【会話ブログ】それは夢か現実か 前編 | 【会話ブログ】

【会話ブログ】

ここは旧【会話ブログ】です。
新アカウントでお楽しみください。

夢のなかでこれは夢だと自覚したことある? ブログネタ:夢のなかでこれは夢だと自覚したことある? 参加中


「なぁ、お前も夢を観たりするのか?」

「まぁ、何かしら、突然。まだまだ生きていくつもりの私がどうしてそんな事を訊かれなければならないのかしら、失礼な」

「え?何を言ってるんだ?」

「うるさいわね。【どう見ても夢も希望も将来性も無い、未来も人間性も性格も真っ暗なお前だけど、一人前に夢を持ってたりするのか?そんな無謀で無駄で無理で無茶な夢想に夢中になっていないでとっとと捨ててしまえ胸糞悪い】と言いたいんでしょう?どんな夢も希望も裏切られるためだけにしか存在しないような、不幸の塊みたいな彼女で悪かったわね」

「そんな事思うわけないだろ!僕にとってお前は幸せでしかないぞ!僕は寝た時に観る夢の話をしてるだけだ」

「うるさいわね。あなたの言っている夢だけが夢だと思ったら大間違いよ。例えば将来有望で周囲がスーパースターになる事を期待して夢見たサッカー少年がいるのよ。ところが彼は高校生になった途端に勉強に目覚めてしまうわ。特に運動力学について興味を示して、人間の筋肉や関節がどのように運動神経に作用するのかを研究するのよ。自らの肉体を酷使して色々調べるのが最も効率が良い事に気付いて、彼は再び厳しいトレーニングを始めるわ。そしてサッカー選手として世界で有数のスーパースターになるのよ」

「何か例えが合ってるような合ってないような……っていうかとにかくそういう将来の夢じゃなくて、寝てる時の……」

「うるさいわね。眠っている時の夢だけが夢だと思ったら大間違いだと言ってるじゃないの。例えば毎日同じ夢を観ている人がいるのよ。彼は毎日何かに追われていて、一晩中港の倉庫地帯を逃げ続けるわ。目が覚めるところも毎日同じで、何者かに追いつかれて腕を掴まれたところで目が覚めるのよ。最初は夢が持つ意味について恐怖心を抱いていた彼だけれど、毎日観続けるうちにすっかりその夢に慣れてしまうわ。しまいには目覚まし代わりに夢を使うようになってしまって、何回眠ってもぴったり同じ時間で起きられる男としてギネスに認定されるのよ。まるで夢のような夢の話ね」

「……いや、そんな上手い話をされても困るけど……とにかく夢を観るのかどうか訊いてるだけなんだけどな」

「うるさいわね。それはそれは色々観るわよ」

「へー、そっか。お前みたいにあんまり寝ない人は夢をほとんど観ないのかと思ってたよ。それなら例えば夢なのに夢だって気付くような事ってあるのか?」

「あら、それはどういう事かしら」

「え?そうだなぁ、夢を観てるんだけど、その夢の中の自分とは別に、夢を観てる自分の意識もある状態と言うか……僕はそういう夢を観る時があるんだ」

「あらそう。それはそれは色々な夢を観るけれど、あれはそういう事だったのね。ようやく納得出来たわ。何をしているのかずっと不思議だったのよ」

「ふーん。そういう状態にはなった事があるのに、よく状況が理解出来てなかったのか?何だかお前らしくないな」

「違うわよ。何を言っているのかずっと不思議だったのよ、って言ったの。今まさに夢を観ているクセに【ああ、これは夢か】とか言っているから頭がおかしくなったのかと思っていたわ」

「……何か嫌な予感がするけど……お前の話だよな?色々な夢を観るって言ってたし……」

「ええ、そうね。私の話よ。【まずい、ミニー、早く逃げろ】とか【ミニー助けてくれ】とか【ミニーは僕のものだ】とか【ミニーが大好きだ】とぁ【ミニーがいないと生きていけない】とか、それはそれは色々な私の夢を観ているところを私は見ているわよ。ずいぶんバリエーションが豊富で毎晩楽しそうね」

「やっぱり僕の寝言の話か!恥ずかしいから盗撮しないでくれ!」

「うるさいわね。あなたが私を観ている時間くらいは私もあなたを観る権利があると思うわ」

「いや、夢と現実を比べられても……」


続く


【会話ブログ】
「続きはクリックして待っててね」


公認会話士の小説連載中

小説版会話ブログ第一弾
【はじまりの日】

小説版会話ブログ第二弾
【拝啓、わが路】

小説版会話ブログ第三弾
【そして欠片は花弁のように】

会話ブログRPG
第1章
第2章

リクエストや質問 、待っているわ」