまま調子良くクリックしとくべきかも!」
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